広島・松江編




広島・松江城めぐり 出雲大社でそばすする編 2001.3



  広島は小さい頃から知っていながら、行ったことのない都市でした。そして初の山陰地方、松江・出雲への旅。今回はこの広島−出雲間を19人乗りの飛行機で移動した。乗る前から騒音は?揺れは?娘は耐えられるか?と心配だった。
 そしてもうひとつの心配のタネ、天候。旅行の前日から広島・島根ともに雪の予報が出ていました。飛行機が飛ばないのでは?観光ができないのでは?「大丈夫だろうか」と心配しつつ家を出ました。
 我が家のコーディネータの最近の傾向、路面電車と城とうまいもん。広島・松江ともに城を構えています。広島ではかわいい名称の「ひろでん」(一部路面電車)に乗りました。  
 
 
飛行機
今回の飛行機は@羽田−広島、B出雲−羽田はJASで貯めていたマイルで無料航空券をもらいました。ダイエー系のOMCカードでは買い物のポイントがマイルに換算されるそうです。貯まっていたそれで取得したそうです。(旅行がらみのもろもろはすべて同行者任せの私)A広島−出雲はJ−AIRというJAL系の会社の飛行機で5500円となっていました。この路線は今月で廃止されるそうです。(@ABは移動の順番)

 @隣が空席だったので3人席を使えて楽でした。娘は起きていましたが、搭乗してすぐに絵本を持ってきてくれたり、おもちゃをいただいたりして時間を過ごすことができました。JASでは「天使のおでかけサービス」というのをやっているらしく、子供連れの人に対してとても細かい心遣いをしてくれる。子供が大丈夫かしら・・・と悩める親の助けになってくれます。以前JASでいただいたおもちゃで「スチュワーデス」のぜんまい仕掛けものは娘のお気に入りです。過酷な遊び方で動かなくなってしまったので、同じものがほしいなぁと思っていたのですが、それと同じシリーズで「パイロット」のぜんまい仕掛けものをいただきました。子供よりも私が喜んでいたりして・・・。でも目新しいおもちゃは効果大です。広島空港から市内まで1時間くらいかかり、とても長く感じた。新しく空港ができると市内から離れてしまうのでしょうけど、羽田からすぐ着いても同じくらいバスに揺られて〜となってしまい疲れますね。

 A広島西飛行場から出雲へ。空港は以前まで使われていたところだとか。市内からバスで30分程度と近い。揺れは?騒音は?と心配している私たちに追い討ちをかけるような悪天候。昼過ぎから雨になってしまいました。飛行場に早めに着いたので、娘を疲れさせるためにヨチヨチと歩かせる。みんなの見ているTVを消す、自販機のおつりのところを覗いてまわる、パンフレットをばらまく、床で水泳をする、ありとあらゆる「困ったこと」をしてくれる。これを見ていたほかの乗客は「乗ったらうるさいのでは?」と心配したかもしれない。ほんと、これで飛行機でもうるさかったらどうしよう。19人の定員に対して7人の乗客。3月に廃止になるとはいえ、週末の夜にこの人数ではちょっと寂しい・・・。広島−出雲間はバスで3時間半程度だそうで、車やバスでの移動が多いのでしょうね。

 やっとの搭乗。乗客に傘が用意された。隣があいている席だったので気が楽だ。席に座ると空港職員が私のそばに来て手をのばしている。「シートベルトをする間、娘を預かってくれるのかな?」と思ったら、「抱っこしてベルトを締めてください。」え、え〜!?今までベルトサインがついているとき親は普通にベルトを締め、その上に娘を抱っこしていたので驚いた。そして、抱っこした形で試すと・・・ベルトが届かない!!「届きません。」というと「ちょっとお待ちください。」と延長用ベルトを探しにいった。そのとき私は「届かないなんて・・・」とショックを受けていた。抱っこの形とはいえ、みんなそうやっているんだよね?と思い悩んでいると整備の方か男性が来て、「自分だけでいいです。そして抱っこしてください。」だよね、だよね〜。ほっとしました。延長ベルトを使った女にはなりたくなかったんだもの。それに娘ごとベルトをしたら何かあったときに負荷がかかるのは娘だよね・・・。あんな小さな体に私の分までの負荷がかかったら恐すぎます。というわけで、子供を抱っこしていく場合は親だけベルトです。(^^ゞ

