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(000130)大阪女子マラソン:シモンがV3、弘山は2秒及ばす2位

(000129)大阪国際女子大会の開会式が大阪・豊中市で開かれる

(000127)女子マラソン五輪金メダリストのベノイトが復帰

(000125)東京国際マラソン/犬伏孝行らが出場−日本陸連発表

(000124)大阪女子マラソン出場へ有森裕子が帰国

(000123)ベルリン五輪陸上三段跳び銀メダリストの藤江正夫氏死去

(000123)千葉マリンマラソン、高橋尚子がハーフマラソンで優勝

(000123)全国都道府県男子駅伝で鹿児島が初優勝

(000120)第49回別府大分毎日マラソン、出場選手が発表される

(000116)都道府県対抗女子駅伝、長崎が初優勝

(000112)東京ハーフマラソン/東京都の財政難から当面休止されることに

(000111)第18回都道府県対抗女子駅伝にマラソンの山口衛里選手らが出場へ

(000110)東京ハーフマラソン、男子総合で高橋健一が日本最高記録で優勝

(000110)朝日駅伝/旭化成が3年連続24回目の優勝

(000106)宮崎ロードで、大南姉妹が1、2位

(000105)千葉3/12名古屋再挑戦

(000104)伊東、朝原が沖縄で本格始動

(000103)箱根駅伝・駒大、悲願の総合初V

(000102)箱根駅伝・往路:駒大が最終区に逆転し往路連覇

(000101)実業団対抗駅伝、富士通が初優勝


- Contents -
 

◆大阪女子マラソン:シモンがV3、弘山は2秒及ばす2位

シドニー五輪代表選考会を兼ねた2000大阪国際女子マラソンは30日、大阪・長居陸上競技場を発着点とするコースで開かれ、リディア・シモン(ルーマニア)が2時間22分54秒の大会新、世界歴代8位の好記録で3連覇を果たした。
日本選手では弘山晴美(資生堂)が競技場直前でシモンに抜かれたが、日本歴代3位、世界歴代9位の2時間22分56秒で2位に入った。ただ、昨年の東京国際女子で山口衛里(天満屋)がマークした優勝タイムには44秒及ばなかった。五輪2大会連続でメダルを獲得している有森裕子(リクルートAC)は9位に終わり、3度目の五輪はほぼ絶望的。1993年世界選手権優勝の浅利純子(ダイハツ)は途中棄権した。
女子の選考会は、日本最高記録保持者の高橋尚子(積水化学)が出場する3月の名古屋国際女子で終了する。
○女子マラソン、五輪代表選考はますます難航か○
弘山が2時間22分台のタイムを出し、五輪で優勝候補の筆頭に挙げられているシモンと激戦の末に2位に入ったことで、シドニー五輪の女子マラソン日本代表の選考は、ますます難しくなった。
日本陸連の桜井孝次・シドニー五輪強化委員長は「シモンら強い選手を相手に弘山さんのレースは素晴らしかった。ただ最後はシモンの地力が上だった」と評価し、代表選考については、「最後の選考レースの名古屋国際を終わらないとコメントできない」と話すにとどまった。
市橋有里(住友VISA)が、世界選手権2位で内定し残る枠は2つ。
昨年11月の東京国際で山口衛里(天満屋)が2時間22分12秒で優勝、大阪国際の弘山は2時間22分56秒で2位だが、競り合った相手が、現在の“世界最強”の呼び声が高いシモンだけに「どちらが上とかは今の段階で言えない」(小掛照二・副会長)という。
残る選考レースの名古屋国際(3月12日)には、日本最高記録保持者の高橋尚子(積水化学)が出場予定。代表は3月に開かれる日本陸連理事会で決まる。
【 結果 】
(1)リディア・シモン(ルーマニア)2時間22分54秒
(2)弘山晴美(資生堂)2時間22分56秒
(3)エスタ・ワンジロ(日立)2時間23分31秒
(4)エルフェネシュ・アレム(エチオピア)2時間24分47秒
(5)小幡佳代子(営団地下鉄)2時間25分14秒
(6)安部友恵(旭化成)2時間28分01秒
(7)下司則子(九電工)2時間29分23秒
(8)ソニア・オベレム(ドイツ)2時間31分03秒
(9)有森裕子(リクルートAC)2時間31分22秒
(10)スーザン・ホブソン(オーストラリア)2時間32分37秒



