『週金』を撃つ!―4
テロリストに乗っ取られたNEWS23
中宮 崇
オウム事件で坂本弁護士一家殺害のきっかけを作ったTBSは、今度は嘘つきのテロリストどもを支援している!
『週刊金曜日』なる雑誌に、TBS「NEWS23」の有名キャスター筑紫哲也が関与している事は、本誌でも何度か扱ってきた通りである。このようなトンデモ雑誌に有名番組の人間が関わっているという事だけでも寒気を感じるが、エラソーに毎日視聴者に説教を垂れているその筑紫哲也が、実はただの馬鹿あるいは理知的なテロリストのどちらかだという事は案外知られていない。
先日もペルー事件に関連して、「日本の大使公邸は、治外法権下にある」などというとんでもないデマを流していた。確かに在外公館の敷地内には現地の法律のほとんどが適用されないという事はウィーン条約で定められているとおりなのであるが、これはいわゆる「治外法権」とは全く異なる。筑紫哲也は、夜の11時から毎日、日本人に嘘の情報を垂れ流しているのだ。
まあ、これだけなら「勉強不足による、ただの勘違い」の可能性もあるのだが、その彼が『週刊金曜日』5/9号の「自我作古」なるコラムで、また同様の嘘を書いていた。しかも今回は、NEWS23のときよりも「エラソーな嘘」をついている。
そのコラムは
「大統領の戦争」についてのものの言い方
なるテーマで、今回のペルー人質事件を扱っているのであるが、よくもまあ、ここまで大嘘をつけると感心できるぐらい、ろくでもない事ばかり書いている。
筑紫のデマ作戦
前半の方では、「ゲリラは実は、良い奴等だったのだ」ということを読者に印象づけるための情報操作を行っている。これだけでも十分犯罪的なのであるが、さらに問題なのは後半。筑紫はろくに国際法について知識がないのか、それとも知ってて嘘をついているのか、どちらにせよニュースキャスターとして許されざるべき行為なのであるが、わざわざ国際条約名まであげて、大嘘のつき放題。
まず、以前NEWS23でもついていた大嘘であるが、
「日本側への事前通告無しの突入が、在外公館の治外法権
を定めたウィーン条約に違反している事は明らかだが、事
件の「平和的解決」で合意した日本・ペルー首脳間の「トロ
ント声明」を反故にしたことも明白である」
ここまで来ると、ただの馬鹿オヤジだ。この短い文の中で、いったいいくつ嘘をつけば気が済むのだろう。
前述の通り、「ウィーン条約」は「治外法権」なんぞ認めてはいない。次に、「日本側への事前通告」はあった。きちんとトロントで、「人質の生命・健康に危険があると判断した場合は武力を使う」と言っていたはずだ。無かったのは「直前の通告」であって、「事前の通告」ではない。
最後に「平和的解決」の嘘。後で述べるように、筑紫は「平和的解決」の意味についてとんでもない犯罪的解釈を行っている。そのような筑紫の「テロリスト的」解釈に従えば、確かに「「トロント合意」を反故にした」という事もできる。が、フツーの頭を持った人間なら、「平和的解決」の意味を筑紫のようには解釈しない。
テロリストべったりの「平和的解決」
筑紫はこのコラムで、つい、自らテロリストのシンパである事をうっかりもらしてしまっている。それが以下の部分。
「この種の事件の「平和的解決」は、ダッカ事件の処理を見
るまでもなく、この国のいわば「国是」だったはずなのに」
いつからそんな馬鹿な事が「国是」になったのか教えて欲しいものだ。ダッカ事件というのは、日本赤軍による日航機ハイジャック事件のことで、その際日本政府は、犯人たちに多額の身の代金を払った上、獄中の仲間を「超法規的措置」で釈放してしまっている。
当然の事ながら諸外国からは批難轟々であったし、実際その時に得た資金と仲間とで、連合赤軍は様々なテロを行って多くの人間を殺している。
