浅野健一こそテロリストではないのか(その1)


                            中宮 崇


「ペルー政府こそテロリストではないのか」などと題して嘘つき放題のテロリスト教授の妄言!


 「人権派学者」としてマスコミによる報道被害によく口を出す同志社大学教授の浅野健一。彼は、被害者の生命や尊厳を無視して犯人の人権を最大限擁護する、典型的なゴロツキ「人権派」であるが、本誌でも以前扱ったように、ペルー人質事件においてもいいかげんな事を言い続けている。

 まったく、日本の大学というのはこの手の嘘つきをいつまでのさばらせておくつもりなのであろうか?事実に基づいた批判ならともかく、根拠のないデマを流し続けて市民をたぶらかすような、このような、人間としても失格の詐欺師を放置しておくのなら、大学当局も同罪である。


犠牲となった人質を冒涜するデマ


 その浅野教授は、雑誌『創』の7月号の


   「ペルー政権こそテロリストではないのか」


という記事において、悪意に満ちたデマを流布させようと試みている。テロリストは、ペルー政府ではなく、浅野の方だ。

 年を越してやっと一応の解決を見たペルー人質事件においては、突入隊員2名以外にも人質の中から1名の犠牲者を出した。ペルー最高裁のジュスティ判事である。判事は、テロリストと突入部隊との銃撃戦の流れ弾を受け、失血に伴う心不全によって亡くなった。

 一部のエセ人権派や市民運動のような悪質な連中は、「判事に当たったのはペルー特殊部隊の銃弾である」などという根拠のないデマを流しているが、浅野はさらに犯罪的である。彼は判事が死亡した件について、何と以下のようなとんでもないデマを書いている。


   死亡した人物は、フジモリ大統領が嫌っていた人物だとい
   う。軍は人質とゲリラの居場所をすべて確認していたのだか
   ら、判事がサッカーをしていたのを知っていながら爆破した
   と考えられる。判事も殺されたのだろう。


 近年、恥知らずな思い切った嘘を堂々とつける人間が増加しつつあるという、極めて憂慮すべき状況が現出している。判事がテロリストと仲良くサッカーをしていたということ自体初耳であるし、ましてやペルー政府が判事をテロリストもろとも爆殺したなどという情報を、浅野はいったいどこから仕入れたのであろうか?この一件を取っても、浅野を大学から放り出す理由としては十分すぎる。未確認情報を都合よくつまみ食いして捻じ曲げた「事実」像を作り上げるだけでも十分犯罪的なのに、このような「未確認情報」でさえないデタラメを撒き散らす理由は何か?


国際法への無知とペルー人蔑視


 本誌は5月21日に、ニュースキャスターの筑紫哲也に対して、その悪質な嘘を指摘する公開質問状を送付した。普段から「市民の声は良く聞きましょう」などと偉そうに説教をたれている彼は、見事に市民の声を無視し、同様のデマを依然として流している。これはもう、単なる無知ゆえの行為ではなく、市民を騙そうとする意図的な詐欺行為と見る方が自然であろう。

 さて、浅野も筑紫と同様の大嘘を書いている。それは、大使館などの在外公館の国際法上の地位についてのデマである。彼はこのように書いている。


   大使公邸は日本の主権が及ぶ治外法権の土地と建物であ
   る。


 賢明なる読者の皆さんは、「治外法権」という言葉について、歴史の時間に耳にした事があろう。そう、明治維新直前の幕末期に、徳川幕府が諸外国に脅迫されて結ばされた屈辱的な条約の中で取り決められた、極めて不平等な条項である。つまり、外国人が日本人に犯罪行為を働いても日本人がそれを裁く事が出来ないという、なんとも馬鹿にした仕組、それが「治外法権」なのである。

 そのような、相手国の人間を馬鹿にするような仕組である「治外法権」は、ウィーン条約によって完全に否定されたというのが国際法上の通説である。ところがデマゴーグ浅野は、日本はペルーに対して治外法権を持っていると主張するのだ。実は浅野は、幕末のころの野蛮な国際情勢に憧れを抱く帝国主義者であるのかもしれない。いずれにしても、ペルー人の事など少しも考えてはいない事は確かである。

 そのことは、以下の部分からも明らかである。


   フジモリ大統領が4月22日午後3時23分、公邸に140人
   の特殊部隊を突入させ、MRTAのメンバー14人全員を射
   殺、人質を解放して「解決」した。


 テロリスト14人の死亡についてはわざわざ触れているくせに、人質と突入隊員の犠牲については全く触れていないのだ。彼のような人間にとっては、テロの犠牲となった人質や、救出作戦に命を懸けた隊員よりも、テロリストの命の方が大切なのである。いや、テロリストの命でさえ、実は単にプロパガンダの材料として利用しているだけなのかもしれない。

 その浅野教授、職権を乱用して自分の子分の学生を好きなようにこき使っているようなのであるが、それについてはまた次回。


                                  続く…


                              なかみや たかし・本誌編集委員


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