先生、先生、北のせん〜せい〜
中宮 崇
日本の最高学府にはマスコミから、嘘つきと馬鹿と北朝鮮シンパが流れ込んでいる!
さて、先月の「朝まで生テレビ」は北朝鮮への食糧援助問題が議論されていたのであるが、その中で、日本人の人権を無視してまで北朝鮮に食料を援助せよと主張していた連中が多数いたという事は、別の記事でも書いた通りである。
その中の一人、埼玉大学教授の吉田泰彦氏の馬鹿さ加減を今回は見て行こう。
吉田氏は元々NHKの人間で、その後国連職員を勤めた後、現在にいたっている。そう言えば、NHK、朝日新聞、毎日新聞の三社は、やたらと「横滑り教授」(ろくな論文や研究成果も無しに、その経歴だけを買われて大学に入り込んだ人間)が多いのは、どういうことであろうか?教授の地位も、ずいぶんと安く見られたものである。最低限、朝日や毎日といった嘘つきメディアの人間を高等教育機関に送り込むという愚行だけは、即刻止めるべきであろう。
さて、その吉田氏、北朝鮮大好き人間に共通の病理ではあるが、とても知識人とは思えない、少なくとも元国連職員であったとは思えないほどのいい加減な「国際感覚」しか持っていない、まことに御粗末な人間なのである。
例えば以前、北朝鮮の核開発が問題となった折、国際機関による核査察を拒否した北朝鮮に対して制裁措置を行うかどうかが話題になった事がある。その際に吉田は、共産党の機関紙『赤旗』において、
いずれの場合にせよ制裁には賛成できません
と、まるで北朝鮮の核開発を容認するような発言を行っている。これが例えば、制裁によって苦しめられるであろう北朝鮮人民の事を思っての発言ならば、まだわからないでもない。しかし彼は、そんなうわべだけの人道主義者でさえなく、明確に北朝鮮信者であったのだ。その証拠に、既に廃刊となってしまった『サンサーラ』という雑誌の1994年6月号においては、以下のようにうそぶいている。
北朝鮮の核開発は人畜無害である。
まったくもって、驚くべき認識である。他国の元首や政治家を暗殺しようとするような国が、工作員を忍び込ませて銃撃戦までする国が、核を開発しても全然恐くはないというのだ。吉田の目には北朝鮮の金親子は、「平和の天使」とでも映っているのであろう。彼のような重症の難病患者の幸福のためにも、日本の眼科(脳外科?)医療の急速な発展を切に望む。
そんなにテロ国家北朝鮮の核開発が人畜無害だなどとまで思っているのなら、なぜ吉田は一方でアメリカの核を危険視するのであろうか?この北朝鮮の回し者としか思えない教授様は、嘘をついてまでアメリカの核の脅威を声高に宣伝しているのである。
彼は『新潮45』の5月号において、
韓国には在韓米軍が核武装し
などととんでもないデタラメを書いてる。元国連職員であったくせに、1991年に在韓米軍の核兵器が完全に撤去されているという事実さえも知らないのである。
吉田はこう言うかもしれない。「それはアメリカと韓国が言っているだけで、事実かどうかは確認出来ない」と。なるほど、それも一理ある。確かに、「完全に撤去した」と発表しながら、核を隠し持っているという可能性もある。しかし。そんな事をしてアメリカと韓国にいったいどのような利益があるというのか?北朝鮮の戦車部隊に蹂躪されてしまうかもしれない最前線に核をわざわざ貯蔵しておかなくても、いざとなればアメリカ本国から輸送機ですぐに運び込めるではないか?
第一、それほどアメリカや韓国の発表を疑うというならば、なぜ北朝鮮の大本営発表だけは何の疑いも無しに鵜呑みにするのか?吉田はよっぽど北朝鮮が好きなのであろう。
また彼は、『サンサーラ』において、『新潮45』の嘘など霞んでしまうほどの大法螺をふいている。
『北の核』ばかりを問題にして『南の核』、つまり在韓米軍の
戦略核の存在を軽視するのは間違っている。
間違っているのは吉田の方なのであるが、前述の件を考慮すれば、これは間違いというよりも意図的な嘘を流していると考えた方がより真相に近いかもしれない。
何度も言うが、『南の核』とは何か?そんなものは1991年以降存在しない。少なくとも、韓国とアメリカはそう言っている。
しかも、「戦略核」とは何か?国連機関にいたくせに、吉田は「戦術核」と「戦略核」の違いさえも理解できていないのである。日本も、もっとましな人間を国連に派遣するのでないと、各国のいい笑い者になってしまうであろう。
「戦略核」とは、都市や戦略的軍事拠点などを破壊するために使われる、比較的射程の長くて破壊力の大きい核兵器の事であって、アメリカの場合はソ連国内の目標を主に狙っている。つまりこれは、全面核戦争、言い換えれば世界最終戦争のために使用される「最終兵器」であって、そんなものを、いつ北朝鮮の軍隊が攻めてくるかわからないような危ないところに貯蔵しておくはずがないのだ。それとも吉田は、北朝鮮のお偉いさんから「韓国には戦略核兵器があるんだよ」という耳寄り情報でも耳打ちされて、得意のあまり思わず口にしてしまったのであろうか?前回の小田実の件などから考えると、有りそうな話ではある。
さて、朝鮮好きの吉田教授、北朝鮮に対して制裁というものがいかに効果的なものであるかという事を、実に良く理解していらっしゃる。理解した上で彼は、愛する北朝鮮を護るためにその貧弱な知力を総動員して、制裁を回避する事に努めている。
吉田は『新潮45』1994年9月号において、櫻井よしこの批判に対する反論記事を載せている(櫻井よしこの批判文を、どなたか御持ちではありませんか?手元に無い物で。)が、その中で、
経済制裁、武力行使に耐えてまで北朝鮮が核兵器を開発
する事はあり得ない
と言っている。つまりこれは、「経済制裁をすれば、北朝鮮は核開発をあきらめる」と言っているのと同じではないか?その上で彼は、始めに挙げた『赤旗』の記事でも見たように、北朝鮮への制裁をするなと言っているのだ。「制裁は有効である、しかし(だからこそ?)制裁をするな」と言っているのだ。それほど北朝鮮が好きなのか?
前回は小田実、今回は吉田泰彦と二人の北朝鮮シンパを見てきた。二人とも、馬鹿、嘘つきであるということは十分わかったであろう。しかし、なぜ彼らがそこまで馬鹿なのか、そうまでして嘘をつくのか、その理由がいっこうに分からない。
そもそも、彼らのような人間を理論を持って理解しようとする姿勢自体が間違っているのかもしれない。むしろ、精神病理学のツールを用いるべきなのかもしれない。しかし、いかにゆがんだ看板とはいえ「進歩的文化人」なる大看板が実は「精神病患者」とイコールであったなどというのは、いくら我々は当事者ではないといえ、あまりにも悲しく、かつ恥ずかしいことではないか…。
なかみや たかし・本誌編集委員