『週金』を撃つ!−8

買ってはいけない週刊金曜日


                            中宮 崇


週金の定番コーナー「買ってはいけない」シリーズの浅はかさ


 嘘つきキャスター筑紫哲也やテロリスト太田昌国などが関っている「市民派」雑誌、『週刊金曜日』。その一コーナーに、「買ってはいけない」と題したものがある。毎回、食料品から電化製品まで、様々な品ものを商品名を具体的にあげて企業名付きで取り上げて批判するこのコーナー、確かに一面の真理を含んではいるのであるが、商業ベースの雑誌に載せる記事としては、著者の勉強と思考能力が少々不足しすぎではないか?

 大体週金には、「週金教」や「正義真理教」のマインドコントロール下にある信者がたくさんいて、週金の言う事ならそのまま何の疑いも持つことなく鵜呑みにしてしまうような社会不適応者が多いのであるから、ますます記事は慎重に書く必要があるはずだ。もっとも、さらなるマインドコントロールの強化を目的としているのならば、今のままの方が週金にとっては良いのであろうが。

 まずは、6/6号の


   「買ってはいけない−14

     セブン−イレブン おにぎり」


について見てみよう。

 この回では、コンビニで売っているおにぎりについてその危険性を批判している。確かにコンビニものはおにぎりに限らず弁当も、数多くの添加物にまみれているので危険性があることは間違いないのであろうが、「おにぎり憎し」のあまり、批判が常軌を逸している。

 記事の方向性としては、保存料を始めとする食品添加物の危険性について主張したいようなのであるが、以下のような事をわざわざ取り上げて書く必要があるのであろうか?


   (おにぎりや弁当は)いずれも地元の小さな食品メーカーの
   工場で製造されたものだ。それでも、セブン−イレブンのブ
   ランドで売られている。


 これのどこがいけないというのであろうか?セブン−イレブンは、こんなことで批難されなくてはいけないのか?

 電化製品なども最近は、製造は外部に委託して、売るときは自社のブランドとして売るという事が一般的に行われているが、同様の事を食品で行ってはいけないのであろうか。

 第一、週刊金曜日だって、印刷は凸版印刷にお願いしているくせに、『凸版印刷』ブランドではなく『週金』ブランドとして売られているではないか(笑)。

 もし食料品の外部委託製造に批難される点があるとすれば、品質管理等が不徹底になる恐れについてであろうが、記事ではそのような事は全く口にしていないから、外部委託に伴う危険性について批判するのではなく、「外部委託」そのものを批判しているのであろう。少なくとも記事からは、なぜ外部委託製造がいけないのかは全く不明である。まあ、単なる思い付きと偏見と無知から出た文なのであろう。

 またこの回では、おにぎりに含まれる保存料である「しらこ」や「ポリリジン」が攻撃の対象となっている。ちなみにしらこは、サケやカツオの精巣(白子)から、ポリリジンは放線菌から抽出されたものなのだそうだ。 

 この二つの保存料を攻撃するのは良いとしても、いくらなんでも以下のような書き方はなかろう。彼ら週金信者の浅智恵が実によく表れている。


   しかし、(しらことポリリジンは)微生物の繁殖を抑えることか
   ら、何らかの毒性を持っていると考えられる。


 「微生物の繁殖を抑える」=「人間にとっても毒となる」というなんとも短絡的な考えである。ならば、おにぎりの腐敗を抑える梅干しや、O−157さえ殺すほどの殺菌作用があるというお茶は、人間にとって毒なのか?

 週金信者の単純極まりない思考回路の構造的欠陥は、小学生でも分かるであろう。

 次に、5/16号記事


   「買ってはいけない−13

     日清ラ王 しょうゆ」


について見てみよう。ここでも、彼らマインドコントロール集団のショートしまくりの脳みその実態を垣間見ることが出来る。

 冒頭からして、馬鹿丸出しだ。

 筆者の渡辺雄二は、ラ王を見て、


   これ、本当に食品なのかな?


と思ったのだそうだ。そう思った根拠が、


   しょうゆ味のめんの原材料10品目のうち6品目が添加物だ。


という事実。「天然原料よりも添加物の方が数が多いから、これは食品ではない」などと思えてしまう、週金信者の単純極まりない幼稚な脳みその構造を、自ら暴露してしまっている。

 もしこれが、「100グラムのうち80グラムだけが小麦で、あとは全部添加物だ」とかいうなら、渡辺の主張にもまだ説得力があろう。つまり、食品としての資格を疑いたいと言うのなら、全体に対する割合からや、それぞれの添加物の毒性などから判断すべきであり、「添加物の品目が多いから」などという、単純な数かぞえですべきものではない。

 もし渡辺のような週金信者の考えが正当化されるのならば、世界各国から実に様々な人々が訪れている日本の姿を見て、彼らの全体に占める割合が1%にも満たないのにもかかわらず、「ここは本当に日本か?」と思わなければいけないことになる。渡辺は普段から、そんな風に考えているのであろうか?

