切り売りされる真実(その2)
中宮 崇
上杉の良い所を誰か教えて!
日本の戦争責任資料センター事務局長の上杉は、詐欺師の分際で、他人をよく嘘つき呼ばわりする。
例えばテレ朝「サンデー・プロジェクト」でも、藤岡信勝を、「昔から教科書が自虐的だったなんて、嘘をつくな!」などと言う。こんな詐欺師に罵られては、さすがの藤岡も腹に据えかねた事であろう。そして例のごとく、相手に反論の機会も与えぬまま、発言権を強引に奪い取り、関係ない話を一方的にわめきたてる。最近詐欺の容疑で逮捕された、あるマルチまがい商法の中心人物や、オウム真理教の麻原彰晃などと、全く同じ手口である。
ついでにこの詐欺師は、こうも言う。「結果論はいけない」と。
これは、藤岡が、「アジアの人々は、日本が戦争を起こしたおかげでアジアの国々が独立できたということを、きちんと評価している」という発言に対して言い放ったもの。ついでに上杉は、この発言に対しても「そんな事があるはずが無い。嘘いっちゃいけない!」などと言う。なるほど、朝日新聞のようなマインド・コントロール新聞ばかり読んでいたら、確かにそういう情報は入ってこないのであろう。
なるほど、「結果論」はいけないのか。なるほど。ならば上杉は、PL法にも当然反対なのであろう。何しろあの法律は、企業に対して、製造物の結果責任を問うものなのであるから。前回指摘したように上杉は、やはり大企業の手先、市民の敵であるようだ。
さて、以前から私は、「自虐史観派」とか市民団体とか人権派などに対しては、「鏡を見てみろ!」と言っている。今回も、上杉に思わず鏡をプレゼントしてやりたくなるような発言があった。
部分をピックアップしてそういうふうに言うのは、ものすごい
極端な言い方ですよ」
これは、藤岡の発言ではない。何と、上杉の発言である。よくもまあ、恥ずかしげもなくこんなことを、相手に対して言えるものだ。「自虐史観派」が、今までどれだけ「部分をピックアップ」して日本人を貶め、ソ連や北朝鮮、中国を称賛し、アメリカを罵倒してきたか、誰の目にも明らかだ。
この発言の後も上杉は、阿呆な事をわめきたて、たまりかねた司会の田原総一郎にまたもや遮られた。まったく、学習能力の無い呆れた御人である。
番組の討論はいよいよ、慰安婦問題に入って行く。朝日新聞が持ち上げて、未だに謝罪も訂正もしていない、あの詐欺師、吉田清治。自分の本を売るために、「私は慰安婦を強制連行した」という話をでっち上げ、韓国などで土下座までして見せ、朝日を始めとする「自虐史観」の連中は、それにしっぽを振って飛びつき、ついに最近になって「あれは全て嘘でした」と明らかにせざるをえないところにまで追い込まれた、国際的詐欺師。その吉田を持ち上げてちやほやしていたはずの上杉は、「最初からあんな話、信じていなかった」と、利用価値のなくなった人間を、非情にも見事に切り捨てる。実に鮮やかであった。
そのうち、今は「自虐史観派」によってちやほやされている「従軍慰安婦」も、なんのためらいも無く切り捨てられる日がくるであろう。
そして、これはいつものことであるが、最初は「強制連行の有無」を「自虐史観派」がわめきたてていた慰安問題なのに、強制連行の事実証明が不可能と分かってくると、とたんに、
「強制連行の有無なんていう、狭い問題に囚われるべきで
はない。当時は、広い意味での「強制」があったのだ。女
性たちが「慰安婦」にならざるを得なかったと言う社会的状
況も含めて「強制」なのだ。
などと、自分たちの過去の狂乱ぶりをきれいさっぱりどこかに置いてきたような、破廉恥な言い訳。
そもそも、日本による国家賠償の是非を問題とするのならば、「強制連行の有無」に話を絞るのは当然の事だ。考えて見るとよい。以前問題となった、沖縄少女強姦事件。これは、アメリカ兵が少女を襲った事件なのであるが、これについてもアメリカ政府が少女に、賠償をしなければいけないのか?アメリカ軍や政府が、「沖縄の女性を襲え!」とでも命令していない限り、事件はあくまでもアメリカ兵一個人の問題であって、賠償請求の対象となるのは、少女を襲ったアメリカ兵だけである。
ところが「自虐史観派」は妙な事を言う。「強制連行の証拠が無くても、国家が賠償すべき!」と。その一方で、「我々は、当時の兵士一人一人の責任を追及するわけではない。彼等も被害者なのだ」などと、世論におもねるために、いい加減な事を言う。
先ほどの沖縄事件の例に当てはめると、「自虐史観派」はこう言っているのだ。
アメリカ政府は、少女に賠償すべき!一方我々は、少女を
襲ったアメリカ兵も「被害者」と考え、彼らの責任は追及しない。
私が少女の親であったならば、こんな阿呆な事を言う奴にはパンチを数発叩き込んでやるところだ。
さらに、本誌でも暴いたように、「私たちは常日頃学術的な研究をしている」などという大嘘を言っている上杉は、吉田清次の話が本当かどうかを確かるために調査に出かけた学者の事を、「他人の本に書いてある事が本当かどうかを調べに行くなんて、学者のやる事ではない」などという類の、とんでもない発言を行っている。連中のような詐欺師は、自分たちが本に書いた大嘘を暴かれるのが、よほど恐ろしいらしい。
さらには、「クマラスワミ報告では、吉田清次の証言なんて採用されていない」などと、呆れた大嘘。この男、良心の一かけらでも保有していた事があるのであろうか?ちなみに上杉は、クマラスワミ報告の翻訳作業に関わっている。こういう詐欺師に「翻訳」などという作業を任してしまったら、「意訳」などと言って、とんでもない嘘翻訳をされかねない。
また彼は、あれだけ言い立てていた「強制連行」の証拠が、ついに見つからなかったという事を取り繕うために、「教科書には、慰安婦が「強制連行」されたなどと、どこにも書いていない」などと詭弁を弄する。さすがにこんな詐欺的発言には、司会の田原も腹に据えかねたのか、「でも、「強制的に連れていった」と書いてあるなら、それはやっぱり「強制連行」ですよ」と、突っ込まれていた。
さらに笑止なのは、「強制連行だけに問題を狭めるな!」などと言っていた上杉が、「教科書には強制連行された」などとは書いていない」という詐欺的話術を弄した上杉が、田原のツッコミが入るや、慌てて、「慰安婦にならざるを得なかったような状況を作る事も、広い意味での「強制連行」なのです」などと、詐欺師仲間の間でしか通用しないであろう珍妙な妄言。
彼の言っている事が、ただの妄言にすぎないと言う事は、以下の状況を見ていただければ明らかであろう。
上杉:(藤岡の発言権を奪って延々と)詐欺による連行が多
いのにびっくりした。強制連行よりも、こちらの方が問
題だ。これは国際法違反だ。
田原:(上杉のだらだらとした長話にたまりかねて)ちょっと
ごめんなさい、ごめんなさい(藤岡に振る)。
藤岡:詐欺による連行はどうやって証明されていますか?
