White
Room Tour・仙台レポ
Zepp仙台 6・17・2005
仙台に向かう新幹線の車窓から、吉井さんが奇跡のようなGODを聞かせてくれたJ.レノン・スーパーライブの会場、さいたまアリーナが見えた。あれからもうすぐ4年。メランコリックな完璧主義者ゆえ、自我の座敷牢に篭ってしまった彼。自分の足で一歩を踏み出すまで辛抱強く待ち続けたファン達。両者のやりもらいがあって初めて成立するライブに、やっと参加できる日が来た。4時40分到着。
「グッズで並んでたら、エマさんの入りを見れましたよ。普通に、歩いて入ってきたんです。やっぱりサポートメンバーだからなんでしょうね。吉井君は車で入ったみたいで見れなかったけど。」
そうなんだ!これはYOSHII LOVINSONが座長(?)のライブなんだ、二人の『微妙な距離感』はこういう所から生まれて来るんだろうな。ツアーの出来不出来は全て吉井の肩に掛かって来るのだ。
(曲順は自信がありません。どの曲の後でメンバー紹介が入ったのかも覚えていません(-_-;)。が、以下、私の記憶の中のステージを再現します。)
この曲しか一曲目は考えられない。センターには、黒のシャツ・白いマフラー・グラサンのLovinson.
“Back
Stage の写真と同じ顔だ”なんて間抜けな感想しか思いつかなかった。喉が温まっていないのか声が死んでいて、思い切り音をはずした時に、エマが動揺したように右足を一歩下げたように見えた。(きっと、これはこの瞬間だけ、エマが私のアウターエゴになったんだと思う。)
欲望
ストロボや強烈な会場を舐めていくような渦巻きの形のライト。楽器の立ち上がりはこの曲でOKになって、観客もノリノリで合唱。でも、肝心のボーカルが、響きが胸のとこで止まってしまっている。狭い空間だからSEやマイクの調整で誤魔化しようがない。「この人もスティングと同じでCDで聞く人なのかも・・・」といやな考えがよぎり、必死に大声で、「Don’t
touch me!」と歌ってしまった。
TALI
“この思い入れのある曲ならたち直ってくれるさ!”、と思った私がバカでした。 のっけから歌詞を忘れ、高音部は楽隊の足を引っぱらないようにするためかオクターブ下げて歌ってしのいでいた。こんなTALIを聞かされるとは思わなかった。
SIDE
by SIDE
TALIで帰ろうと思ったが、この曲は大好きなのでこれだけ聞いて帰ろうとした。 が、ライトが真っ赤に変わりツインギターが唸り始めると、吉井さんが変身。 根性据わった声が出始めた。「鋭利な鋭利な」あたりから、自分の詩に陶酔するような表情になり、「吉井さん、入りました!」状態に。 気がつくとサングラスもはずしていてホスト時代を彷彿とさせるような色っぽい目つきも見られました。こっちもロビンワールドにすっかり入り込んでしまったのか、歌詞の失念も全く気にならなくなっていましたとさ。
Wanted
& Sheep
ライトは満天の星・羊・スペルマをイメージしたような白い大小さまざまの水玉に。 エマのギターがフューチュアされる部分に移るとき、左手でエマへと聴衆の視線を誘導した。 吉井さんが恋人を気遣う青年のように見えてしまった。舞台の本人達同士は、案外、L「ここでとちるなよ」E「うるさい、余計なお世話だ!」なんていう無言の会話なのかもしれないけど。
CALL
ME
前半のヤマの曲。「雑草みたいに…」のところから、ライトはボーカルにのみ集中。歌手・吉井和哉を聞きたかった私が待ち焦がれていた絵柄。 私にとってのツボの『♪たまに星がキレイだってことを 君に 君に♪」の所に至っては滂沱の涙。
−そうなんだ、この瞬間にで出会うために4年間、待ち続けていたんだよ、吉井!−
Californian
Rider
“♪仙台にいるんだ~♪”とお茶目に歌う吉井さん。 “あれ、いないはずのKeyboardが聞こえるぞ。”この瞬間、私は「してやられた!」と、Lovinson氏の深慮遠謀にやっと気付いたのでした。
Black
Cock’s Horse
この曲も聞きたかったのでとても嬉しい。 こういう曲だと吉井さんの声の若木のような香りが活かせるから。 「Why
don’t you go. 普通に普通に」のところでは、期待を裏切って、日下部さんに向かって“どうどう、どう”。 それにしても、絶対horse
じゃなくてhoseって発音してるよ、吉井さん。 「俺の歌は俺の歌、死ぬ時は一人だ」と深刻な内容を歌ってるのに、同時にスケベ精神も忘れない。それが若さってことなんだろうな。 “You
are the tears that come after June time’s laughter”
20GO
もっと前に歌われていたのかもしれません。 曲順も記憶からすっ飛ぶほど印象的な歌唱でした。 20代の自分への、慙愧の念・愛おしさに押しつぶされそうな表情の吉井さんが美しかった。 それに釣られ、一緒に歌う観客も静かに歌詞を口ずさみます。この歌の少女と同年代の人は掴めそうで掴めない今への思いを見つめながら、年上の人は20歳の自分へ火照るような恥ずかしさと労いを抱いて、吉井さんと一緒に。
