日本の税

海外居住者の便利帖 → 日本の税

 このページでは日本の税にまつわる情報を紹介します。ただし、これらは随時変化することもありますので、鵜呑みにしないでください。


税務の参考

All About Japan 非居住者と海外の税金

 日本国内の情報が主体ながら海外在住者にもかなり役に立つ All About Japan ですが、税務のコーナーには「非居住者と海外の税金」というリンク集が設けられています。一部リンクが切れているところもあるようですが…。「ファイナンス・投資」から「暮らしの税金」に入るとその中にあります。


国税庁タックスアンサー

http://www.taxanser.nta.go.jp

 日本の国税庁が設けている税に関するWEBサイトがあります。それが「国税庁タックスアンサー」です。ここは別に海外居住者を意識して作られているわけではありませんが、一通りの情報を調べることは可能ですし、検索機能も付いています。

 また一部の申告用紙をダウンロードすることもできます。ざっと見てみましたが、残念ながら個人が確定申告に用いるための様式はありませんでした。海外にお住まいの方に関係があると思われるのは、「所得税(消費税)の納税管理人の届出書」(http://www.taxanser.nta.go.jp/report/1006.pdf)でしょうか。これは、例えば株を処分して申告課税を選択した場合などにも、国内に代理人を立てて申告を行う時に使えるものだと思います。


書籍「Q&A 外国人の税務」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4793110622/interq-22

 日本人の海外居住者向けにかかれた本は調べてみたのですが、どうもほとんど見受けられません。所得税に関する本などを見てみると、多少「居住者非居住者」というところで説明がある程度です。この本は基本的には外国人に関するものですが、他の国との租税条約の話なども出ており、数少ない情報源になっていると思います。


居住者と非居住者

 まず税のことを考えるうえで重要なのは居住者と非居住者です。居住者の中には長期滞在をする外国人なども含まれますが、このあたりの定義を書こうとすると、所得税の本を買ってきて丸写しをしなくてはなりませんので省略し、話を単純にして書きたいと思います。

 居住者は1年以上日本に住んでいる人、非居住者は1年以上海外に住んでいる人、あるいはこれから住むことが確実な人が該当します。ただし例外があり、海外にいても、公務員(国家・地方の双方)、船舶や航空機の乗組員、居住者に扶養されている留学生など、そして日本国内に家計を一つにする家族が住んでいる人などは、居住者扱いとなります。


固定資産税

 海外居住者の方でも支払いの義務があります。支払方法はこちら、横浜市のサイトを参考にしてください。

http://www.city.yokohama.jp/me/keizai/k_funin/sizei.html


所得税

 居住者にかかる所得税ですが、国の内外どこで得た収入も課税対象になります。ただし、海外出張や引越しに伴う諸手当、海外で受け取る在勤手当などは非課税です。国家公務員の方などは、国内で給与7割支給、海外では在勤手当支給、などというケースが多いと思います。この場合、公務員は居住者扱いですから、国内の給与などが課税対象、海外で受け取る在勤手当は非課税です。

 非居住者の場合、日本国内に源泉がある所得が対象となります。これには国内で働いたことに対する給与、国内での有価証券などの売買に伴う利益などが該当します。日本で受けとっているか否かではありません。したがって、年の途中から非居住者になる場合、あるいはその逆の場合で、その年に日本と海外と両方で働いた人に払われる給与や賞与などの所得は、その日数で比例配分して国内で得たと認定される分に関してが、所得税の対象となる所得です。これも日本の銀行に振りこまれるのか、海外の銀行に振り込まれるのかは関係がありません。非居住者に対する国内に源泉がある所得に対する課税の率は、給与も賞与も20%です。また帰国後に、海外滞在中の分まで含めて賞与を受け取っても、居住者扱いでの(つまり全額に対して)課税となります(法的にこうなっているのか面倒くさいから一般的にこうしているのかは知りません)。

 ただし非居住者にも例外があり、日本の会社の役員に関しては、海外に駐在して非居住者の要件を満たしていても、日本の会社から給与を得ている分は、すべてが課税対象になります。これに関しては他社の役員兼務の場合など、細かい規定もあるようですが省略します。また日本国内に事務所などを持っている場合だと、やはり非居住者の例外規定があるようですが、詳細は調べていません。

 では上記で課税対象とならない部分、非居住者の日本に源泉がない所得はどこで課税されるかといいますと、居住している国です。所得税がない国、あるいは外交官など、税の支払いが免除されている身分でない限り、居住する国の法律の適用を受けて課税がされます。この場合、海外で働いた分に対して日本で受け取った給与、賞与があれば、それも課税対象になるはずです。

 各国の法律の違いにより、また居住非居住の判定の違いなどによって、課税をまぬがれたり、あるいは二重に課税されたりする場合も生じます。例えば出張が長引いた場合など(おおむね半年を超える場合など)、日本からは出張時の所得は居住者として課税され、滞在国からも所得として課税されるということが多いそうです。二重に課税された場合は、二重課税はしないのが原則ですから、状況に応じてどちらかの国で手続きを取り、その分を課税額から減額してもらうのが正規の手続きになります。出張の場合などであれば日本で確定申告を行う時に、海外での課税を申告します。ただ逆に、海外、特に途上国などで二重課税分の還付を申請した場合、取り戻すことが困難であるばかりか、他の所得にまで課税された例があるようです。