◆大阪国際女子大会の開会式が大阪・豊中市で開かれる

シドニー五輪代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソンの開会式が29日、大阪府豊中市内のホテルで開かれた。小掛照二・日本陸上競技連盟副会長が「日本陸上界悲願のベルリン五輪以来、64年ぶりの五輪金メダルは女子マラソンの3人に期待がかかる」と激励。外国招待7選手(6カ国)、国内招待8選手が紹介された後、3連覇を狙うリディア・シモン(ルーマニア)が「頑張って大阪を走ります」と日本語で選手宣誓をした。レースは30日午後0時10分から、大阪・長居陸上競技場を発着点に行われる。
代表に内定している1999年世界選手権銀メダルの市橋有里(住友VISA)を除く代表切符は2枚。
昨年11月の東京国際は山口衛里(天満屋)が日本歴代2位の2時間22分12秒で制し、最終選考会となる3月12日の名古屋国際には、2時間21分47秒の日本最高記録を持つ高橋尚子(積水化学)が出場する予定。大阪で五輪出場を確実とするには、山口並みのタイム、順位が求められる。
レースは大会3連覇を狙うリディア・シモン(ルーマニア)に有森裕子(リクルートAC)、浅利純子(ダイハツ)ら日本選手がどう挑み、タイムや順位をアピールするかが焦点。
3大会連続の五輪メダルも期待される33歳の有森は、昨年4月のボストンで自己ベストの2時間26分39秒をマークしたが、秋に腰を痛め、28日に行われた合同記者会見でも「腰は完治していない」と明らかにしている点が気がかりだ。ベテラン選手では昨年12月半ばから1カ月、米国で高地合宿し、「最高の仕上がり」という96年アトランタ五輪17位の浅利の方が有利かもしれない。
しかし、最近の女子マラソンは山口、市橋ら新鋭の台頭が目覚ましく、その意味では昨年の大阪国際で自己ベストで4位に入り、世界選手権も8位と上り調子の小幡佳代子(営団地下鉄)に注目したい。世界選手権一万メートル4位で夫の勉コーチと二人三脚で五輪を目指す弘山晴美(資生堂)、昨年の大阪国際で6位と復調の兆しがある93年世界選手権銅メダルの安部友恵(旭化成)も有力選手。宮崎安澄(積水化学)は今月に足を痛めており、苦しい。
シモンのほか、エスタ・ワンジロ(日立)、エルフェネシュ・アレム(エチオピア)らも力があり、日本選手には強敵だ。


◆女子マラソン五輪金メダリストのベノイトが復帰

1984年ロサンゼルス五輪女子マラソン金メダリストのジョーン・ベノイト・サミュエルソン(42)が、今年開催されるシドニー五輪出場を目指す。AP通信が27日、2月26日にサウスカロライナ州で開かれる米国の五輪代表選考レースに出場することを決意したと報じた。
サミュエルソンは、女子マラソンが初めて採用されたロサンゼルス五輪で、今も五輪記録として残る2時間24分52秒のタイムで優勝を果たした。96年アトランタ五輪の代表選考レースにも出場したが2時間36分54秒で代表入りは果たせなかった。
サミュエルソンは「今年は2000年の節目の年。私もマラソンを走るのは、そろそろ限界。(12歳と10歳の)子供たちが後押ししてくれる」と、復帰の理由を話している。


◆東京国際マラソン/犬伏孝行らが出場−日本陸連発表

日本陸連は25日、東京国際マラソン(2月13日、国立競技場発着)の出場選手を発表した。本大会はシドニー五輪日本男子代表の選考会を兼ねており、すでに3人の出場枠のうち1人はスペイン・セビリアで行われた世界陸上で銅メダルの佐藤信之(旭化成)が内定しているが、残る切符は2枚。日本選手のハイレベルの争いが期待されている。
[国内招待選手]
最も注目されるのは、犬伏孝行(大塚製薬)。昨年9月のベルリンで、2時間06分57秒の日本最高記録をマークした。五輪代表をかけたレースで、どんな走りをするか、真価を問われる大会だ。前回、2時間08分05秒の好記録で2位になった三木弘(旭化成)も、優勝候補の一角。このほか、昨年の世界選手権(スペイン)で7位に入賞した清水康次(NTT西日本)、2時間9分10秒のベスト記録を持つ小島忠幸(旭化成)、一昨年の別府大分毎日を2時間9分11秒で制した清水昭(杵築東芝)らが代表獲得を狙っている。
マラソンの代表選考レースでは最終戦のびわ湖毎日(3月5日)にも有力選手の出場が見込まれるため、各選手とも順位だけでなく、記録も意識したレースをすることになりそうだ。
[外国招待選手]
一昨年優勝のアルベルト・フズダド(スペイン)や、2時間7分台のベスト記録を持つジャフェット・コスゲイ(ケニア)、李鳳柱(韓国)、95年世界選手権3位のルイス・ドスサントス(ブラジル)らが出場する。


