『アメリカの大嘘』 (商品番号 25)
副島隆彦著 1999年12月 刊
★本文(P.105)より抜粋
ニクソン・ドル・ショック(71年8月)の時以来、米ドルは金との兌換を停止している。
実はこの時、そもそも「金ドル兌換体制」であったIMF体制は一度崩壊しているのである。ところがアメリカのドル体制は、生き延びて今日までやって来た。ドル・ショックの翌年の72年に、この国際通貨体制の崩壊に危機を抱いたデイヴィット・ロックフェラー氏が、「米欧日三極会議」(Trilateral
Commission)を作り、G5(先進5ヶ国中央銀行総裁会議)を作ることで、修正IMF体制は今日までなんとか生き延びた。南米諸国では、実質、米ドル紙幣が法貨として流通している。だから今の国際通貨体制は、正しくは「ドル紙幣体制」と呼ぶべきだ。
アルゼンチン政府は、ついに馬鹿らしくなって、「アルゼンチンの通貨は米ドル紙幣である」と宣言してしまった。自国の弱小通貨をさんざん投資家のオモチャにされつづけたので、放り投げたのだ。
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