(99/05/15)

NHK World Report を見ました?

この頁も、4月から仕事上の都合で全然更新出来ていませんでしたが、そんな中 確か4月後半のこと。
 

深夜のNHK・BS放送を見ていたら、「 World Report 」という番組でイギリスBBCの番組をやっていました。丁度チャンネルを合わせた瞬間は、アメリカの女子短距離選手/ゲイル・ディバースが登場していたので、
すわ、陸上番組か!?
と早とちりして見入ってしまいましたが、番組の主題は最近組織の腐敗が問題となっているIOCと、チャンピオンスポーツ界のドーピング問題でした。
今日は、その感想を少し・・・



番組の主張を簡潔にまとめれば「IOCが商業主義に過度に傾いた結果、選手にも同様の傾向が顕われドーピングの蔓延に行き着いている」ということです。(単純化し過ぎてはいますが・・・)

この問題に真正面から取り組んでいる番組編成姿勢と同様に、番組中に登場する世界中のトップアスリートの顔ぶれにも驚かされ、感心しました。番組の前半を見逃したのですが、私が見た限りで「G・ディバース(アメリカ)、D・ベイリー(カナダ)、B・ジョンソン(カナダ)、B・レイノルズ(アメリカ)」が出演していました。中でもB・ジョンソンは自らがソウル五輪で「クロ判定」を受けた経緯と、その後、現在に至るまでIOCが取ってきているチェック体制・姿勢について熱弁をふるっていました。当然、選手側のみでなくIOC委員側の主張もありましたが、日本のマスコミ報道でまともなドーピング問題番組と巡り合ったことがない私は深い感動を覚えました。

歴史を重ねつつあるこの問題に、1番組が答えを用意できる訳はありませんが、マシンではなく「人間」である選手の生命と、記録・偉業との間に常識的な秤を設置することは誰もが願い続けることではないでしょうか?
しかし、自分自身が記録を・結果を追い求めていた時に「クスリ」の誘惑を受けていたら果たしてどうだっただろうか?という問いに はっきりと NO を言えた自信は無いです。
目の前に、自分が目標としている戦いがある − 結果を得るために、全知全霊を掛けて自分に磨きをかけている時に、その手段に対する善悪があるとは、きっと思えないだろうな。

選手やIOC委員以外のインタビューで一番驚いたのは、さるアメリカのトレーナーが実名で以下のコメントを残していることです。
「ドーピングは合理的な競技力向上の手段であって、薬品が体外に排出されるまでに必要な時間についても、継続的に調査すればほぼ完全に個体差を把握することが可能だ。検査に引っかかる選手・コーチは勉強が足りないだけであって、ドーピング検査は選手の側からも十分にコントロール可能な分野なのだ。」
ここまで来ると、ちょっと感動します。
なんとまぁ、合理的な・・・

皆さんは、この問題についてどう思いますか?
補助栄養食の類が簡単に手に入る昨今。これもとてもレベルの低い「ドーピング」ですよね。

どこから、どこまでが「ドーピング」と分類されるもので
どこから、どこまでが「罰するに値する」ドーピングなのか う−ん・・・