 雨の中の離陸。小さい飛行機は騒音や振動が体全体に伝わってくる感じで思わず「飛べ!飛ぶんだ!」と気合を入れてしまいます。ふわっとあがった瞬間はとっても快感です。夜の明かりがとてもきれいでした。川の多い広島の街あかりと川の暗さとできれいにコントラストを描き、雨が翼の点滅するあかりに反射して花火のようにパッパッと輝きました。激しい揺れとともに雨雲から抜け出して上昇するとそこは満月のあかりと雲のじゅうたん。雲はもう一つの地表のように隆起したところ、谷になったところとありとっても幻想的な世界でした。うっとりと窓から眺める私のひざにはぐっすり娘が熟睡しておりました、とさ。

   B満員とは知っていたけど、願ってしまう「隣がきませんように・・・」。私たちは3人席の窓側2席です。小さい子供のいる方〜と呼び出され早く搭乗した私たちは念仏のように唱えてました。でも・・・来ました。あ、あれこの人は「おさる」さん。(さんをつけるとなんか変)初めて隣に有名人が来ました。びっくりした〜。でも隣なのであまり見ることができず残念!?羽田に着いて荷物を取りに行くときに、娘を抱いた同行者とおさるさんがぶつかってきた。「すいません」とおっしゃった。ち、ちがう!!「すんまそん」って言ってよぉ〜。さて娘はというと搭乗後すぐに寝てしまったので、おとなしかったです。   
 
 
広島の観光地とうまいもん
 フェリーで降り立つとそこは宮島。鹿が出迎えてくれました。ちょっと恐い。紙袋を鹿にかじられたご婦人が「お父さ〜〜〜ん!!」と助けを呼んでいた。娘はけっこう平気らしく近づいていく。鹿が接近して顔にくっつきそうだとさすがにびびっていました。でも泣きもせずに近寄っていることも。動物好きなのかな?
厳島神社は朱色の回廊がとても鮮やかで、昔の佇まいがそのまま肌で感じられる。鳥居へは干潮だったので歩いて行けた。しかしなぜかこのときに大雪が!海から私たちに向かって雪と風が押し寄せてきました。歩くのも大変なほど寒く、凍えそう。娘はすでに鼻がたれていてちょっと意識も朦朧な様子。慌ててシャッターを切って戻ってきた。近くで家族連れが「お父さんが御祓いしないから雪が降ってきたんだ!**家のたたりだ!」と言っていた。あのお父さんのせいだったのだろうか・・・?岸に戻った途端に雪がやんで晴れてきた。

 広島といえば、原爆ドーム。平和記念公園、原爆資料館にも行く。多分小学低学年の頃だったと思う。広島の原爆被害の写真集があった。私が見ることに他の大人が反対したが、叔父が「こういう事実は知らなくてはいけない」と言って見せてくれたように思う。黒焦げになった人間、焼けただれた皮膚、焼きついた着物の柄、ケロイド、頭髪の抜けた少女、かなり子供には衝撃的でしたが、子供の残酷さというか好奇心というか私はそれを度々見ていた。そして見るたびに原爆のすさまじさを心に刻んだ。きっと資料館もその思いで、たくさんの人に見てもらえるように50円という安い入館料にしているのだと思う。私たちは見なくてはいけない。幼少の頃に見た写真も資料館には展示されていた。再び出会った気分で眺めた。改めて残酷さを知る。子供の頃見たように残虐さ、悲しみ、苦しみたくさんの思いが胸に押し寄せてきた。平和を願って核実験に対し抗議文を送りつづける広島市長の思い、必ずかないますように。
日本は原爆を落とされた唯一の国という言いまわしを良く聞く。でも裏返せば「アメリカは唯一原爆を使った国」である。最近の教科書問題で「従来の教科書は自虐的過ぎる」という考えはこういうところもかんでいるのかなとちょっと思った。自虐過ぎると自国への誇りをなくしてしまうように思う。