 「ここは本当に日本か?」とは考えないくせに「これは本当に食品か?」と思っているとすれば、そこには何らかの偏見があるのだ。「市民派」や「人権派」を標榜する連中が、実はこんな偏見を持っているのだ。

 また渡辺は、カップメンを食べると気分が悪くなったり、胃が重苦しくなったり、下痢をしたりするという人たちの証言を挙げ、


   いずれも添加物が原因の化学物質過敏症にかかっている
   のだ。


などと断言する。

 ところが、ずいぶん自信ありげに言い切るくせに、その根拠を全く挙げてはくれない。確かに中には、過敏症で気分を悪くした例もあろう。しかし、全部が全部過敏症が原因であるなどとどうして言い切れるのか?

 ちなみに私は先週、カップメン4個を一度に食べたら胃が重苦しくなったが、渡辺はこれも、「過敏症のせいだ」などと言うのか?

 渡辺の不当なイチャモンは、さらにエスカレートする。


   肉エキスや豚肉は、肉アレルギーの人にとっては強力なア
   レルゲンだ。


 だからなんだというのだ?そんなことを理由に「ラ王は買ってはいけない!」というのか?ならばラ王よりも先に、


   「買ってはいけない
     肉屋の豚肉」


という特集を組みたまえ。そういえば以前、そばアレルギーの生徒が無理矢理先生に給食のそばを食べさせられたことが問題になったことがあるが、週金信者の論理から行けば当然、


   「買ってはいけない
       そば」


の特集も組まなければいけないことになる。

 ところがそんな記事も組まずに不当な批判を加えておいて、この記事では何と、「ラーメンよりもそばを食べましょう!」という類のことまで平然と書いている。以下が原文である。


   麺類を安心して食べたい人は、棒状の乾麺がいい。うどん・
   ひやむぎ・ソーメン・ソバ(ただしソバアレルギーの人は避け
   る)と、いずれも無添加である。


 ここでは「アレルギーの人以外はそばを食べましょう!」などと言っているくせに、ラ王については「アレルギーの人がいるから、皆さん全員ラ王は食べないように!」などと言う。彼らのような分裂的思考人種が、毎日どのようにして正気を保っていられるのか、是非とも知りたいものである。ひょっとしたら、もともと正気を失っているのかもしれないが。

 またこの記事では、スパゲティも「無添加」を理由に推奨している。しかし、以前のチェルノブイリ原発事故の折、ヨーロッパ産の小麦は大量の放射能を浴びたとの報道がなされていたし、だとすれば今でも少なからずの汚染が土壌に残っているはずなのであるが。渡辺は「添加物はほんのわずかでもアブナイが、放射能はほんのわずかならヘイキ」とでも思っているのであろうか。

 食品添加物のみに目を奪われて、御都合主義的で場当たり的な支離滅裂の批判を加え、大局的な食料汚染問題に目を向けようとしないから、こういう犯罪的な主張が出てくるのである。

 これと同様の犯罪的な行為は、2/21号の


   「買ってはいけない−2

     山崎製パン クリームパン」


の中でも見られる。

 パンの中に含まれる、イーストフードを始めとする添加物を批判する記事なのであるが、何とこんなことを書いている。


   イーストフードを使っていない食パンを買って欲しい。

   保存料を含まない小倉あんぱんがベターだ。


 前者は文脈からして、「食パンの中の、イーストフードを使っていないものを選んで買って欲しい」という意味で書いたらしいのであるが、こんな書き方では「食パンにはイーストフードは使われていない」と誤解する読者もあろう。

 後者については全く理解不能だ。食パンの例と違い、「小倉あんぱんの中の、保存料を含まないものがベターだ」という意味では有得ない。そういう意味を持たせたかったのならなぜ、


   保存料を含まない菓子パンがベターだ。


と書かなかったのか?どうして「菓子パン」と書かずにわざわざ、「小倉あんぱん」などと限定したのか。こうしたことから考えると渡辺は、「菓子パンの中でも小倉あんぱんには、保存料は含まれていないのだ」と考えているのだということが分かる。

 ところが、コンビニにでも行ってみれば誰でも簡単に確認できることなのであるが、これは大嘘だ。小倉あんぱんにだって、ちゃんと保存料は含まれている。その程度の確認作業は幼稚園児だってできように。

 はてさて、渡辺は、小倉あんぱんによほどの思い入れでもあるのであろうか?まさかそんなことはないであろうから、ただの無知・無責任による妄言であるのだろう。


 「買ってはいけない」コーナーを担当している渡辺雄二は、環境・医療問題が専門の著作家なのだそうだ。専門の分野でさえこんないい加減なことばかり言っているようでは、専門外の分野ではどれほど馬鹿なことを言っているか、想像するだけで痛ましくなってくる。

 そういえば、ペルー問題についてデタラメばかり言っていたテロリスト太田昌国は、南米問題が専門なのだそうだ。週金に出てくる「専門家」とやらは、どうしてこういういい加減な連中が多いのであろうか?そして週金信者は、そういうエセ「専門家」の妄言にありがたく耳を傾け、彼らを批判しようものなら「専門家様に向かってなんて無礼なことを言うのだ!」と吠える。処置無しである。

 今、一番買ってはいけないもの、それは、デマをふり撒くまがい物の専門家のパラダイス、『週刊金曜日』ではないか?


                              なかみや たかし・本誌編集委員


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