◆大阪女子マラソン出場へ有森裕子が帰国

シドニー五輪の代表選手選考会を兼ねた大阪国際女子マラソン(30日)に出場する有森裕子(33=リクルートAC)が24日、活動拠点の米コロラド州から、関西空港着の航空機で帰国した。
大阪国際への出場は当時の日本最高記録(2時間28分01秒)をマークした91年以来9年ぶり。夫のガブリエル・ウィルソンさん(34)とともに帰国した有森は「大阪は初心に戻れるところ。チャンスをつかみたい」と、五輪3大会連続出場に向けて意欲を見せた。


◆ベルリン五輪陸上三段跳び銀メダリストの藤江正夫氏死去

藤江正夫氏(ふじえ・まさお=旧姓原田、1936年ベルリン五輪陸上男子三段跳び銀メダリスト)は、22日午前1時12分、呼吸不全のため横浜市の病院で死去、87歳。葬儀・告別式は24日午前11時から神奈川県葉山町長柄245の自宅で。喪主は長男正克(まさかつ)氏。
ベルリン五輪では金メダルの田島直人氏(故人)に次ぐ15メートル66で2位になった。
私が所属した、大学陸上部の先輩です。長く大学記録を保持されていました。


◆千葉マリンマラソン、高橋尚子がハーフマラソンで優勝

女子マラソンの日本最高記録保持者、高橋尚子(積水化学)が23日、千葉マリンマラソンのハーフマラソンの部に出場、1時間8分55秒の自己新・大会新で優勝した。シドニー五輪代表を狙う高橋は、選考レースとなる3月12日の名古屋国際女子マラソンへの出場を予定しており、同レースへ向け順調な調整ぶりを示した。

◆全国都道府県男子駅伝で鹿児島が初優勝

第5回全国都道府県対抗男子駅伝(23日・広島市平和記念公園発着=7区間48キロ)
5区でトップに立った鹿児島が後半は独走して2時間19分52秒で初優勝を果たした。鹿児島は序盤出遅れたが、3区の永田宏一郎(鹿屋体大)が5人抜きの快走で2位まで順位を上げると、5区の橋ノ口竜一(伊佐農林高)が7チームによる混戦から抜け出して独走態勢を築くと、アンカーの入船敏(京セラ)も区間賞の力走で後続との差を広げて快勝した。
4区でいったんトップに立ち、第1回大会以来2度めの優勝が期待された広島が粘って2位、堅実なタスキリレーを見せた佐賀が健闘の3位。
連覇を狙った兵庫は、有力選手が集まった1区で藤井(西脇工)が世界選手権代表の佐藤(佐久長聖・長野)らを置き去り首位を奪って以降、3区まで首位を走りながら、頼みの高校生が中盤で失速し、無念の5位。
◆第49回別府大分毎日マラソン、出場選手が発表される
国内主要マラソンのトップを切って開催される第49回別府大分毎日マラソン大会の出場選手が20日、大会実行委員会から発表された。
昨年のベルリンマラソンで3位に入ったサムソン・カンディエ(ケニア)ら海外招待選手は5人。国内招待選手は成長株の小林誠治(三菱重工長崎)ら中堅を中心に精鋭9人が出場する。一般参加者を含むエントリー総数は295人で、同時に行われるハーフマラソンにも76人が挑む。
フルマラソンは2月6日正午に大分市営陸上競技場をスタート。別府市別府国際観光港前を折り返して、同競技場に戻る日本陸連公認のシーサイドコースで行われる。
レースの中心的存在になると思われるのが、海外選手で飛び抜けた自己記録を持つアンドレ・エスピノザ(メキシコ)。ボストンで2時間7分19秒を記録したのは6年前だが、地力があるだけに終盤まで先頭争いに加われば怖い存在だ。
躍進著しいケニア勢では、カンディエが出場。世界有数の高速コースといわれるベルリンマラソンで1998年2位、99年3位と安定している。昨年の別大毎日では転倒して5位に終わったが、体調が万全なら優勝候補の一角に挙げられるだろう。同じく99年のベルリンで7位に入ったエドゥアルド・ド・ナシメント(ブラジル)も実力者。ハーフマラソンの持ちタイムは日本最高記録と同じ1時間0分30秒で、前半余裕を持っての後半勝負なら力を発揮しそうだ。