一件でも証明されていますか?
上杉:(沈黙)
田原:ちょっとCMに入ります。
しょせん、この程度の連中なのだ。
また、連中のいつもの手であるが、視聴者を煙に巻くために、またもや関係の無い話をする。「日本の植民地において、強制連行の証拠はない」と断言せざるをえない状況にまで追い込まれた、「自虐史観派」の理論的リーダーである、中央大学教授の吉見義明。彼が学者としても人間としても失格であると言う事は、既に以前、本誌でも指摘した事であるが、その発言を取り繕うため、「軍は敗戦時に、証拠書類を焼却したのだ」などと言い逃れ。
しかも、書類が焼却された事の証拠として挙げた資料が、実は「アメリカ軍が上陸してきた時には、軍の機密連絡事項が漏れないように、書類による連絡は止めて、全て伝令による口頭のものにしよう」ということを言っていたにすぎないものなのである。これのどこが、「軍が証拠書類を焼却した証拠」なのだ?連中のような詐欺師のやる事は、一事が万事、このちょうしである。「強制連行したなどと書いてある教科書はない」などと言っている連中が、こんなことをやっているのだ。書類のどこに、「書類を焼却せよ」なんて書いてあるのだ?
最初から嘘を付きまくりの上杉は、藤岡に対して、「あなた、吉見教授の本(「従軍慰安婦」岩波書店)も読んでいないではないか!」などと、またもや大嘘。そして、藤岡から反論の機会を奪い去るために、例のごとく、妄言をわめきたてる。
上杉がなぜこんな事を言ったかと言うと、恐らく、直前の「朝まで生テレビ」で、電気通信大学の西尾幹二教授が、「私は吉田教授の本なんて読んでいない」という発言を勘違いした(あるいは、わざと間違えて見せた)ものであるようだ。たとえ勘違いだとしても、上杉のような人間が、他人の話などまじめに聞こうとはしない独善的な人間であると言う事の証明になろう。真面目に相手の話を聞いていれば、藤岡と西尾を間違えるなどと言う馬鹿な事があるはずが無いのだ。そして卑劣漢にふさわしく、その嘘に対する謝罪もせずに、声を荒らげる。
そしてさらに連中が度し難いのは、討論と言うものを完全になめきっていると言う事だ。何しろ、せっかく討論の場を設定したのに、「今ここでは話さない。後でこの本を読んでおいてくれ。何?この本を読んでいない?おまえとなんぞ、話ができるか!」というのだ。
つまり上杉のような「自虐史観」の連中は、我々市民に対してこう言っているのだ。
俺達が言っている事に、たかが市民が口をはさむな!
と。現に、以前指摘したように、「朝まで生テレビ」の中で、はっきりとそう言っている。そして、自分たちの「自己批判はしない」とまで言い切った。
これだけ見ても、藤岡と上杉、どちらが「市民の敵」であるかは、赤ん坊にとっても明らかであろう。連中のような詐欺師に必要なのは、もはや真摯な討論の場ではなく、一室の独房であろう。
しかし、そういう下らない詐欺師に肩入れする、これまた下らない人間がいるのも事実である。例えば、番組のレギュラー、インサイダー編集長の高野孟。
藤岡さんは、「資料が無いだろう!」と誇らしげに言う。
そういうあんまり感情的な事は、学者の先生は言わない方が
良いと思いますよ。
日本が性犯罪国家だなんて、誰も言っていませんよ!
(このあたりから、声を荒らげるようになる)
そして、「日本は性犯罪国家だと書いてある本がある」と藤岡に指摘された高野は、
あー、そうなんですか!そうですか!(薄ら笑い)
ほとんどただの、ヤクザだ。
ちなみに高野は、番組の冒頭で、「今日は冷静に話し合って欲しい」などと言っていたのであるが、本誌でも何度も指摘してきたように、この手の連中は、他人に言うような事を自分自身では守らないという、「卑怯者」と言わざるをえない属性を保有していると言う事である。これは「独房」よりも、「病室」の方がふさわしいかもしれない。
なかみや たかし・本誌編集委員