
― コラム・2 ―
無駄なプリントを出さないようにするには |
まずDP専門店やカメラ店に出すようにする。これは、コンビニやカメラ・写真以外の小売店では、
受付時にこちらの意図が明確に伝わらない事が多い為である。
ネガティブフィルム(ネガ)の場合は、先ず現像のみで出し、出来上がったフィルムをライト
ボックス上で濃度不良を省き、ルーペで見ながらピント不良、ブレを省いていき、最後に構図
の悪いもの、邪魔な映り込みのあるものを省いて、残りをサービス判でプリントし、出来上がっ
たプリントに不満があれば、そのプリントを見本として明確な変更の指示を出し、再度プリント
を依頼する。
プリントが満足行くものであれば、そのプリントを濃度・色調(或いはトリミング)
見本として、本番プリントを頼む。原則的にサービス判を頼んだ店で本番プリントを頼む。逆に
いうと、サービス判のプリントが良くなければ、サービス判の注文から別の現像所(DP店)に
頼む方が良い。ただ、現在はサービス判と大伸ばしが別の現像所であることが多いので、あ
まり意味は無くなっている。
ここで注意したいのは、フィルムやプリントの色調・階調(コントラスト)・濃度・彩度・解像度等
は、撮影時のフィルター・レンズ・光線状態・大気状態・色温度・温度・湿度・フィルムの種類・
フィルムの乳剤の状態・撮影後の保管状態、現像時の液の状態・液温・ペーパーの乳剤の
状態、ペーパーの種類、プリンターのフィルターの色調や補正値等で多種多様だという事であ
る。見本付でプリントした写真が見本とどうしても違うという原因も、オペレーターや受付との
コミュニケーション不足やミスもあるが、上記の事が多大に関係している。
よく出来上がった写真を見てイメージと違うといって怒鳴り込む客がいるが、イメージしている
もんは分かりっこないので、相手が納得するような注文の仕方をするのが大事である。
撮影時の露出オーバー・アンダーや、意図しない蛍光灯やタングステン等の色カブリは、プリ
ント作業ではどんなに頑張っても良い結果は望めないので、失敗をいさぎよく認め、次回に
良い撮影結果を得る為の糧とすべきである。
もう一つ、プリント作業するオペレーターは、別に写真をよく撮っていて好きで作業しているわ
けではなく(中にはそのような人間もいるが)、写真に関しては全くの素人という人間がほと
んどなので、その点注意が必要である。
美しい写真を望むなら、自分で暗室を作って現像・プリント作業を気が済むまで行うか、プリ
ント料金は高くなるがプロラボと呼ばれる熟練した作業者が揃っている現像所に依頼すると
良い。(筆者はプロラボにもいたが、それ程すごいというわけでもない)
プリント注文の際に見本を添付する時には、明るさや濃度を明確に指示しておかないと思い<
通りのプリントは得られない。(明確に指示してあっても前記のことから、完全には思い通り
にはならない)
プリントの指示は具体的に例えば、見本より明るくや濃くとか赤く、青くとか人物の顔が飛ば
ない様に(明るすぎない様に)等で、数字で、例えば10%明るくと言ってもそのプリンター
の濃度キーやカラーキーの設定が1段につき何%明るさや色が変化するか決められている
ので(物理的に出来ても1人の客の為に複雑な調整はあえてしないし、オペレーターの技術
不足で出来ない場合が多い)出来ない(適当に補正される)事が多いし、明るさ+というと、
出す人は明るくするという意味かも知れないが、プリンターの補正は+で濃く、―で明るく(又
はABCDとアルファベットで表す場合もある)なるので、誤解を招く事になる。
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