私、サラのママは、一足先に夏休みを戴いて、モロッコの海と山で遊んできました。普段は、カフェでアッツァイ(モロッコを代表するミントティーのモロッコ語)を飲むこともなくて、こうやって、旅行に行って旅先で飲んでみるといろんなアッツァイの味があることがわかりました。でも、砂糖を入れ忘れられたアッツァイは、できれば、もう出会いたくないものです。

今回の情報は、地域によって、ずいぶんと格差のあるものです。モロッコ中どこもかしこも整備されているわけではないからです。ただ、モロッコの大都市、カサブランカ、マラケシュ、ラバト、フェズやメクネス等、または、周辺の中都市は、大都市の事情とそんな大差のないようです。また、観光地も同じです。


【電気】

原子力発電所があるそうで、フランス系の電力会社によって、多くの家庭では電力が安定して供給されています。雷等の災害による、あるいは電気工事による停電を除いて、停電が発生したのは、今週、偶然発生した発電所内のトラブルの時だけです。

 ☆電気料金のしくみ(普通の一般家庭)

  1ヶ月の使用量が     1Kw/hあたりのDH
  0−100Kw/h      0.842 
  101−200Kw/h  0.906
  202−500Kw/h 0.986
  501Kw/h以上   1.347

毎月の電気料金は、 税金、基本料金を上の使用量に応じた金額に加算されて請求されます。また、電気料金の請求といっしょにテレビの視聴料も請求されてます。また、2.50DHですが、請求書の手数料らしき金額も上乗せされています。

=辛口サラのママの独断=
電気の使用量は、各家庭に設置されているメーターを見ることが簡単に出来ますので、使用状況を確認する事が自らできるので安心です。
その他、まだまだ一般化はされてませんが、風力発電や、太陽熱を利用したエネルギー開発も行われています。


【ガス】

多くの家庭では、ガスボンベを購入して、調理用、お風呂用でガスを利用しています。
ボンベといっても、カセットコンロのような手ごろな大きさでなくて、小さいものでも、大きなすいかより大きいくらいのものです。
このボンベが、からになると大人1人でも袋に入れて持ち歩く事ができますが、ボンベを新しいものに購入すると、今度は袋に入っても、ボンベの中がガスで満タンになるので、かなり重いものになります。これで、普通の家庭で約1週間食事3食の準備ができます。

さらに大きいものになると、からでも、大人1人では持ち運ぶのにキャリア(昭和40年代に流行った?ような買い物ふくろにキャスターがついてがらがらできるもの)がないと大変です。購入すると、もうこの買い物ふくろには女性1人では入れれないくらい重さになり、キャスターがついていても道路の段差などがあると、避けて道路のわきを通るか、勢いをつけて(?!)段差を昇ります。

大きいボンベになると、場所によっては、購入した店のお兄さんが自宅まで運んでくれるサービスをしてるところもあります。サービスなので、運搬賃は、請求されませんが、運んでくれるお兄さんは、通常ガスレンジにガス管を接続して、しかもガス漏れをチェックしてくれます。こんな主婦の味方にはチップもはずみます。

このガス漏れチェックの仕方がまぐさんのホームページにも紹介されていますが、なんと、マッチをすって、火を近づけて引火しないか確認するのです。これは、購入する時に小さいボンベのほうでも同じです。
盛れているものを購入すると当然ですが危ないし、1週間持たない(つまり中身が満タンでない)からです。1度この小さいボンベのガス盛れチェックを店先でマッチを使っていたところ、私がその店に買い物に来たのですが、みごとに、ボンベ全体が炎につつまれて、仰天しました。店のお兄さんも慣れたもので、さっとそばでミントの葉っぱを売っている時に使っているひからび防止の湿ったなんかの草で編まれた厚手の収穫した農作物を入れる袋をかけました。

くどい説明ですが、この袋何回も使えるように丈夫なんで、使いこまれたものをよくそこらで見かけます。ござ代わり、野菜を売る時に使う、等など、、でも、こんな火消しにも持って来いとは、思いもよりませんでした。
                          ・・・まぐさんのホームページ


ガスの中身

その地方によって、流通しているガスのメーカーが違います。が、中身は、どのメーカーでも、プロパンより重たいブタン(C4H10)です。日本で、プロパンが使われてモロッコでどうしてブタンなのか理由はわかりませんが、ブタンの方がガスになる温度(沸点)が高いので、砂漠のような気温が高温の地域は安全なのかもしれません。メーカーが異なると、ガス器具が合わない場合があって、その地域にあったボンベを使用して、引越しする時は、ボンベを手放すほうがいいかもしれません。
例えば、カサブランカとラバトでも、小さいボンベのメーカーが違ったら購入できませんでした。また、モロッコでは、天然ガス、都市ガスは、多分、使用されていません。

ガスの料金(BUTA GASの場合)