 

◆都道府県対抗女子駅伝、長崎が初優勝

第18回全国都道府県対抗女子駅伝は16日、京都市の西京極陸上競技場を発着とする9区間42.195キロのコースであり、長崎が2時間17分19秒で悲願の初優勝を果たした。長崎は、昨年の世界陸上選手権5000メートル代表の藤永佳子(諫早高)が1区で飛び出し、その後の区間もすべてトップでたすきをリレー。2位の愛知に51秒の大差をつけた。長崎県の1区から9区までトップという快挙は、第15大会の宮城以来。3位には、前回優勝の福岡が入った。
(スタート時、午後零時半の気温9.0度、湿度72%、風なし、曇り)
◇ずば抜けた高校生を持つ利点を、長崎が見事に生かした。
実業団、大学生選手が大半の1区で、藤永が予想通りの快走。トップでつないだ勢いを守りきった。高校生を3人起用するルールでは、その1人が実業団勢以上の走りを見せれば、展開に余裕が生まれる。高校生が多い7区に回った大塚(十八銀行)が区間新で差を広げる。中学生の8区で福岡に詰め寄られたが、最後はアンカーのキャプテン西尾摩耶(九電工)がきっちり実力を発揮して2位以下を突き放し、見事にゴールのテープを切った。
全日本実業団対抗女子駅伝2位の東海銀行から4人を出した愛知は、1、2区での飛び出しに失敗。9区の大南博(東海銀行)が2位に上がったものの、長崎に大差をつけられた。
昨年優勝の福岡は、8区で浜地(元岡中)が長崎を5秒差まで追い上げたが、3位にとどまった。
◆東京ハーフマラソン/東京都の財政難から当面休止されることに
新春の東京の風物詩「東京ハーフマラソン」が、主催者の東京都の財政難から当面休止されることになった。
都が12日、明らかにした。
10日に開かれた今年の大会では、高橋健一選手(富士通)が日本最高記録で初優勝したばかり。都庁の新宿移転を記念して1992年1月、「東京シティハーフマラソン」としてスタートして以来10年目での“リタイヤ”となった。
大会は、都や都体育協会など4者が主催している。うち都が運営費用のうち7割を出しており、今年度の支出額は1億7800万円に上った。しかし、この日行われた2000年度予算の知事査定の中で、石原慎太郎知事の意向を受け、休止を決めた。
都は財政難から来年度以降、各種のイベントを休止、あるいは中止する方向で、ミレニアム(千年紀)イベントも現在、続行するかどうか保留している。
◆第18回都道府県対抗女子駅伝にマラソンの山口衛里選手らが出場へ
第18回全国都道府県対抗女子駅伝(16日、京都・西京極陸上競技場発着、9区間=42.195キロ)の出場予定選手が11日、主催者から発表された。
有力選手では、昨年11月の東京国際女子を世界歴代6位の2時間22分12秒で制し、シドニー五輪代表の有力候補となった山口衛里(天満屋)が岡山県、昨年8月の世界選手権一万メートル5位で同五輪一万メートル代表に内定している高橋千恵美(日本ケミコン)が宮城県、昨年の全国高校駅伝で2年連続で1区を制した藤永佳子(諌早高)が長崎県のメンバーに入った。

 

