『属国・日本論』 (商品14)

副島隆彦著 1997年5月 刊
★本文(P.13)より抜粋  

 日本はアメリカの属国ではないか。「日米対等」などというのは虚妄ではないか。私は、このいささかどぎつく、きっと大方の良識ある人々からムッとされ毛嫌いされるであろう視点から本稿を書かせていただく。  
  内心、日本人の多くはすでに勘づいているのである。日本がアメリカと「対等」であり、「イークオル・パートナー」であり、「太平洋の架け橋」「世界で最も重要な2国間関係」であるなど、いくら喧伝されおだてられても、もはや信じられない。「日米対等」は、両国の外交政策担当官僚たちが意図的に作り上げ見せかけて来た虚構である。   
  日本の歴代首相は、世界覇権国アメリカの首都に「参勤交代」を行い、属国の首長としての承認書をもらいに行くのである。両国首脳がさも対等そうに「共同声明」を読み上げるのは最後の儀式としてであって、実際の、経済協議、安全保障(=軍事防衛)協議の場では、日本の官僚たちは、アメリカの官僚たちから「言うことを聞け。要求を呑め」と頭ごなしに責められまくっている。それが、日本とアメリカの関係の真実の姿である。戦後50年間ずっとそのようにやってきた。

 

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