 原爆ドームのそばから遊覧船が出ていました。通りかかったらちょうどいい時間だったので乗ることにしました。所要時間1時間で川沿いの建造物の説明や歴史などを案内してくれました。売店もあり飲み物やおやつがあります。他にランチコースなどもあるようです。ちょっとゆったりいい船旅気分でした。

 今まで城というと街のどこからでも見えるようなイメージがあったのですが、広島城は見えない。高い建物が多く城が低いのです。ですので、その方向に向かっていても「本当にあるのかな」と心配していました。で、突然目の前に現れたって感じでした。そう、なんだか人の家みたいです。中はきれいに整備されて現代的になっています。階段も楽です。城からの眺めは思ったよりも高いのですが、やはり見渡すという感じではなくてちょっと残念です。「広島城で遊ぼう!」(だったかな?)というポスターが貼ってあった。入城も「子供は今日はただ!」なんて言っているのを聞いたので、子供にサービスがあるのかもしれない。娘は最上階でポスターの言うとおり遊んで来た。なぞ:なんで城には全国の城の写真が良く飾ってあるのかな。

 広島といえば、やっぱりお好み焼きですね。甘めのソースが苦手なはずだった私。でも当地で食べるとどうしてこんなにおいしいんでしょう。甘めのソースもばっちりあっている!!おみやげ用に冷凍も売っているのでちょっと驚いた。昔自分で試して焼いたら失敗したっけ・・・広島風お好み焼き。今回はお店で焼いてもらったのでよかったです。私には焼けません。それから居酒屋で食べた刺身もどれもおいしかった。瀬戸内海の幸でしょうね。関さばもあったのですが、3千円〜との言葉にあきらめた私たちでした・・・。お土産には広島菜を買いました。漬物は大好きなんですが重くなるのが難点ですね。今回は宅急便を使って荷物を送ることにしました。

 ひろでんにも乗りました。名前がなんだかかわいらしいですよね。最初はそのシステムがわからなくて不安でした。入口と出口が決まっているようだし、料金を払うタイミングはいつなんだろうと周りをキョロキョロ観察してしまいました。市民の足として活躍しているようです。広島駅に着いたときは携帯料金箱みたいな機械を使って精算を行っていました。みんな一気に精算するのは大変だろうなぁと思っていたので、なるほど・・・こんなのがあったかと感心する。それにしても守らない人はいないのだろうか・・・。   
 
 
広島の宿
市内の某旅館へ素泊まりだったのですが、角部屋でとっても広くって畳の部屋だったので娘は縦横無尽に動き回っていました。お風呂は大浴場が1箇所しかなく、時間によって男女に分けるようでした。でもできたら家族で・・・と相談してみたら融通してくれました。前回の旅行で便秘になってしまった娘ですが、ここの宿ではリラックスしたのか大丈夫でした。
 
 
 松江・出雲の観光地とうまいもん
 松江城は別名千鳥城というように屋根が少し反り返っていて千鳥のような姿。なぜかこの日トンビがたくさん上空で輪を描いていた。雪が残るぬかるみをえっちらおっちらと登る。娘を抱っこ、ベビーカーと持つものがたくさんあるので大変だ。城の中は・・・土足禁止の床張りで昔のまま大木を残し、大切に修復されてきた素敵な城でした。これはすばらしい!中国地方で唯一のこる天守閣だそうです。階段がどんなに急でも、入城料が少々高くても昔の姿のままならば全然かまわない!!中もあかりが落としてあって大きな柱を照らし味わい深い。急な階段を上って天守閣へ。外を眺めようと寄ってみたらこんな注意書きが「危険ですから柵に上がったりすがったりしないで下さい」すがったり・・・という表現にちょっと楽しくなってしまいメモを取った私。城で柵にすがっている姿が目に浮かんでしまった。語呂もいいですね。
おばちゃん二人が「鷲だ!鷲!あの木にいる!!」「ほんとだ、ほんとだ」って言っていたけど、あれはトンビですぅ。近くにカラスもいるもの。カラスはよくトンビを追いかけまわすんですよ。小さい頃母に聞いた昔話では[トンビが鳥の中でえらくて色を決める係りだった。カラスは白くして欲しかったのに、黒くされてしまったので今でも怒って追い掛け回すとか。]
 出雲大社、私がこの名前を知ったのはだいぶ昔だと思うが、因幡の白うさぎでうさぎを助けた大黒様が出雲大社に祀られている大国主神だったのですね。ちなみに10月を神無月と言いますが、全国の神様が10月にここに集まるからだとか。なのでここでは10月は神在月と言うそうです。建物のすばらしさ、そしてそのゆったりとした時間の流れを楽しみました。

