テロリスト天国日本
中宮 崇
「人権」や「正義」の名のもとに行われる人権弾圧!本物の「正義」はどこに行った?
日本は人権抑圧社会であり、他人の人権を弾圧する「言論テロリスト」どもの天国でもある。しかも、犯人のほとんどはいわゆる「人権団体」、「市民団体」である。そこに日本という社会の救いがたさがある。
「人権」を騙る市民団体によって、有名ジャーナリスト櫻井よしこ氏が言論を弾圧され、しかも「人権派」を騙る朝日新聞がそれをほとんど無視した事は記憶に新しい。
今、我々にみえない隠れたところで、人権派による人権弾圧と言う、滑稽だが極めて深刻な事態が着々と進行している。
作戦目標:小林よしのり
このような愁うべき実態を明らかにしたのが、雑誌『SAPIO』連載のマンガ「新ゴーマニズム宣言」で知られる小林よしのり氏である。
彼はオウム事件では暗殺されかけ、薬害エイズ問題では運動を成功に導きながら、それを妬む運動家どもに疎まれ追い出されという、「戦う漫画家」である。
その彼が新たなるテーマ、「従軍慰安婦問題」について発言したとき、人権派による言論テロが始まった。
小林は従軍慰安婦問題については「軍による強制連行はなかった」との立場をとっている。また、「強制連行あった派」のテレビ番組や運動団体、書籍の嘘を何度も暴いている。それに対して「強制あった派」の「人権派」や「市民団体」は、議論による真実の究明と言う手段をとる事はせず、いきなり小林に、「もうマンガを書くな!」と圧力を加えてきたのである。
小林は、「新ゴーマニズム宣言第32章 43団体の言論弾圧にわしは屈せぬ」の中で、その驚くべき実態を赤裸々に描いている。
小林に弾圧を直接加えてきたのは、福岡市内の43団体プラス52人の個人である。一地方都市にそれだけの反小林団体が存在していたとはそれだけで驚きである。常識から考えれば、そのほとんどが「会員一人」とかいうでっち上げ団体であろう。その証拠に、これらの団体は会員名簿を公開していない。とんでもない「水増し」抗議と言うべきであろう。
ところがこの、一地方都市発のでっち上げ水増し弾圧行為を、櫻井よしこ弾圧事件をを無視した朝日新聞はわざわざ記事に取り上げた。
昨年11月20日朝刊では、小林のコメントをとること無く弾圧団体側の主張だけを一方的に載せる事によって、さも小林がとんでもない差別者であるかのような情報操作を試みている。その結果小林の両親は地元の福岡で、朝日のデマに惑わされた近所の人々の陰湿ないじめを受けているそうである。
小林の従軍慰安婦問題に関する見解については、私も全面的には肯定できないしそれについてはまた別の機会に書くが、だからといって議論による相互理解を拒否して弾圧を加えてよいと言う事にはならない。そんな基本的なこともわきまえていない「人権団体」「市民団体」そして朝日新聞は、民主主義の理念さえわきまえていないただのテロリストである。
「人権派」による焚書
ここでは「従軍慰安婦問題」について議論するのが本題ではないので、それについてはまた別の機会に譲る。
さて、議論から逃げて言いたい事だけ言いまくった弾圧団体は、小林にいくつかの要求を突き付けたが、そのほとんどは取るに足らない戯言である。その戯言の中でも最たるものが、以下である。
「新ゴーマニズム宣言」のうち、元「従軍慰安婦」に関する章
を単行本化しない事
あきれてものも言えない。要するに、自分たちの気に入らないものは、人の目に触れないようにしてしまおうというのだ。小林の出版物が気に入らないのならば、それに反論するための本でも出せばよい。それが言論の自由と言うものである。
ところが弾圧団体は、そんなことはできるはずがないのだ。そもそもせいぜい数十人の人間で43団体もでっち上げた水増し団体であるし、まともに反論するだけの知性も有していないのであるから。議論すれば負けるのが目にみえているからこそ、朝日新聞と言うゴロツキと手を組んで言論を弾圧しようとしたのである。
だいたい、単行本化を阻止しようとしたと言う事は、そんな作品は最初から存在しなかった事にしてしまえと言う事である。ナチスドイツが行った焚書よりもさらに悪質であろう。
言論弾圧に荷担したテレビ朝日
テレビ朝日は月に一回深夜に、「田原総一郎の異議あり」という討論番組を放送している。毎回テーマを決め、小林を含むレギュラー数人とゲスト一人とで互いに討論しあうというものである。
ところが1月10日放送分に限っては、そのような通常の形式が取られなかった。レギュラーは小林のほかは司会の田原総一郎しかおらず、それ以外は例の43団体代表の4人と評論家の佐高信を登場させてよってたかって小林を言論リンチにかけると言うアンフェアなものであった。
そもそもろくに意見も持たずにやみくもに他人を弾圧するような一市民を、わざわざレギュラー陣をはずしてまで4人も番組に登場させると言うこと自体が異常であろう。
小林は元々、しゃべりはあまり得意な方ではない。そのため、テレビに登場したときには言いたい事が十分に伝わらないと言う事が多い。その時もそうであった。しかし、登場した弾圧団体代表自体のレベルがあまりにも低すぎたため、小林にあっさり論破されてしまう場面が少なくなかった。
従軍慰安婦問題について小林と意見が対立している朝日は、これを機会に小林を潰したかったのであろう。しかし、弾圧団体自身の愚かさゆえ、彼らのたくらみは自壊した。
今回のペルー人質事件の際もそうであるが、「人権」だの「正義」だのと声高に主張する連中に限って、人権や正義からは程遠いゴロツキである場合がほとんどである。特に日本においてはその傾向が強い。正義と人権の名のもと他人を弾圧して平気な顔をしている。それが当然の事であると思い込んでいる。
弾圧、それは民主主義においては許されざるべき行為である。しかし、もし弾圧されてしかるべき者達がいるとすれば、それは「人権団体」や「市民団体」を騙るテロリストどもであろう。
なかみや たかし・本誌編集委員