『逆襲する日本経済ーならず者大国・アメリカへの”挑戦状”』 (商品番号24)

副島隆彦著 1999年7月 刊

★本文(P.115)より抜粋

 日本は、アメリカに対してエコノミック・デターラント(経済抑止力)を持っている。いまでも、いざとなったら米国債を売却して、日本の資金を日本に戻せばよい。これは、アメリカから見たら脅威である。
 やられたら、やり返す。攻撃してきた相手には必ず反撃するという、この構えを、英語で「デターラント」(deterrent)という。たとえば、軍事上は、経済抑止力(the nuclear deterrent)という、恐怖の均衡が、米ソ対決の世界冷戦時代が終わってもなお世界の均衡を生み出している。このように抑止力は、もともと軍事用語である。  
  日本には核はないが、経済力がある。経済抑止力がある。アメリカに流出した日本のお金を100兆円でも取り戻せば、アメリカの景気はすぐにでも崩れ出すだろう。そのお金が日本に戻らないように、アメリカとしては、この4%金利差を維持するのである。たとえ、日本政府を殴りつけてでも。

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