 出雲・松江のうまいもんといえば、そば!桃電でもここのお店は繁盛していたもんね。(桃電=桃太郎電鉄:ゲームの種類です)今回松江でいただきました。割り子という小さな円い器にそばが入っていて重なっています。人により3段とか5段とそれぞれのお好みの量で頼めるのでいいですね。(表題では出雲大社でそばすする・・・なのに食べたのは松江だったりする・・・)また和菓子も各種あり、お茶にあいそうです。らくがんのようなお菓子やぎゅうひのようなものを良く見かけました。また宍道湖名産のしじみで作った佃煮などもいろいろあります。私は山椒のものを買いましたがご飯にぴったりでした!

 松江温泉から出雲大社への移動に一畑電車を使いました。直通は1日に2本だけでした。その電車は観光向けなのか座席の方向が全部変えられるようになっていて、宍道湖を眺めながらの出発となりました。とてもうれしい!が、それも途中まで。スイッチバックでまた進行方向が変わってしまうのでした。で、また席の向きをかえる・・・と。
 
 
松江の宿
松江温泉の宍道湖そばにたつホテル。またしても角部屋。子連れには角部屋が定番なのだろうか?前回の旅行といい、今回といい角部屋ばかりだ。この部屋はまたしても広くって変わった造りになっていて全面ガラス張り!宍道湖やちょっとだけど城も見える。まぁガラス張りなので外からも見えちゃうんだけどね。とっても気に入りました。お風呂はちょっと狭いけど、誰もいなかったのでのびのび入れた。娘は同行者と男湯へ。いつまでこうして同行者に任せられるかな?このホテルには夜9時過ぎについたので、近くのラーメン屋で夕食。娘はラーメンを食べたあとはいてしまい、大変な騒ぎになった。昼もお好み焼きの麺で吐いたのでこれから注意しよう。ここの青ネギラーメンはおいしかったし、時間(10時近く)にもかかわらずけっこう混んでいました。  
 
 
旅行中の娘の様子
 今回は雪の中の観光があり、とてもかわいそうな気持ちになりました。旅行を決める段階では天気まではわからないですものねぇ。風邪をひかなかったのがなによりでした。また前回のように便秘にならなかったのでほっとしました。体調もよく食欲もありました。私たちの真似をしてお好み焼きに食らいつく姿はかわいくおかしかったです。1歳1ヶ月ということもあり、だんだん人の真似をしてみる時期になったんでしょうね。今までミルクを持参してきたのですが、今回は親の怠慢で作らずじまいでした。栄養のバランスがちょこっとくずれているかもしれません。食事の時間も不規則ですし・・・。いつもパンやバナナを常備して食事の時間が空いてしまったときにあげました。それと替えのズボンがなく、吐いたあとに洗濯したものの乾かなくてドライヤーで必死にあてまくりました。上下1組くらいは余分に持った方がいいかもしれないと反省しました。  
 
 
最後に感想をちょこっと・・・
 今回心に残ったのは広島原爆資料館と松江城でした。また何年か経ったら行ってみたいです。今度は天気のいいときになるといいなぁ。広島でのお好み焼きがおいしかったので、また食べたいです。