嘘つき「朝日」の大冒険−2

――― 人権派の人権派による人権派のための人権弾圧 ―――


                               中宮 崇


人権派、それは実は人権弾圧マフィア。そして朝日はマフィアの機関紙!


 朝日新聞、彼らはドラえもんの四次元ポケットを持っている。中から出てくるのは、朝日好みの「作られた被害者」である。

 朝日は社会問題をでっち上げる。そして、被害者を自分たちの都合の良いようにメークアップする。

 そのようなことは朝日のいつもの手である。そして最近、その「いつもの手」の中でも屈指の「被害者でっち上げ」が行われた。朝日に弄ばれた被害者の名、それは柳美里(ユウ・ミリ)。

 彼女は最近、小説「家族シネマ」によって芥川賞を受賞した小説家であり、在日韓国人でもあるうら若き美女である。普段市民に対してエラソーに「男女平等」などと説教を垂れている朝日新聞であるが、彼らは基本的に女性差別企業である。嘘だと思うのなら、朝日新聞にどれだけの女性記者がいるか考えて見るとよい。

 女性差別企業朝日新聞社は、若い女性だと思って柳美里をあなどったのだろう。自分たちの都合の良いように利用してやろうという彼らの野望は、柳美里の賢明さと胆力とによって無残にも馬脚をあらわした。


柳美里脅迫事件


 柳氏が首都圏の4個所で開催を予定していたサイン会が中止されたのは、2月20日と21日の両日であった。中止の理由は、「右翼を自称する者による脅迫電話」であった。

 本当に「右翼」による犯行なのかは、犯人が特定されていない以上確認できないが、本物の右翼なら、殺そうとする相手にわざわざ、それも「自分は右翼である」などと名乗って予告電話なんぞかけないと言う事は、これまでの右翼による襲撃事件を見れば明らかであろう。

 状況から判断するに、今はやりの「期末試験を中止しないと、自殺します」とか匿名で電話かけるガキンチョと同じで、ただの愉快犯であろう。

 この実に不愉快で悪質な犯罪に対しては、日本ペンクラブなどがあいついで「言論の自由を奪う行為を批難する」といった類の声明を発表した。当然の事である。

 ところがこの事件に飛びついたのが天下の「嘘つき朝日」である。


嘘つき朝日のでっち上げ


 この時期問題になっていた事件の一つに、「櫻井よしこ弾圧事件」がある。櫻井よしこ氏は、以前日本テレビのニュース番組でキャスターも勤めていたことのある有名ジャーナリストである。

 その櫻井よしこ氏の思想が気に入らないと言う事で、「神奈川人権センター」と「神奈川人権フォーラム」という二つの「人権」を騙るゴロツキ団体が、氏の講演会などの開催を中止させてしまった。

 「人権」を標榜している連中が、「言論の自由」という極めて基本的な人権をおおっぴらに弾圧したのである。これだけとっても、日本で「人権、人権」と声高に叫んでいるだけの連中の犯罪性が明らかになるであろう。

 ところがこの重大な事件を、朝日新聞はほとんど伝えなかった。他の新聞がそれなりに扱っていたにもかかわらずである。なぜか?答えは簡単である。朝日にとって、櫻井氏のような「良識的なジャーナリスト」は敵なのである。そりゃ、嘘つきにとっては、事実を解明しようという良心的な人間は好ましくないに違いないだろう。

 櫻井氏が受けた重大な人権弾圧をほとんど伝えなかった朝日新聞は、なぜか柳氏が脅迫された事件については、他の新聞をはるかにしのぐ大々的な扱いを行った。わざわざ社説にまで取り上げるとともに、いつものように投書欄を利用した情報操作作戦に出た。

 それらの一連の記事を見る限り、朝日新聞のでっち上げたストーリーは以下のようになる。


   「柳美里と言う在日朝鮮人の作家が、右翼(断定)により弾圧
    された。この右翼の人間は、朝日の従軍慰安婦キャンペー
    ンに反対する「自由主義史観」のような連中とつながってい
    る」


全くのでたらめで、どれ一つとっても証拠はない。それなのに、このようなストーリーをでっち上げるために朝日は全力を傾けたのだ。しかも、自分のような嘘つきにとっての敵である櫻井氏は無視しておいて。


朝日社説のご都合主義


 嘘つき朝日は2月22日の朝刊に早くも、「柳美里さんへの卑しい脅迫」と題する社説を載せた。

 その中で朝日は、柳氏の事件をだしにしてこんな事を言っている。


   「教科書の「従軍慰安婦」などの歴史記述をめぐる嫌がらせも目立つ」


 そのあと延々と、従軍慰安婦問題に関する脅迫について書き立てている。はて、柳氏の事件と従軍慰安婦問題と、どうつながるのであろう?

 朝日にとって、柳氏に対する脅迫なんて本当は、どうでもよかったのである。本当に言いたかったのは、従軍慰安婦についてなのだ。柳氏は朝日によって弄ばれたのだ。

 「言論弾圧」を問題にして社説を書きたかったとしたら、なぜ同時期の「櫻井よしこ弾圧事件」を扱わなかったのか?なぜ、「従軍慰安婦記述反対派」に対する左翼や市民運動による組織的な嫌がらせについては何も書かなかったのか?

 要するに、自分たちにだけ「言論の自由」が認められているのだと思い上がっているのだ。自分たちに反対する人間には「言論の自由」は認められないのだ。弾圧しても構わないというのだろう。


投書作戦発動


 朝日新聞の投書欄を見てわかるのは、朝日にとって都合の良い投書しか取り上げられないと言う事である。そしてそのような偏った投書ばかり載せて、「ほ〜ら、みんなこんな風に言っていますよ」と読者を騙そうとしているのである。

 今回の場合もいつものように、朝日は投書作戦を展開した。2月27日朝刊には、まるで朝日の記者が書いたかのような内容の投書が載せられている。その中でも今回の事件と何ら関係のない「右翼青年」による過去の事件が持ち出され、強引に結び付けられて、まるで今回の事件も右翼による犯行であるかのような情報操作を試みている。

 ところがここまで順調に来ていた、朝日によるでっち上げキャンペーンも、柳氏の良識と聡明さによってその卑しむべき野望は見事に打ち砕かれた。


柳美里は、朝日がお嫌い?


 柳氏は、小学館の雑誌『SAPIO』の4月23日号において、今回の事件を利用した朝日に対する憤りを表明した。その詳しい内容と経緯については別の記事で書くが、その中にこのような一節がある。


   「右翼の犯行だと思わせるような報道をしている各マスコミ
    に対して抗議している文章を読み、ほっとしていたところ
    です。」


 つまり、朝日のような嘘つきたちのでたらめ報道に、苛立たされていたということなのである。そして柳氏は、朝日が無視した「櫻井よしこ弾圧事件」に関して、朝日の仲間である「神奈川人権センター」や「神奈川人権フォーラム」のような連中こそ憎むべきであると言う事を明言している。柳氏の勇気ある行動によって、嘘つき朝日の犯罪は無残にも暴露された。


 朝日新聞、彼らはアメリカ大統領エイブラハム・リンカーンを大いに尊敬しているに違いない。しかし、リンカーンの高尚な思想を理解できるおつむは持ち合わせていないようである。朝日が真似したのはリンカーンの理想ではなく、「人民の人民による人民のための政府」というスローガンだけであった。そこに含まれる崇高な意味を理解できなかった朝日新聞は、リンカーンの「かっこいい」スローガンだけを真似することにした。つまり、「人権派の人権派による人権派のための人権弾圧」、これである。


                                 なかみや たかし・本誌編集委員


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