(00/10/01)

祭りの後の静けさ

9月22日に始まった、シドニー五輪の陸上競技も今日の男子マラソンをもって終了した。

自分にとっては、常に「応援する」イベントであって、多少縁やゆかりのある選手が出場していたこの10年間は、より親近感を持って衛星中継を見ていたものだった。
だが、全国インターハイや日本インカレのような、目標として設定していた大会とはかけ離れた位置にあるこの大会。
日本陸上陣営では、当初期待も込めて吹聴されていた結果をきちんと残した、偉大なる高橋尚子選手や、アフリカ勢を食い千切って見事予想以上の入賞を果たした高岡寿成選手以外は、アクシデントや残念ながらコンディショニングが上手くいかなかった等の理由で十分に満足出来る結果は残せなかったと思う。
残念なことは残念な記憶のまま、次の世代に引き継いでいければ良いと思う。
4x100mRの決勝のあと、同級生で神戸市の鵯台中学と、自分と同じ地区出身の伊東浩司選手がリレーメンバー4人を代表してこう語っていたことが印象的だった。
今回はメダルを狙って6位だった。今回の結果が、次の世代か、また次の世代がメダルを取ることに繋がっていって欲しい
ハムストを肉離れしていても、アンカーの朝原選手へバトンを渡した末続選手が重なり、不覚にも涙を流したこのリレー決勝で、伊東選手が今回の五輪を総括するようなコメントをしたことで、逆に改めて「もう自分と同じ世代の選手がトップのアスリートとしてこの舞台に戻ってくることは無い」感覚を得てしまった。
祭りは終わってしまったのだ。次の祭りは4年後。早生まれ70年の人間である自分や伊東選手にしても、その時にはどうなっているのだろう?
さみしくもあり、何か、嬉しくもある。不思議な気持ちだ。