'99世界陸上特集

SEVILLA '99
-THE IAAF WORLD CHAMPIONSHIPS IN ATHLETICS-

大会結果関連ニュース



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1.結果速報・関連ニュース 
2.今日の出場選手群像 


【 結果速報 ・ 関連ニュース 】

男子3000m障害はケニア勢の圧勝。1位はクリストファー・コスケイで8分11秒76、2位は前回優勝のウィルソンボイト・キプケテルが8分12秒9で入った。これでケニアは1988年ソウル五輪以来、五輪、世界選手権を通じ同種目8大会連続の金銀独占となった。走り高跳びはビャチェスラフ・ウォロニン(ロシア)が2m37で、初優勝。

男子110m障害は、2次予選に進んだ谷川聡(ミズノ)が13秒58と健闘したが1組6着に終わり、準決勝進出を逃した。桜井健一(ミキハウス)は14秒01で1次予選落ち。
400m2次予選の小坂田淳(大阪ガス)は45秒71で1組5着、簡優好(富士通)も46秒37で4組8着となり、いずれも準決勝進出を逃した。

女子走り幅跳びは、第5回大会(1995年)にキューバの所属で銀メダルを獲得していたニウルカ・モンタルボ(スペイン)が7m06で初優勝を果たした。史上初の4冠を目指し、100mに続いて優勝を狙ったマリオン・ジョーンズ(米)は6m83で3位に終わった。
女子円盤投げはフランカ・ディーチェ(ドイツ)が68m14でともに初優勝。

日本から3選手の出場が予定されていた女子10000m予選は一発決勝となったため、行われなかった。

【 今日の出場選手群像 】

女子走幅跳=ニウルカ・モンタルボ選手(スペイン)


◇逆転の大ジャンプを見せたモンタルボ◇
世界を全部味方につけてしまったような、割れんばかりの歓声を背中に受けて、モンタルボは助走に入った。1メートル70、53キロの細身の体が宙に舞い、7メートルの表示を超えて着地した。場内の興奮が頂点に達した。
7メートル06
彼女は思わず顔を覆った。
4回目に6メートル88を跳び、すでに2位以上が確定していたが、トップはメイの6メートル94。迎えたラストジャンプで、モンタルボは、大声援を全身に受け止めた力強く踏み切りで、見事な逆転優勝を果たした。
キューバ生まれの31歳。96年のアトアンタ五輪はキューバ代表で出場したが、力を出せずに予選落ちしている。昨年1月にスペイン人と結婚、スペインの市民権を獲得した後は、母国のキューバ陸連からキューバ記録6メートル93を抹消されていた。もう戻ることはできなかった。
メイの優勝を確信していたイタリア陸連は、「モンタルボの最後のジャンプは、足が踏み切り板から出ていたのではないか」と抗議した。確かにビデオで見るとほんの何ミリか足が出ているようにも見える。しかし、抗議は受け入れられなかった。スペイン人の審判と、大観衆がすでに判定を下した後だった。

「最後に素晴らしいジャンプができた。ファウルではなかったと信じている」とモンタルボ。セビリアの暑い夜、彼女はスペインのヒロインとなった。微妙な判定さえも、いつか伝説の一部となる。