『週金』を撃つ!−7


                            中宮 崇


偏見と無知にまみれた『週金』の実態!


 筑紫哲也、本多勝一などが「資本家」として出資している雑誌『週刊金曜日』のコーナーに、「ゲダンクラブ」というのがある。「ゲダン」というのは多分「下段」の事なのであろう、ページの下4分の1を4ページ分与えられて、週金信者の言うところの「痛快」な切り口の文章を毎回載せている。

 そのコーナーの執筆を担当しているのが中山千夏、矢崎泰久の二人なのであるが、毎回、その週金信者向けの狂いようには「痛*怪*」にさせられる。

 そもそも週金編集部は、よほど執筆者を大事にしてくれるらしく、例えば2/21号の読者投書欄に寄せられた矢崎泰久に対する批判投書の隣には、矢崎礼さんだけしか内容の無い老人の投書をわざわざ載せるなど、ライターにとって実にありがたい小粋な(笑)手を用いてくれる。


週金信者向けの布教パンフレット


 さて、両人とも、本誌でも以前扱った櫻井よしこ弾圧事件に肩入れしたり、パチンコ業界の人間に偏見を持たせるような文章を書いたりといういい加減な連中なのであるが、御多聞に漏れず、ペルー人質事件についても、偏見丸出しのろくでもない事を書いてくれている。

 例えば矢崎は、1/24号で「チョベリバ国」と題して、根拠のないデマをふりまいている。チョベリバ男矢崎の、週金信者へのマインド・コントロール強化の実態を見てみよう。

 この手の連中の共通したいつもの戯言なのではあるが、彼もペルーに対する援助の批判を行っている。まあ批判というより、ただのインネンだ。そうでないと言うのなら、根拠となるデータの一つも示してみたまえ。

 彼のチョベリバ発言を一つ一つ斬ってみよう。


   強権的なフジモリ政権を支えているのは、日本政府である
   事は間違いない。


 間違いないとまでおっしゃるのなら、根拠を示してもらいたいものなのであるが、この手の連中が根拠の一つも示したところなど見たことはない。そもそも彼のような言い草は、選挙によって選出し、現在も半数近くの国民がフジモリを支持しているペルーに対して失礼であろう。


   (日本は)莫大な援助金を出しているが、これには日本の大
   企業が蟻のようにたかり、その大半を収奪している。


 またもや根拠無しの妄言。日本は欧米に比べて、援助のどのあたりに手落ちがあるというのか、せめてそれくらいは指摘しておいてから言って欲しいものである。もっとも、指摘できればの話であるが。

 また、たとえ日本の企業が援助に蟻のようにたかったからといって、その何がいけないのか?現地の足腰の弱い、もしかしたらテロリストや汚職政治家のダミーかもしれない得体の知れない企業に仕事を任せてしまえとでも言うのであろうか。

 だいたい矢崎は、全く何も援助しないのと、日本の企業が蟻のようにたかりながら援助を行うのと、どちらがよいと思っているのであろうか。多分、全く援助しない方が良いと思っているのであろう。「ペルー国民は飢えて死ね」という事であろうか。どうせこの手の連中は、ペルーなど比べ物にならないトンデモ国家北朝鮮に対しては、「何がなんでも援助を!」と言うに決まっているのだ。


北朝鮮に対しては口をぬぐい…


 また、こんなことも言っている。同じ事を彼は、北朝鮮に対して言うつもりがあるのかどうか、是非とも教えて欲しいものだ。


   体制側に問題がある場合は、テロ呼ばわりそのものがおか
   しい。ペルー政府が秘密主義的に解決を図ろうとしている
   のだから、報道関係者が大使公邸を直接取材するのも当然
   だし、言論の自由は保証されるべきだろう。


おかしいのは、北朝鮮には口をつぐむ矢崎の方である。

 ついでにこんなことも言っている。


   (この事件は)営利誘拐などとは本質的に違う。


 犯人のMRTAが、営利と奥さんの釈放とを目的として事件を起こしたという事は何度も報道されている事であるし、本誌でも指摘した事なのであるが、矢崎は新聞も読んではいないらしい。それとも彼は、何か独自の情報源でも持っているのであろうか?