◆東京ハーフマラソン、男子総合で高橋健一が日本最高記録で優勝

東京ハーフマラソンは10日、東京・臨海副都心のテレコムセンター前を発着点にした21.0975キロのコースで行われた。
男子総合の部で、5キロ付近から独走した高橋健一(富士通)が、1時間00分30秒の日本最高記録をマークして初優勝した。従来の記録は、1996年に大崎栄と早田俊幸が出した1時間0分42秒だった。男子の日本選手の優勝は、9回目の開催で初。2位はゲルト・タイス(南アフリカ)、3位は早田俊幸(ユニクロ)が入った。
女子総合の部は、エレナ・マイアー(南アフリカ)が1時間07分33秒で2年連続3回目の優勝を果たした。2位も2年連続でエスタ・ワンジロ(日立)。日本人選手は、市川良子(JAL・AC)が1時間09分04秒で5位になったのが最高だった。
車いすの部男子は、田中秀夫(山口身障者陸協)が46分13秒で4連覇を達成、同女子は、土田和歌子(東京都)が53分34秒で、初優勝した。
◇高橋健一(たかはし・けんいち)
秋田・花輪高から順大を経て、ダイエーに入社。休部に伴い一昨年、富士通に移籍した。10000mのベストは28分11秒18。
172センチ、55キロ。今月16日に27歳になる。
◇高橋、自分らしさを存分に発揮
常に積極的な走りを心掛けている高橋が、「らしさ」を存分に発揮して、日本最高記録を手にした。
レースが1キロも進まないうちに、ペースが遅いとみて「自分で行こう」と、果敢に飛び出した。途中まで付こうとした選手もすぐに振り切り、5キロ以降は完全な独走態勢で、ゴールまで逃げ切ってしまった。
記録を意識したのは10キロ付近だったという。テルガト(ケニア)が持つ59分17秒の世界最高記録も狙える28分22秒というハイペースで、このポイントを通過。「このまま押して行ってしまえ」と、自分の中の迷いを消し去り、後半のペースダウンを最小限に食い止めた。昨年11月の国際千葉駅伝、今年元日の全日本実業団駅伝でチームの優勝に貢献した勢いは衰えることなく持続している。「力がついている手応えがある」と満足そうに話した。
だが、高橋にとって積極的なレース運びには、苦い思い出も付きまとう。昨年2月の東京国際マラソンでは、いったん独走しながら25キロで失速し、途中棄権をしてしまった。また、トラックで世界選手権出場をめざした昨季は、何度も挑戦した一万メートルの標準記録(28分10秒00)にわずかに届かず、代表からもれた。富士通・木内監督は「10マイル(約16キロ)から30キロまでは日本一強い」と話すが、その裏には、五輪種目に高橋の能力が生かしきれないもどかしさがのぞく。
今季はマラソン挑戦を封印して、シドニー五輪一万メートルの代表獲得に目標を絞っている。「年齢(26歳)的に一番、体が動く今の時期にスピードをつけておきたい」と高橋。心には、2時間5?6分台を出す実力を身につけるまでは、中途半端にマラソンを走りたくないという思いがある。スピードと積極性にかける高橋にとって、この日の好記録は大きな自信になったはずだ。
◇3位に終わった前日本最高記録保持者の早田
高橋に約1分半の大差をつけられて、3位に終わった前日本最高記録保持者の早田は「これで、僕の記録がなくなってしまった」と、がっかりした表情だった。それでも、「スピード練習をやっていないのだから、仕方ない。高橋君とはレースの目的が違っていた」と気を取り直して話した。昨年12月の福岡国際マラソンでは、不本意な7位。3月のびわ湖毎日に出場して、シドニー五輪代表獲得にかける予定だ。
◆朝日駅伝/旭化成が3年連続24回目の優勝
第51回朝日駅伝は10日、福岡市のJR博多駅前から北九州市庁舎横までの7区間、99.6キロのコースで行われた。
前日からの雨もあがり、曇り空、気温10度を超えるコンディションのなか出場24チームで争われ、旭化成が4時間51分49秒で3年連続24回目の優勝を果たした。
旭化成は1区で1分15秒遅れの5位と後れを取ったが、2区で19歳の瀬戸口が区間新記録の快走で首位の本田技研浜松に22秒差まで追い上げ、3区榎木でトップに立った。5区では鐘紡の高岡に6秒差まで迫られたものの、6区で森下が引き離して、以後は独走。結局、区間賞五つと層の厚さを見せつけて、2位鐘紡に1分45秒の差をつけた。本田技研浜松は前半の貯金を生かして3位。九電工は19歳の鬼塚が1区で区間3位と健闘して4位に入った。
