飼育で癒される子ども達(事例より)
ニューヨークのスラム街から、親の虐待や問題行動を行ったため施設入所した子ども達が、施設に併設されている牧場で飼育を行なっている事例
- 野生動物等と共に暮らす全寮制治療施設
6歳〜12歳ぐらいの児童達が、傷ついた動物の保護や家畜の世話を行なっていくことを通して、うつ状態や狂乱状態になる回数を減らしていき、社会への適応能力を見につけさせていこうという目的で施設が運営されている。「言葉を持たない動物とのコミュニケーション」を行なっていくことから「人とのコミュニケーション」へつなげることがねらいだ。ただし、動物との交流は総合的治療の一部である。- 「動物を愛する」から
動物を怖がっているのは、自分の内にある攻撃性を怖がっているのと同じである。動物を世話をして、コミュニケーションの取りづらさに困りながら、動物を愛することによって、初めて人のことを気にかけられるようになる。
- 社会適応へ
決まった時間に決まった仕事をすることで、責任感を持たせ、一般社会の常識を体感させる。この施設では、仕事をした時間分の給料を渡しており、仕事をすれば利益になることを教えていた。
- 狩りによる自信
自分が悪いからこんな境遇にあるのだという悲観的な児童に対し、職員が調教をしてきたハヤブサと児童とで狩りを行なわせることによって、動物と自分が成し遂げたということを体験することによって自信がついてくる。また、その成功事例を体験させることにより、「野生の鳥を飼うことは根気強くなくてはならないけれど、ガンバって育てる」という動機へもつながってくる。
- 牧場でのガイド
牧場での家畜等の世話をしている児童に、施設外からの観光客のガイドを行わせることが、好きなことを人にガイドするということから、他人とのコミュニケーションへとつながる。好きなことを話すことは意外と苦にならないため、他の話をさせるよりうまくいきやすい。 - 動物の生命力
傷ついた野生動物を保護し、それを飼育することによって、動物はどんな困難があっても乗り切り、生き抜こうとするため、それを子ども達にも感じ取ってくれるように信じている。
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