奴隷にいたる病


                         中宮 崇


「市民運動」、「人権派」、「進歩的文化人」…、彼らの呆れた奴隷根性と、市民を馬鹿にする嘘つき体質!


 従軍慰安婦特集でも扱った、「自虐史観派」としてくくられる「市民運動」、「人権派」、「進歩的文化人」と言った連中、彼らの、「人道」という仮面に隠された凶悪なファシスト的性質については、以前にも批判を加えた。また、彼らの貧弱な知性のレベルについても明らかにしてきた。

 ところで彼らのような連中は、実に都合の良い脳みそを持っている。例えば、ペルーのフジモリ政権を「独裁者」として批判し援助の見直しを声高に叫ぶくせに、北朝鮮のようなテロリスト国家に対しては無条件の援助を主張する。

 従軍慰安婦問題で「自虐史観派」が奴隷根性丸出しで有り難がっている物に、国連人権委員会に96年に報告された「クマラスワミ報告」なるものがある。嘘つき集団である「自虐史観派」はよく、


   国連人権委員会で全会一致で採択されたクマラスワミ報告
   は、日本軍慰安婦は「性奴隷」としている


などという。これは全くのデタラメである。

 クマラスワミ報告は従軍慰安婦問題以外にも様々な人権問題について扱った総合的な報告であり、人権委員会はその全体的な出来については相当の評価を与えそれを「採択」した。ところが、従軍慰安婦問題についての部分だけはわざわざ切り離して、「採択」より下の評価である「留意」、つまり、「ああ、そういう報告をしてくれた事は感謝しますよ。内容はともかくとしてね」という極めて低い評価にとどまっているのである。

 これは人権委員会が、従軍慰安婦問題の部分だけは「特別出来が悪くて信頼に値しない」と考えたという事を意味する。実際、報告書で採用されていた証言の中には、現在明らかに「デマ」とされているいい加減な物が含まれていたり、証言者の抗議にもかかわらず曲解した書き方をしたりという悪質な例が指摘されている。

 「自虐史観派」は、そう言ういい加減な報告を、しかも人権委員会が実際には「採択」などしていないものを「採択されている」と大嘘をついて、我々市民を騙しているのである。

 まあ、彼ら「自虐史観派」の嘘つき体質については、何も今に始まった事ではないので、わざわざここで蒸し返すほどのことではない。

 問題は、彼らの、「国連様がおっしゃった、ありがた〜いお告げを、日本は聞きましょう!」と言う、新興宗教顔負けの奴隷根性にある。論でも勝てず、陰謀を仕掛けても無残に暴露されと、自分たちの力では勝つ見込みがないものだから、「国連様のおっしゃることは絶対!」と、多々の嘘をついてまで市民を騙して「自虐史観教」に誘い込もうとしているのだ。

 最近では「アメリカ様のおっしゃる御告げをありがたく聞きましょう!」とまで言っている。「731部隊や慰安所設置に関わった旧日本軍軍人の入国を拒否する」というアメリカの、全く恣意的な措置(何しろ、入国を拒否する基準も発表されず、実際に拒否された者の名前も全く秘密にされている)を、奴隷根性丸出しにして有り難がっている。

 安保反対闘争等で反アメリカを掲げ、PKO派遣反対等で国連の秩序を否定しと、普段はそういうアンポンタレなことを言っているくせに、都合の良いときだけは「国連様、アメリカ様、あ〜!」と、実際に自分たちが信じているのかどうかは知らないが、少なくとも市民の前では信じているふりをして、悪逆非道な宗教への勧誘を図っているのだ。彼らの卑劣さと知的レベルの低さを知るには、以上で十分であろう。

 ところで、彼らが愛してやまないそのアメリカ様は、今回のペルー人質事件の解決を手放しで歓迎し、「全ての責任は犯人であるMRTAにある」と言っている。ところが「市民運動」や「人権派」の連中は、なぜか彼らの神様のこのお言葉を聞こうとしないのだ。それどころか明らかに神様のご意思を無視して、「フジモリ政権や日本に責任がある」という、デマを多分に入り混ぜた悪質なマインド・コントロール作戦を展開中である。

 また、あれほど称賛した、「クマラスワミ報告」を「採択した」などとまで従軍慰安婦問題に関して大嘘を垂れ流してまで崇め奉っていた国連人権委員会は4月11日に、ペルー人質事件に関連して、「テロリスト」による人質事件を批難し「人質の即事無条件解放」を求める決議を「全会一致」で「採択」した。

 奇妙な事に、朝日新聞や毎日新聞、『週金』や『世界』といった、クマラスワミ報告を金科玉条のごとく信奉するデマゴーグたちは、このことを全く伝えなかった。同じ国連人権委員会が言う事でも、自分たちにとって都合の悪い物は市民に対して隠すという、悪質な情報操作を行っているのである。

 彼らのような連中は一貫して、「ペルー政府は情報操作をしている」などと戯言を言っていたが、人質事件解決のために情報を制限したペルー政府と、自分たちの都合の良いように市民を騙すために情報を操作する連中と、どちらがより悪質であるか、幼児でも分かるであろう。


 「嘘にまみれたいい加減な、国連人権委員会にまで見放された」報告書を、「国連人権委員会推薦!」と大嘘をついてまで市民を騙そうとする「自虐史観派」、「人権派」、「進歩的文化人」、「朝日的メディア」の嘘つき連合。彼らの背後に北朝鮮の黒い影がうごめいているいるという事は、先週号でも指摘した通りである。

 彼らが奴隷である事は分かる。しかし、なぜ彼らが奴隷になりたがるのか、それについてはこれから大いに研究の余地があろう。日本の精神治療の分野の発展を願う事にしよう。


                              なかみや たかし・本誌編集委員


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