ゴロツキ『朝日』の大冒険−2
中宮 崇
朝日名物、言論弾圧正当化作戦発動!
プロバイダーに圧力をかけて、自分たちの気に入らないホームページを閉鎖に追い込んだ、民主主義の敵、朝日新聞。連中の悪逆な言論弾圧行為は、多くのプロバイダーを神経過敏な状態にしている。
なにしろ普段から、その独善的な権力乱用に定評のある朝日新聞である。どこだって、「次に狙われるのは、うちではないか?」と恐れおののく。その結果、朝日の圧力が来てもいないのに、プロバイダーの「要請」によって「自主的に」閉鎖に追い込まれるホームページが増えている。
朝日にとって、これほど効率的なことは無かろう。何しろ、ただ一度の(しかも、ちょっと見ただけでは、「圧力」に見えないような)圧力だけで、インターネット上に広範囲に渡って、その支配力を及ぼすことができたわけだから。
さて、『週刊新潮』や『フォーカス』に、神戸中学生殺人事件の容疑者の写真が掲載された際、各書店の「自主的な判断」によって、発売がボイコットされた。消費者は、書店の独善的な判断によって、雑誌の入手を困難なものにさせられた。
この件に関しても、朝日がインターネット上で行ったような圧力が加えられていたのではないか?十分考えられることである。実際、少年の顔写真の部分をコピーして配っていた書店は、朝日等によって名前を公表され、袋叩きにあった。
朝日は、その強引な勧誘手法によって、新聞業界を既に支配下に置いている。しかし新聞界は、他にも読売等も頑張っていて、100%支配されているわけではないから、まだ救いがある。
ところが朝日は、今回の事件を自らの影響力の伸長のために悪用することによって、出版業界とインターネットに、強権的な支配力を確立することに成功した。
以前、ある市民運動系のメーリングリストにおいて、「警察がホームページを見るだけで、それは検閲だ!」という、なんとも妙な主張がなされていた。
しかし、そのメーリングリストは、なぜか今回の事件については完全に沈黙している。「警察がホームページを、ただ見るだけ」よりも、「新聞社によってホームページが閉鎖される」事の方が、遥かに悪質ではないのか?自分たちの仲間なら、「敵に対してどんな不当な圧力を加えても構わない」ということであろうか。
そもそも、市民団体や人権、それに朝日新聞等が、本気で「警察がホームページを見るのは、検閲だ!」などと思っているのであれば、今回の朝日の行動は、それがただの取材行動に過ぎなかったとしても、犯罪をしそうしたという意味において、犯罪の共犯者と言える。
つまりどういうことかと言うと、朝日新聞は、プロバイダーに対して、ホームページを「検閲」するようにアドバイスしたのだ。「見るだけで検閲」などと阿呆なことを言うのであれば、当然そういうことになる。しかも警察の場合と違って、「ただ見ただけ」ではなく、ページを閉鎖に追い込み、利用者を除名したと言う意味においては、本当の意味での「検閲」と言える。
プロバイダーなどの電気通信事業者が検閲を行うことは、「電気通信事業法」という法律で禁止されている。
第3条 電気通信事業者の取扱中に関わる通信は、検閲し
てはならない。
私は別に、朝日やプロバイダーの行為が、この条項に違反しているとは思ってはいないが、朝日や市民団体、人権派は、「条項に違反している」と思っていなければならない。そうでないと、今までの連中の主張に一貫性が保てない。まあ、連中が支離滅裂で御都合主義的なのは、別に今に始ったことではないが。「警察が見るだけ」で「検閲」なら、「プロバイダーが見るだけ」でも「検閲」だ。当然のことだ。しかも、閉鎖や除名までされているのである。なぜ連中は、今回は口をつぐんでいるのだ?
