狩猟から農耕へ
農耕と牧畜の始まり
- 氷河時代
100万年前から1万年前ごろまで氷期と比較的温暖な間氷期が数回繰り返された。これを氷河時代というが、この氷河時代末期にクロマニョン人が出現した。
- 食料の減少
- 氷河から乾燥地
1万年前ごろ、氷河は北へ退き、氷河時代が終わった。地球は暖かくなり、北アフリカからアジアにかけて、草原が乾燥して砂漠となった。 - 乾燥地の食料減少
氷河時代が終わり暖かくなるという変化により、マンモスなどの大型動物が減ったため、人々は弓矢などを用いて小型の動物を捕ったり、漁をしたが、食物に困ることが多くなった。
| マンモス
更新世に、寒冷な地方に広く分布した巨大なゾウ。全身が長い毛でおおわれ、3〜4メートルもの湾曲したきばをもつ。 |
農耕と牧畜
- 栽培と牧畜
- 栽培から農耕へ
人々は自然の条件に合わせて野生の植物を栽培することを知り、やがて農耕を中心に生活する集団も出現した。
- 飼い慣らして牧畜へ
乾燥地帯や寒い地方の人々は、野生の牛や羊、トナカイなどを飼い慣らして肉を取る牧畜をはじめた。
- よく実のなるものへ
長い年月の間に、人々はよく実のなるもの、利用しやすいものを選び、栽培していくようになった。
- 新石器時代
農耕や牧畜が始まると、人々は定住し、むらをつくった。食料が安定して得られるようになり、人々の寿命も延びた。
- 土器
穀物を煮たり、たくわえるための土器もつくられた。
- 新石器時代
道具も進歩していき、磨いて形を整えた磨製石器や織物もつくられた。このような時代を新石器時代という。
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栽培
東南アジアでは、野生のバナナやタロイモを株分けして栽培し、西アジアでは麦の栽培が行われた。東アジアなどでは、風が吹いても実が落ちない稲を選び、育てるようになった。
加工 牧畜が行われていた地域では、乳をバターやチーズに加工する技術を生み出していった。
打製石器
自然の石を打ちかえたり、割ったりしてつくった石器。斧、矢じり、槍、きり、にぎりづち、ナイフなどのいろいろと種類があり、打製石器の見つかった時代を旧石器時代と呼ぶ。
磨製石器
とぎ石や砂で石を磨き、形を整えた石器。木を切るための石斧や穀物を刈るための石鎌などがつくられた。打製石器と磨製石器の両方が使われた時代を新石器時代と呼ぶ。 |
国家へ
- 貧富の差
狩猟時代には、人々は助け合って働き、獲物は分け合っていたが、農耕や牧畜が進み、食料の生産量が高まると、働き手の数や土地の善し悪しなどで、貧富の差が生まれた。
- 国家形成
人々より富が大きい人などで土地や財産をふやし、支配者となるものが現れた。やがて、支配する仕組みが整えられていき、国家が形成されていく。
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支配者
選ばれて共同の財産を管理したり、灌漑や治水を指図した人々の中には、自分の土地や財産をふやして、他の人々に物資や労役を要求する支配者となっていくものがいた。
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