アニマル・セラピーを利用時の注意点

  • 身体疾患を悪くする場合
    免疫機能が低下している患者に対しては、動物からの感染は防がなくてはならなく、特に無菌室の患者には難しい。動物たちの健康状態や雑菌検査を厳しく行い注意深いチェックをしていることで利用可能となる場合があるが、動物関連各種のアレルギーに対してはアレルギー反応検査を事前に行い、その結果に対応して行動することが重要だ。
  • 精神疾患を悪くする場合
    極めて精神疾患が悪化している最中(極期)の患者に対しては動物やボランティアなどと触れ合うことが重荷となり、触れ合うことができなければならないと思ったりして、新たなストレスが生まれることとなる場合があることを考慮に入れておくべきだ。
  • 動物が嫌いな人
    嫌いといっても嫌いである度数の高低は多様であるが、特に動物に小さい頃噛まれたなどのトラウマを持っている人に対してしつこく動物を触れ合わせるようにしては人間関係自体が悪くなる、もしくはそれ以外のものも悪くなる場合もある。動物恐怖症(強迫神経症)の患者は理性に反し動物を見るだけで汗が流れ出し、吐き気やふるえまで起こり、パニックに陥ってしまう場合もある。人に応じてそれぞれ反応が違ってくるので、その人に適応した対応を考えて行かなくてはならないし、AAAやAATを行う前にいくつかの調査をすることが必要がある。
  • 動物に妄想を抱く患者
    「動物が患者自身の悪口を言っている」「動物が患者の心を見透せる」「自分(患者自身)は動物の心を全て分かる」「動物が話している」などの多様な妄想を抱く患者にとっては相当動物が気持ち悪い存在となり、暴力行為や自殺、逸脱行動にまで発展する場合があるので、注意して活動を進める必要がある。
  • 動物に危害を加える患者
    アニマル・セラピーでは動物もストレスを感じ、精神疾患にかかる動物までいる。患者は動物の扱いが慣れていないがゆえに動物を傷つけてしまう場合もあるだろうが、動物に対しての暴力行為、人間に対してと同じような各種の精神的虐待を与える患者に対しては、アニマル・セラピーとして動物を近づけることは飼い主としても動物虐待をしていることと同じであるので、動物も生き物として活動を考える必要がある。
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