 多分、他のメーカーも似たような値段だと思います。
 小さいボンベ 10.50DH(通常1週間程度分)
 大きいボンベ 40.20DH(通常1ヶ月程度分)

ガスにまつわる危険な話。

ブタンガスには、ガス漏れの時に危険を気づかせるために、臭いが付けられています。が、中には、この臭いがガスの臭いであることを知らない人もいます。また、多くのガス器具が、ガス漏れ防止機能がついてなくて、バルブをまわせば、2歳ぐらいの子供でもガスを出す事ができます。

戦争や大きな災害を経験したことのない私は、このガス爆発事故をどう表現して良いのか言葉を見つけられませんが、ドーンという体でも音の振動を感じられるような爆発で、1km以内で起きた爆発だと屋内に居ても十分気が付くようです。
また、20年ほどまえの話ですが、カサブランカのあるガス製造工場内で爆発事故が発生した時は、次々と爆発が発生、年輩の方は戦争が起こったのかと思わせるような騒ぎだったそうで、工場は、花火のように爆発と一緒に火を上げていたそうです。


=辛口サラのママの独断=
満タンであることを信じて買うしかないのがつらいところ。重さで確認するのも一つかも知れませんがまだまだ、私の感度はよくない。また、ガス盛れチェックは、私は、鼻を使って匂いをかぎます。アナログの世界を象徴するようなモロッコのガス事情です。でも、どれもこれも、安いから許せます!?


【水道】

場所によって、水道水の味が全く違います。地域や人にもよりますが、モロッコでは、水道水を飲料水として飲むことがあります。私もその1人で、今までいろんな所で、お腹を心配しながらも喉の乾きに勝てず、生ぬるいペットボトルのミネラルより、今、目の前で、流れ出る冷たい水を口に含む事が多いです。下痢になるとペットボトルの水を購入するぐらいで、普段は、水道水を飲んでます。
が、安全性は、まったくの未確認です。なぜなら同じ水道水を使って洗濯をするのですが雨降りの後などは、水の透明度がわるかったり、着色している事があるからです。
また、一般的にカサブランカの水道水はまずいっと言われます。慣れてしまうと、そんなもんだ。っと気にならないのですが、確かにおいしい水道水を飲める地域に長く腰を据えてしまうと、まずい水は、気になるものかもしれません。

参考までに、モロッコ人が水でお腹をこわしても、サラのママはこわれない。という経験を持つアバウトなお腹です。給水塔がなかったころのメルズーガでは、脇で蛙が泳いでいるのを見ながらも冷たい涌き水をごくごくと飲んでしまいましたが、問題ありませんでした。
ですから、上の記事を読まれて、じゃ、私も大丈夫かな?という安心感を抱かないでください。我が家に来られる日本人のお客様には、了解なしに水道水を飲ませた事はありませんので。。。

水道料金

 1ヶ月の使用量が     水道代1m3あたりのDH    基本料(1m3あたりのDH)
  0−8m3         2.033            0.3948
  9−20m3      6.4300           0.9870  
  21m3以上     9.6728      1.9739

使用量に応じた水道代と基本料金(施設使用量?)の合計が請求されます。

=辛口サラのママの独断=
水道代と電気代は、REDALという会社がどこも取り扱っているようでまとめて請求書が来ます。郵便でなくて、REDALの検針員さんとでもいうのでしょうか、係りの方がメーターを読んで、請求書を扉の下に挟んで行ってくれます。で、支払い期日(正確には、期日でなくて、その日以降?)が記されていますので、支払いにREDALの窓口へ行きます。当然、その地域の人が同じ期日に支払うので、長蛇の列です。
しかも、列をなしているのは9割が男性。職場を抜け出して支払うのがふつうになってしまうのも、仕方ない。。。かといって、銀行口座からの自動引き落としというのもこれまた怖い!請求書通りの額が引き落とされる保証が全くないからです。


【電話】

家庭の電話
電話料金は、ほんとうに不明な点が多く、在留邦人からも使ってもいないはずの電話代が請求された(日本円にして10万円相当)とか、また電話会社そのものに勤めている方のお宅にもやはり使用した覚えのない約1万円相当の請求書が来た、とか電話料金の請求はよくわかりません。
サラのママの経験でも、電話のかけたことない知らない海外の通話料の請求が来たことがありました。幸い10DH程度の通話料だったのでやも得ず支払いに応じました。このような不当な通話料の請求の防止で、間違い電話をこちらから切らない、といったうわさもありますが、事実は、やはり不明です。
 
不明な電話料金の内訳は、基本料金が回線にもよりますが、約85DHで、それに通話料が加算されます。合計には、20%の税金が上乗せされる仕組みです。国内、国際問わずに、1社の電話会社が取り扱っているので、シンプルですが、不満は、それなりにあります。