市民団体や人権派は、身内をかばいたい一心から、今回の件については口をつぐんでいるのであろう。
ちなみに、第19条によって、この法律に違反したプロバイダーは、事業者としての資格を剥奪される場合がある。
さて、その朝日新聞、7月23日朝刊の記事
「検証 児童殺害事件報道 下」
において、自らの弾圧行為を正当化するための情報操作作戦を開始した。この記事は、副題を「情報の迷走 傷を生む」と称しているのであるが、その「情報の迷走」とやらは、ホームページ上の掲示板における投稿のことを指しているようである。こんなふうに書いている。
インターネット上では陰湿な「情報遊び」も登場する。
一部のマニアが運営する複数の「掲示板」では、逮捕直後
から男子生徒の名前を特定しようという書き込みが相次い
だ。いったん実名らしい名が掲載されると、今度は「住
所、電話番号をいってみよう」などという書き込みが現れ
た。
実際に、北須磨団地での特定の姓をもつ住民の電話番号
の一覧も掲載された。嫌がらせ電話が殺到し、電話番号の
変更を強いられた家庭もあった。
ざっと読んでみれば分かるように、何とかしてインターネットそのものを悪者として宣伝しようという意図が見え見えだ。
まず、「インターネット上では陰湿な「情報遊び」も登場する」などと言うが、朝日のやっていることは、それほどお偉いことなのか?朝日は「情報遊び」をしていないのか?「情報遊び」どころか、「情報操作」や「虚偽報道」してきたではないか。朝日のような「先輩」に言われる筋合いはない。
また、朝日は予断と偏見に基づいた、「決め付け」も行っている。「嫌がらせ電話が殺到し、電話番号の変更を強いられた家庭もあった」とは何だ?掲示板に掲載されたから嫌がらせ電話があったのだ、と言い切る根拠は何か。何も有りはしない。単に、インターネットをとにかく、どんな手を用いてもよいから貶めたいという、報道機関としてあるまじき犯罪的な情報操作をしているだけである。
実際、インターネットが普及する以前に発生した犯罪の時だって、被疑者の家に嫌がらせ電話が殺到するという現象は、常に発生していた。
そういえば、朝日を始めとするメディアによって、「松本サリン事件」の犯人と決め付けれられた会社員の家にも、耐え難いほど陰湿な嫌がらせ電話が、日々殺到していたが。嫌がらせ電話を理由にして掲示板が閉鎖されなければならないとすれば、朝日新聞も当然閉鎖されるべきであろう。
また、名前を出したりすることを「陰湿な「情報遊び」」などと言うが、そんな事は今までに、ワイドショーなどでいくらでもされてきたことであるし、朝日だってやっていることだ。少年容疑者の名前だって、少し前までは散々報道していたではないか。なぜインターネットだけを、わざわざこのように扱うのだ?「敵」を貶めることによって、自分たちの犯した凶悪犯罪から読者の目を逸らそうとしているのであろう。
さて、朝日を擁護する「朝日教信者(朝日狂信者)」は、「朝日がプロバイダーを弾圧したという事実がどこにある!」などと阿呆なことを言う。連中にとっては、朝日が「あなたのところの利用者が開設しているホームページを閉鎖してください。なお、これは圧力です」とでも言わない限り、「朝日が圧力を加えた」ことにはならないのであろう。味方には徹底的に甘いのが、こういう連中の特徴である。「日本の現状を変えよう!」などと偉そうなことを普段は言っているくせに、「馴れ合い体質」という、日本の忌むべき体質の一つを、自ら率先して具現化しているのだ。本当に「日本の現状を変え」るためには、まずは連中を真っ先に処分するべきであろう。
ところで、連中の言い分は、朝日のこの記事によって、完全に正当性を失った。何しろ朝日自身が、「インターネットのせいで、嫌がらせ電話がかかっている」という、何の根拠もない大嘘を堂々と、それも自分たちの犯罪を正当化するために掲載しているのであるから。朝日はもはや、この件に関する調査過程の公表と謝罪とを行わない限り、たとえ予断と偏見に基づいた批判がなされようと、文句は言えない。
朝日は、一記者の発言を掲載することによって、自社の記者達が、他人の痛みなんて全く理解できない、エリート主義思想の持ち主であるということを、自ら暴露してしまっている。市民蔑視の思想があまりにも朝日内部において一般的なために、この記者の発言の問題性に、気付かなかったのであろう。
「より深く、より正確な報道のためと思って取材に挑んでも、
その思いが相手に伝わらず、ショックを受けることが多かっ
た」
なんじゃこりゃ?朝日は、自社の記者に対してどういう教育をしているのだ?連中は、「俺達は、正義の実現ために、一生懸命やっている。市民はそれを「理解」して当然!」と思っているのだ。驚くべき選民思想だ。これが、「正義の味方」朝日新聞社の正体なのである。
なかみや たかし・本誌編集委員