 その後はもう、ただのイチャモンのオンパレードである(あ、それは最初からか(笑))。例えば、


   正月にテレビを見た人なら、大抵は唖然呆然としただろう
   が、御笑いタレントと低能文化人のオンパレード。


 確かに正月番組にはひどいものが多いが、彼らは所詮、ただ下らないだけである。矢崎のように、下らない上に根拠のない妄言を繰り返すような連中よりは、遥かに無害であろう。矢崎のような人間の文章を読んだものは、週金信者以外は大抵、唖然呆然とするであろう。


中山千夏の人種偏見


 「ゲダンクラブ」のもう一人の執筆者である中山千夏も、相当なトンデモ人間である。彼女は5/23号で「人質作戦について」と題して、露骨な人種偏見を披露している。

 彼女は、ペルーにおいて、少数派である日系人の大統領が誕生した事を異常と考えているようである。

 彼女の偏見は、


   どうせ大統領になるような人はエグイに違いない


などと書いている点からも明らかなのであるが、以下のような、偏見と無知とに基づいたとんでもない事を平然と書いている。


   多数決を旨とする政治システムが健全に機能しているなら
   ば、少数派、それも少数民族が政権を握る事は有得ない。


 馬鹿を言ってはいけない。少数派がキャスティングボードを握って政権を掌握するという事もあるという事は、政治学の初歩的な教科書にさえ載っている。もっとも、彼らのような連中は、初歩レベルの論理さえ理解する気はないのであろうが。勉強もせずに、自身の勝手な妄想にいつまでも浸っているとよい。

 また、「政治システムが健全に機能して」いれば、その主張や政策に共感して少数民族から大統領が出る事だってあるであろう。中山はどうやら、ペルー人は日系人に対して人種偏見を持っているとでも言いたいらしい。それこそとんでもない人種偏見だ。


勝手に「一般国民」の代弁をする愚


 この手の下らん連中が勝手に「市民」や「国民」の代表を気取る傾向にあるという事は、以前本誌でも指摘した。中山も御多分に漏れず、同様の傲慢かついい加減な発言を行っている。


   一般国民はあまりにも野蛮な「解決」に唖然とし


 中山のような週金教司祭の周囲に群れる週金信者なら確かに、唖然としたであろう。ところが、街頭インタビューやアンケートなどによると、とても一般国民が「唖然と」しているようには思えない。少なくとも私は「唖然と」などしなかった。

 中山にとっては、私のような人間は「一般国民」ではないのかもしれない。いや、週金信者以外は「一般国民」ではないのであろう。そうでないと言うのなら、アンケートデータの一つも示してみなさい。

 中山の偏見と狂いぶりは、さらにエスカレートする。


   要求をいれなければ人質を殺す、というMRTAの宣言は、
   口先だけの脅しにすぎない。


 武器を持っておいて「口先だけの脅し」などと言えてしまうのも相当おめでたいが、中山は、口先だけなら脅しを行ってもよいと思っているようだ。


   大統領たちは嬉々として敵も味方も殺す。


 ここまでくると、精神病院の一つも紹介してあげたくなる。彼女のような連中の心を蝕む物は一体何であろう?


 矢崎はコーナーの中で、かつてこう言った。


   何も知らない評論家たちを登場させてお茶を濁す事は、絶
   対にやめて欲しい。


 私も『週金』に言わせてもらおう。

 何も知らないばかりか、根拠も示さずに他人に偏見を持ち貶めるようなただの当たり屋たちを登場させて論壇を濁らす事は、絶対にやめて欲しい。


                               なかみや たかし・本誌編集委員


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