携帯電話
上の不満を解消するかのように大ブームを巻き起こしているのが携帯電話です。
街中でも、呼出しをベートーヴェン「運命」に設定して周りの笑いをかう人もいますし、ポケベルのような使い方をしている人もいるようです。
さて、モロッコの携帯電話、世界標準のGSMを使用しているのですが、日本でごく一般に出まわっている携帯電話の約2倍もの大きさで、大抵、前払い方式で使用します。例えば、通常通話(朝の9時から夜の8時まで)なら1時間通話可能なのが300DHです。つまり1分の通話が5DHもするので、決して便利と両手を挙げて喜べる値段でもありません。ちなみに、最小通話単位で、計算すると通常通話なら150回通話ができます。(それでも、1回2DH。。)

携帯電話はモロッコの電話会社とスペイン・ポルトガルの合弁会社の2社がありますが、今年2月の時点でモロッコの会社が1600DHほどで、スタート、その後3月末に合弁会社が700DHで、この5月には、モロッコの会社も負けずと期間限定で600DHの携帯を売り出しました。この値段は、どれも、本体代、加入料、約30分の先払い通話料を含む値段です。

=辛口サラのママの独断=
モロッコで家庭でインターネットができるのは、約0.1%と言われています。しかし、不透明な電話代、割高の携帯電話を使ってのインターネットは、とてもとても、高いお遊びになります。インターネットカフェだと、1時間7DH、回数券なんかを買うと6DHまで下がります。IT革命と言われる波に乗るのには、家庭より、カフェが中心かもしれません。ちなみに、モロッコへパソコン持参で来られる方は、LANカードを使用することをお薦めします。(私も欲しい!!)




【モロッコweeklyトピック】

6月末の話ですが、モハメッド6世国王がハスナ王女と一緒にアメリカを訪問、クリントン大統領夫妻との晩餐会では、ハスナ王女とヒラリー・クリントンがお揃いの色で、モロッコの民族衣装ツクシータを着られて、大変きれいでした。

7月2日
ヨーロッパサッカー選手権決勝は、フランス対イタリアで、前半0−0、後半1−0でイタリアリードでロスタイムを1分のところで、フランスがまさかのゴールで同点。延長戦でおせおせムードのままフランスが逆転2−1で、フランスが逆転で優勝を飾りました。試合後、奇跡だとインタビューに答えられたフランスの監督は、逆転の瞬間、目をまんまるに見開いたまま、固まっておられました。

7月3日
モロッコ全土で、発電所のテクニカル問題ということで、午後3時ごろ停電がありました。

7月5日
モハメッド6世国王がアラブ首長国連邦と会談が行われました。

7月6日
スイス・チューリッヒで行われていたFIFAの会議で、2006年のワールドカップ開催国がドイツに決まり、モロッコ開催、初のアフリカ開催はなりませんでした。尚、モロッコでは、朝からこの決定のお昼の12時まで、関係者の討論が実況中継で放送、ドイツ開催が決まると、モロッコの関係者は残念そうにまだ討論をしていました。


【イベント情報の報告】

7月1日(土)
ファンタジアがラバト郊外で行われます。約7つのチームが参加、馬でいうと200頭近くが集まる予定です。ラバト市内からは、ハッサン2世通りからバス41番で、TEMARA方面へむけて乗ってください。サッカー球技場を超えて5分ほど行くと、道が左曲がりに線路を高架で、超えます。超えてすぐ、左手の空き地で開催されてます。時間は、午後4時ごろから夜、日の入りまで。当然ですが、観戦は無料です。

場所の変更があったらしくて、上の場所から徒歩5分ほどのスラム(と表現していいのか迷うのですがトタン屋根の掘建て小屋が並ぶところです)の脇で行われました。結婚を祝ってのファンタジアだったそうで、この結婚式では、30頭もの羊が台所をにぎわしたそうです。(当然、お料理して食べたという意味です。。。)


【モロッコ語】

本日の特集にあったブタンガス、こちらでは、ブタっと言います。日本で言う豚と全く同じ発音で、笑えるのですが。。。。ボンベを抱えてお店に行って、

”アッティニ ブタ”(ブタンガス ください)

っというわけです。
本日は、役に立ちそうもないモロッコ語ですが、皆さん、もう、覚えてしまったでしょ?!


【モロッコの広告、CM】

モロッコクリーンキャンペーンがまだまだ続いているようで、公共広告第2弾。

家族で海に遊びに来たのに海には空き缶やごみが散乱。そこで、家族が海を掃除、まわりの人も掃除に参加、みるみるうちに、海や浜辺がきれいになりました。という単純なアニメ。
バックミュージックもアラビア語のリズミカルなもの。

ただ、モロッコ人、海でそれほど飲食をしないせいか、あるいは、誰かが毎朝清掃しているせいか、浜辺はきれいです。


【お天気】
6日の朝の予想天気は、モロッコ全般に曇り後晴れ、エラシディアでは朝の気温が13℃ワルザザードの日中の気温は38℃の予想です。

【予告】
次回は、モロッコの香辛野菜についてお伝えします。


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