 所得税の納付方法ですが、会社からの収入の場合、会社が源泉徴収をして支払います。会社などに所属しない方は、課税所得がある場合には確定申告をしなくてはいけません。また会社に所属する場合でも、他に収入がある、あるいは何らかの還付を受けたい場合には、やはり確定申告が必要です。確定申告の方法は、申告用紙を日本から取り寄せて税務署に郵送するか、日本国内に納税管理人をお願いして、代理申告を行うこともできます。

 また1年の途中で(確定申告の時期以降に)出国して非居住者となる場合には、出国までのその年1月1日からの所得を、税務署に申告しておく必要があるそうです。

 横浜市のサイトを参考にしてください。

http://www.city.yokohama.jp/me/keizai/k_funin/sizei.html


住民税

 会社に勤務されている方は、会社を通して住民税に関しても天引きで徴収されていますので、社員が非居住者となる場合には、会社の方と各自治体がやり取りを行うのが原則です。住民税は会社が社員の居住する各自治体に対して送付する源泉徴収票に基づいて課税が決まりますから、会社が非居住者の分を送付しなければ課税は行われません。

 もし住民票が入れたままになっていると自治体から問合せや、納付の勧告がが来ることも考えられますが、会社の方から海外駐在中であることが示されれば、課税対象にはなりません。

 勤め先がない場合は、住民票の有無が目安となって課税対象者のチェックが行われるようですが、法的には「住民票がある=課税」というわけでもないようです。

 1月1日現在居住していて、前年に課税対象となる収入があった人が課税を受けます。いずれにしろ勤め先がない場合は、住民票を抜いておいた方が住民税の課税を防ぐためには確実だと思います。もっとも1年以内の海外滞在の場合は居住者扱いになりますので、抜いても同じことです。

 誰であれ自治体内に居住している場合は、基本的には、前年度の課税所得に対して住民税が課税されます。

 住民税は二重構造になっており、所得割と均等割りがあります。所得割りは所得に応じて額が変わるものです。均等割りは所得にかかわらず均一の額を支払うものですが、所得が一定額以下であれば免除になるものです。本人が非居住者であっても、家族が日本にいる場合などに、均等割り分の住民税が課税されるケースもあります。

 以上所得税・住民税に関しての疑問は、会社に勤められている方は、会社の担当者に詳細を確認してください。勤め先がない方は、出国前、あるいは帰国後に自治体の窓口で自分のケースがどうなるか確認された方が良いでしょう。

 横浜市のサイトが詳しいですから、参照してください。

http://www.city.yokohama.jp/me/keizai/k_funin/sizei.html


利子課税

 基本的に日本の場合は「日本人であるかどうか」はあまり関係がありません。アメリカの場合は citizenship を持っていると「どこにいようと」「どこで稼ごうと」税が追ってくるようですが、日本の場合は「どこに住んでどこで稼いでいるか」の方が重要なようです。

 海外の銀行に日本人が預金を持っている場合、居住地がどこかによって日本の税務当局からの課税は変わります。日本国内に住んで「居住者扱い」とされる場合は、日本人であれ外国人であれ、海外の銀行で受け取る利子に対して、国内と同様の20%が課税されます。日本国内の預金と異なるのは、自動的に税が差し引かれませんから、申告義務が生じることです。逆に日本国内に住んでいない「非居住者」の場合は、海外の預金に対して日本の税務当局からの課税はありません。公務員の場合は、外国に住んでいようとも「居住者」扱いになりますから注意が必要ですが、実際には海外に住んでいる公務員が外国で得た利子を申告したという例は聞いたことがありません。基本的には「居住」「非居住」は所得税法で決まっている話なので、このあたりの解釈がどうなっているのかは、筆者にもわかりません。

 一方日本国内で得られる利子に関しては、そのままにしておくと、どこに住んでいようとも20%が課税されます。しかし、「非居住者口座」というものも存在し、これにしますと、課税は15%になります。この口座は多分海外とのやり取りになれない小さな地方銀行や、大手でも支店などだとほとんど知らないかもしれません。東京三菱銀行などだと、海外居住者向けのサービスを選択すれば、自動的にこの口座に切り替えてくれます。ただし東京三菱のこの口座は大丈夫ですが、海外の企業などが開いている非居住者専用口座だと、国内の銀行にあるにもかかわらず、送金する時に手続き的に海外扱いとなり、国内送金手数料ではなく、海外送金手数料がかかる場合があります。このあたりがわかりにくいですし、やはり地方銀行だとそれを知らずに、国内送金手数料だけで送金してくれた、なんていう例もあるようです。

株式売買課税

株式の売買に関する課税はこちらを参照してください。