飲むレタス

 特にみたい番組があったというわけではなかったのですが、いつものように テレビを何気なくつけっぱなしにしていたのです。番組は、村の産業活性化の 一環として農家が新しい缶飲料を開発したというものでした。開発者の おじさんがテレビに出演し、自分で開発したその缶飲料を飲んでいたのですが、 飲んだ後にレポーターに味を聞かれてそのおじさんはなんと 「まずい」と答えたのです。それまで特に興味がなかったのに、その 一言でテレビにくぎづけとなりました。商品名は飲むレタスと言います。 自分のつくった飲み物を堂々と「まずい」と言うなんて、 これは何か理由があるにちがいありません。もしかして青汁のように、味の 良さより健康によいことが商品コンセプトであることを強調するために、あえて まずいままにしているのでしょうか。

 番組を引き続きみていると、おじさんは飲むレタスを開発した理由を話して いました。それはレタスがとれすぎて値崩れしているのでやむを得ずに飲料にした、 というものでした。それはそれで理解できるのですが、飲むレタスの商品としての セールスポイントは結局番組の最後まで不明のままでした。 まあ、マスコミに取り上げられ話題になればレタス産業の実状も多少は視聴者に 理解してもらえるし、その上珍しいもの見たさに買う客も現れると思われるので、 それで飲むレタス開発目的は達成されているのかもしれません。

 飲むレタスを是非とも入手するため、僕は東京からわざわざ 長野県川上村を訪れました。川上村は千曲川の上流に位置する緑豊かな村です。 まずは手がかりをと思い村の中をバイクでうろうろしていると、比較的大規模な スーパーマーケットを発見したのでとりあえず入って飲料コーナーに直行すると、 ありましたありました。早速4本購入です。こうして確かに1名、 珍しいもの見たさに買う客が現れたようです。

 帰宅してからおもむろに飲むレタスを開封してみました。 色合いと透明度は、抹茶ういろうにそっくりといったおもむきです。 味は、薄い食塩水にレモン汁をしぼり、さらに青臭さをたっぷり加えたら こうなるだろうという感じでした。もしレタスを食べたことのない人に この飲料を飲んでもらって、これがレタスの味ですと説明したとしたら、 その人は本物のレタスを食べる機会があったとしても食べる気にならない ように思います。

購入場所:長野県川上村 ナナーズ川上店
購入日 :1999年11月3日
価格  :1本140円(消費税別)
原材料 :レタス、酸味料、紅花色素、くちなし色素