RAINBOW
吉井さんの背中から虹色のライトが放たれます。ギターの孤独な響き。ベースはあくまで強力で正確。 昭和歌謡のような、GSの生き残りのようなメロディに、文学的な歌詞。 ライブハウスにいるのでなく○○劇場に居るような不思議な感覚。 でも、あくまでノリはロックというところが極めて吉井和哉的。
Just
a Little Day
“友達の歌を歌います”の言葉で始まったこの壮大な曲。 このサポートメンバーの構成では無理なのに敢えて選んだ曲。 ライブハウスでこの曲を歌うことに意味があると考えたのでしょう。観客もバックコーラスのパートを担当。感動的でした。
2階席よりはるかに高いところに目線を送って、自分自身を指差して『♪いつの間にか歳をとった♪』と歌う吉井さん。彼の心の声が聞こえました。
−今、こうして自分にここで歌を歌わせるためはお前は死んでしまったんじゃないのか? 大きな絵を一緒に仕上げて行こうとしてくれるファンと出会わせるために −
Spirt’s
coming
“ロッケンロール・タ~イム”の雄叫びが出た頃にはもうすっかりロビンに。「ツアーの折り返しです。サポートメンバーも、だんだん、バンドらしくなって来ました。名前もあります。ブッシャーズ」 散々、二人のギタリストの一部の毛のことを話題にしていたのは、これが言いたかったからなのね〜〜。
そんな中で、9・11で痛めつけられたNYのことを思い出し“頑張れNY! 一緒に傷ついた私達、一緒に立ち直るんだ!”と泣きそうになった私は、相当壊れてます。
Muddy
Water
ロビちゃん、英語巧い。聴衆の乗せ方はアメリカの地方都市のバーで歌う歌手を遙かに越えている。 38歳にしてアメリカデビュウする大器晩成がいたって悪くないよ。
−♪どれが俺の青〜〜葉♪− このあたりなると、ライブが楽しくて楽しくて、「僕、帰る」状態だった30分前が一週間以上前に感じられた。恐るべきロビンマジック!
For
me now
あっち向けホイをロビチャンとやるのを楽しみにしてました。ちなみに私、勝ちましたわよ、オホホホホ!
Final
Countdown
会場のノリノリはもう、誰にもとめられません!
(しばし休憩)
MCでまたまた、毛の話題。「楽屋でエマに殴られました。今度はエマの口にぶちこんでやる」。 アッ君の紹介の時の、7対3といい、吉井さんすっかり悪がきモードです。「来年はもっと精力的に活動します。 東北も細かく回ります」、と言っていました。「(エマを紹介しながら)俺の左でギターを弾く男はこの人だけです。次のツアーじゃ、左右入れ替えるかもしんないけど」。ちょっとこの発言にはドキッ。 好みの問題もあるでしょうがエマより日下部氏の音のほうが歯切れよくサポートとしては使えるかも、と私は正直、思っていたからです。
トリビアな話題ですが、日下部さんのあだ名はBARNIEだそうで、『Bunny
じゃないよ。この顔でgirl
が付いたら・・・』と言った時の、girlの発音は100点満点でした。潰れたアの音が自然に出せる日本人は少ないです。
Still
Alive
アコギで歌い始めました。 この曲は吉井さんにとって、ルー・リードの“It’s
a perfect Day”になるナンバーだと、ずっと思っていたので、ここで歌って貰えてとても嬉しかったです。 歌唱力もアレンジもまだまだですが、この曲はPearl
Light Revolutionのように成長して行って欲しいです。
Naturally
♪新境地に対して…♪、のところを歌った吉井さんの自信と決意に満ちた男らしい表情が印象的でした。 でも、“潜入”をスケベオヤジの顔で“X入”と歌って、自爆していました。加藤茶じゃないけど「アンタも好きね〜〜」。
トブヨウニ
『皆さん、一緒にとびましょう!』
『は〜〜い!』
終了は8時40分。新幹線で日帰りできるが売り物のZeppだけありました。私にとっては初生ロビンでした。表情やしぐさやMCは、DVDで学習済みでしたが、一緒に航海しているようなライブの臨場感は、これは、体験した者にしかわかりません。 おそらく、こういうライブハウスでの彼のツアーはこれが最初で最後でしょう。
帰りの新幹線で、Californian
Riderで気がついたLovinson氏の企みを反芻していました。White
Room は完全に、ツインギター・ドラム・ベースというこのツアーを念頭に作られたアルバムです。 ABHでは使っていたキイボードもパーカッションもない曲ばかりなのです。その上、セカンドアルバムはメ15でJAMを歌う前にカンパケしていたのです。
街の灯を眺める車窓にほくそ笑むLovinson氏が一瞬、映ったように思いました。