1998/12/28
(Wackyの言いたい放題)
「箱根駅伝」の取り扱いについて
 

今から書くことは、関東以外の出身者としての「ひがみ」かも知れません。しかし普段からど−しても納得できない事なので、世界にほんの少しだけいらっしゃるこのページを覗いていただいた皆さんに向けて「小さな」声をあげたいと思います。



年末が近づくと、TVで駅伝番組のCMをよく放送するようになります。ざっと大会名を挙げたところ、主要なものだけでも以下の通り。まさに「密集」状態にあるわけです。

1.全国規模の大会

[年内]
2.地区規模の大会

まぁここまで書けば、Wacky君が何を言いたいか推測出来ようものですが、あえて先に進みます。
結論を先に書けば、こうです。
 
「駅伝の大学日本一は、伊勢路で決定済み。マスコミも学生も関東学連ローカル大会に血眼になるな!」
 
私は関西の大学で陸上をやっていました。長距離を専門にした訳ではないので、駅伝メンバーには1回生時から名前を連ねましたが、関西学生駅伝大会で正選手として走ったのは4回生時の一度だけです。しかし、駅伝メンバー全員にとっての目標は、関西の代表として全日本大学駅伝(in伊勢路)に参加し、上位に食い込みたい!ということでした。
確か関西からは上位4校だけが全日本に参加できた、と記憶しています。私の在学時には、母校の駅伝チームは1回生時と4回生時の7位が最高で、結局全日本への挑戦権は得られなかったのでした。
このように、中長距離陣は殆ど全員が一丸となって全国レベルの舞台を渇望していたのです。しかし、私が大学を卒業した頃から、関東の学生長距離に変化の兆しが出てきた気がします。
「古豪」と言われる大学の出身者にはたいがい経験があると思いますが、伝統を引きずった【「対校戦」こそが重要なのだ、それに勝つためにこの部は創立されたのだ】、OB会からはこう言われ続けていました。
私は、なまじ4回生時に主務(※)を務めたために余計そのプレッシャーがかかりました。
(※)
主務大学陸上部の役職の一つ。会社組織では総務・広報的機能のトップを意味する。
しかし、実際の仕事は地味かつ煩雑で、大所帯の大学では競技・学業への影響が出る場合もある
(かも?)
例えば、私の在籍した大学では関西インカレは重要視されていたが、よりレベルの高い西日本インカレは、時期的に対校戦と重なるため、殆ど参加者が無かった。
(持ち回り開催なので遠隔地の場合、参加が困難なのは分かるが、認知すらされていない?と思える程)

さて、先に述べた「変化」とは、関東の長距離選手が伝統の対校戦を捨て、箱根に入れ込み始めたんじゃないか?ということです。
私がOBとなって最初かその次あたりの、さる関東の大学との対校戦で、相手方の長距離陣が5000mにエントリーして来ず、種目が中止になり紛糾したことがありました。
自分が4回生だった時には、「箱根の予選会に備えるため」という理由で本来補欠かそれ以下の選手だけのエントリーで、1500mと5000mは母校の1〜3位独占に終わった経験があったのでそれ程驚きはしませんでしたが、

「とうとう、そんな状態になったか!」
と感慨頻りでした。
最近は、新聞や雑誌の記事を見てもこんな調子ですよね。
「Y学院大学は、箱根の前哨戦である出雲で・・・」
「古豪K場大学は、出雲と伊勢路の快走をバネに、箱根本番に向けて準備・・・」
違うんだったら!
そのメンタリティーは、OBに洗脳されて、「西日本ICより×大戦の方が大事」って言っているのと同じなんだ!
マスコミは「金」「視聴率」になればいいから利用するだけだし
高校生は、まだきちんとした判断が出来ないから、周囲で騒がれていたり名前を良く聞くものがいい!と思い込んでしまう。
箱根が全国ネットで放映されるようになったのは、それ程古くないと思います。記憶によれば、せいぜいこの10年位だと思う。この結果、この10年でどういうことが起こったか!?
かつて全日本大学駅伝で「古豪」「○×の雄」と言われた関東以外の有力大学が次々と弱体化してきたのです。
九州の雄、福岡大学然り
関西では、大阪体育大学や大阪経済大学が
東海では、中京大学が・・・

この10年で東京・神奈川・千葉の高校駅伝(男子)のレベルは相対的にすさまじい落ち方をしているのに、大学の長距離選手は逆に関東一局集中状態。しかも皆がマスコミの群がる箱根を向いている。
恐ろしい。本当にこんなことでいいのか?
アジア大会で内富選手が「広島から世界へ」とメッセージを打ち出していたが、そういう気概を持った選手をマスコミが潰してしまっている気がして仕様が無い。