筑紫は、今回もそのような解決をせよというのだ。つまり、「犯人に金を渡し、仲間も釈放し、何でも要求をそのまま聞いてやる」のが「平和的解決である」と。全くとんでもないオヤジだ。
だいたい、「仲間を釈放してやる」といっても、MRTAの仲間たちが囚われているのは「ペルーの」刑務所だ。日本側が「釈放してやれ」などと言える筋合いのものではない。筑紫は、日本のためならペルーのことなんか構わない、日本の好きにしてよいとでも思っているのか。実は筑紫は、帝国主義者だったのかもしれない。
そうして「平和的」に金をもらって仲間も奪還した犯人たちが、ペルー人を始めとする諸外国の人間を、ダッカ事件の後のように次々と狙っても、日本のことしか考えていないテロオヤジにとっては、「平和的解決」なのだろう。事件に味をしめた他のテロリストがまた日本人を狙うだろうということさえも考え付かないようなこのような低能児が、月曜から金曜まで毎日テレビで好き放題言っているのだ。
ジュネーブ条約も知らないテロオヤジ
ウィーン条約も知らずに(あるいは知っていてわざと)偉そうに嘘をついていた筑紫はまた、ジュネーブ条約を知らないくせに(あるいは知っていてわざと)当条約についてエラソーな事を言っている。
「ちなみにこれ(筆者注:ペルー事件)が戦争(内戦)だとし
たら突入作戦はジュネーブ条約違反でもある。少なくと
も三人の“敵兵”が投降後、射殺されているが、条約は捕
虜に対してそのような扱いを禁じているのだから」
筑紫はどうやら、短い文の中に多数の嘘を紛れ込ませる名人のようだ。今週号記事でも指摘したが、「投降した犯人が射殺された」という情報は、朝日新聞によって意図的に流された未確認の「怪情報」に過ぎない。筑紫はなぜ、「少なくとも三人が射殺された」などと確信を持って言えるのか?TBSの有名キャスターが朝日新聞、ひいてはテロリストの一味であるという証拠であろう。
また、彼の「ジュネーブ条約違反」なる主張の根拠は何だろうか。本誌創刊号でも触れたように、犯人たちはジュネーブ条約を始めとした様々な条約をことごとく破っている「戦犯」である。そのような「無法者」が、降伏のときだけジュネーブ条約を守るとでも言うのか?手を挙げたふりをして爆弾でも爆発させたら、筑紫はどうするつもりなのであろう。
ジュネーブ条約で保護を認められるためには、犯人たち自身も条約を守っている必要がある。ところが犯人たちは、ただの一つの条約さえ守ろうとはしなかった。それでも筑紫は、「突入隊員は、自らの命や人質の事を考える前に、犯人たちの命を守れ」とでも言いたいのであろうか?言いたいのであろう。
創刊号記事でも書いたように、そもそも犯人たちには、「捕虜」の資格などないのだ。条約集を読めばだれでもわかる事である。いくらテロオヤジとはいっても、天下の筑紫の事、それぐらいの脳みそを持っていないはずがない。意図的に嘘をついて我々市民を騙そうとしているとしか思えない。
筑紫にとっての「平和的解決」は、犯人たちの要求をすべて受け入れて今後のテロ活動の手助けをしてやるという事であった。これは明らかに、我々市民にとっての「平和的解決」ではない。つまり筑紫はテロリストの事は十分以上に考えても、我々市民のことなどは少しも考えてはいないのだ。実際筑紫は、本誌でも批判したテロリスト・シンパ、太田昌国を自分の番組に登場させて言いたい事言わせている。
では、我々市民にとっての「平和的解決」とはどのようなものになるだろうか。とりあえず、筑紫のようなメディア・テロリストを番組から降ろすことこそ、「平和的解決」の第一歩であるように思う。
なかみや たかし・本誌編集委員