「醜い日本人」の嘘
中宮 崇
「ドイツは偉く、日本は醜い」という大嘘をふり撒く「自虐史観派」!
「自虐史観派」はよく、
過去の過ちを直視しようとしない日本人と違って、ドイツ人
は、自らの戦争責任をしっかりと認めている。
などと言う。そもそも、都合が悪くなると海外の都合の良い例をつまみ食いして引っ張ってきて、その威を借るのは、精神的に未熟な「自虐史観」の連中の常套手段なのであるが、この場合、その「海外の例」とやら自体がとんでもない大嘘なのだから、全く呆れる。
本誌で何度も批判した、「日本の戦争責任資料センター」事務局長の上杉聡とかいう詐欺師も、常々そういう大嘘を撒き散らしてきた。「自虐史観派」が、トップから末端まで腐りきっていると言う証拠である。
「ドイツ人は、第二次世界大戦の戦争責任なんて認めてはいない」ということは、電気通信大学教授の西尾幹二が、かなり以前から主張してきたことである。本誌5/19号などでも批判した、元朝日新聞記者で、嘘つきジャーナリストの下村満子などは、西尾のこの説をヒステリックに批判したものである。
西尾の説は、最近も来日した、ドイツのワイツゼッカー元大統領の演説からも、その正しさが証明されている。ドイツ人は、「第二次世界大戦を起こしたのも、ユダヤ人を虐殺したのも、ドイツ人の責任ではなく、ナチスと言う特殊な集団のみに帰せられるものである」と考えているのだ。つまり、ドイツの一般国民が負うべき責任は、せいぜい、そういう集団に政権を与えてしまったということだけだ、というわけである。
ところが、ワイツゼッカー演説の翻訳作業にまで関った上杉は、「ワイツゼッカーはそんなことは言っていない。ドイツ人は、戦争責任を認めている」などと、原文を見たら誰にでも分かるような大嘘を言う。もっとも、クマラスワミ報告の例などを見ても分かるように、原文を改竄するのは、連中のような「自虐史観派」の常套手段なのであるが。
最近も文芸春秋などが指摘しているように、あの有名な『きけ わだつみのこえ』という、戦争当時の若年兵士たちの手記を集めた本における、手記の悪質な改竄行為が批判されている。
それについては、また別の機会に書くが、ドイツの戦争責任の話に戻ろう。
「ドイツ人は戦争責任を認めている」などという「自虐史観」の主張が大嘘であることは、先週放送されたNHK教育テレビの、ドイツ歴史教科書を扱ったETV特集でも明らかとなった。
その番組では、かつてドイツによって侵略されたチェコの歴史家たちとドイツの歴史家たちの間で、歴史認識について話し合って行く過程が描かれていたのであるが、両国の歴史家は何と、以下のような歴史認識で合意したというのだ。
第二次世界大戦におけるドイツの戦争犯罪は、ナチスとい
う特殊な勢力に責任が帰せられるべきものであって、ドイツ
人一般が責任を負うべき性質のものではない。
さて、これのどこをどのように解釈したら、「ドイツ人は戦争責任を認めている」ということになるのだ?「自虐史観派」の詐欺行為が、またひとつ暴かれた。まったく、大嘘をついてまで日本人を貶めたいと言う、連中の精神構造は全く理解不能である。もっとも、以前暴いたように、連中の中には北朝鮮の手先が混じっているので、そういう操り人形には、日本人を貶める理由は十分あるのであるが。
さてさて、ドイツ人は戦争責任を認めてなどいないと言うことは、これで決定的になったわけであるが、一方の日本人はどうであろうか。やってもいないことまで「やりました。ごめんなさい」と謝ってまわり、「私はこんな犯罪的なことをやりました」と嘘までついて韓国人の前で土下座し、ろくな証拠も無しに首相や大臣は各国に謝罪し、教科書は「日本人は悪、北朝鮮とソ連は善」と書きたて、「現代の若者にも戦争責任はある」などと、宗教裁判所も顔負けの前近代的な妄言を恥ずかしげも無く言える、それが日本と言う国である。「謝ることは善」という、「自虐史観派」の価値観からすれば、ドイツ人より日本人の方が、よっぽど偉いことになる。
まあ、「他人に言うようなことを自分自身では守れない」ような卑劣な「自虐史観派」の連中に言ってもせん無いことではあるが。
「自虐史観派」はよく、
現代に生きる若者にも、戦争責任がある。
などという、とんちんかんな、まるで「親の責任は子にも及ぶ」という封建時代の旧弊に類するようなことを平気で言う。まあ、何度も暴いてきたように、「自虐史観派」という連中は根本的に詐欺師なのであるし、そういう犯罪者の言うことがとんちんかんなのは当たり前であるとも言えよう。こんな奴等に海外にのこのこと出て行かれては、それこそ「醜い日本人」というイメージが世界中にばらまかれることになろう。困ったものである。
なかみや たかし・本誌編集委員