(1)旭化成(小島宗、瀬戸口、榎木、佐藤、渡辺、森下、三木)4時間51分49秒
【区間賞】
1区(14・3キロ)ジェームス・ドゥング(本田技研浜松)41分49秒
2区(9・9キロ)瀬戸口賢一郎(旭化成)30分03秒=区間新
3区(11・2キロ)榎木和貴(旭化成)30分30秒
4区(14・8キロ)佐藤信之(旭化成)42分30秒
5区(15・9キロ)高岡寿成(鐘紡)46分55秒
6区(16・8キロ)森下由輝(旭化成)49分58秒
7区(16・7キロ)三木弘(旭化成)47分47秒
◆宮崎ロードで、大南姉妹が1、2位
宮崎女子ロードレースは6日、宮崎シーガイア?県総合運動公園陸上競技場間の公認ハーフマラソンコース(21・0975キロ)で行われ、大南博美(東海銀行)が大会新の1時間9分40秒で初優勝、双子の妹の大南敬美(東海銀行)も2位に入った。シドニー五輪選考で注目される千葉真子(旭化成)は3位、弘山晴美(資生堂)は5位に終わった。
◆千葉3/12名古屋再挑戦
千葉真子(23=旭化成)が5日、3月12日の名古屋国際でマラソンに再挑戦する意向を明らかにした。
千葉は今日6日に行われる第20回宮崎女子ロードレースで、自ら世界最高記録を持つハーフマラソンの部に出場する。レース前日のこの日、記者会見が行われた宮崎市内のホテルで、マラソン再挑戦の意欲を語る一方、関係者も名古屋国際出場を示唆した。
(東京国際5位)
「あけまして、おめでとうございます」
レース前日特有の重苦しい記者会見場の空気を、千葉のハスキーボイスがやわらげた。「明日はなぜかまだ残っている私の大会記録(1時間10分19秒)を破りたいですね」。ショックの色は完全に払しょくされている。
マラソンでの五輪出場を目指し、千葉は昨年11月の東京国際に出場。勝つにはこれしかない、とばかりにスタートから飛び出し15キロ付近まで独走した。結果的には、その後の山口(天満屋)の独走を誘発。実質的な初マラソンは、2時間29分00秒で5位に終わった。
マラソンを断念し、世界陸上では銅メダルも獲得した1万メートルに専念か?
注目の答えは「マラソン再挑戦」で固まった。正式な結論こそ、数日後にチーム首脳と話し合って出す。だが千葉本人の腹は固まっている。「マラソンの感じをつかめたと思うし東京はムダではありませんでした。ダメージもないし、また走ってもう少し上を狙いたいですね」。
最終選考レースとなる名古屋国際に、事実上1枚しか残されていない五輪キップを狙う。
「私を含め多くの人は『一発当たれば』という感じですよね。でも確実に走れば結果を残せるという高橋(尚子)さんのように、本当に力のある人が代表にふさわしいと思うんですが・・」
そんな「提言」も胸に秘めながら再挑戦の舞台に立つ。
◆伊東、朝原が沖縄で本格始動
男子100メートルの新旧アジア記録保持者が4日、沖縄でそろい踏みした。
シドニー五輪で夢のファイナリスト、そして黒人選手以外初の9秒台を目指す伊東浩司(29=富士通、10秒00)と朝原宣治(27=大阪ガス、10秒08)だ。2人は、沖縄県内で行われている日本陸連の一般種目ナショナルチーム強化合宿参加のため3日に沖縄入り、この日から本格始動した。
98年12月に10秒00をマークした伊東だが、昨年は過密日程の影響から冬季練習を満足に行えず、消化不良のシーズンに終わった。腰痛回復の昨秋からはゴルフ場や砂浜、坂道の走り込みや鉄棒、縄跳びなど「はやりの科学トレと逆行した原始的な」(伊東)量を追求した冬季練習を敢行。「食いつぶした財産を鍛えぬくことで取り戻すこと」を当面の目標に掲げた。「苦しいことにも挑戦しないとダメ」の気持ちから、春季サーキットでは400メートルにも再挑戦する意向も表明。「大会が終わったら引退するぐらいの気持ちで競技人生のすべてをなげうつ覚悟」という五輪に臨む。

一方の朝原は、昨年6月中旬に左足首を疲労骨折。7月上旬に手術し、9月下旬に埋め込んだボルトを抜いた。たび重なるケガにも「ケガしたことで練習方法やひらめきなど新しい発見もあった。今年こそは気持ちよく走りたい」とプラス思考で乗り切る。

◆箱根駅伝・駒大、悲願の総合初V
第76回東京箱根間往復大学駅伝競走(関東学生陸上競技連盟主催、読売新聞社など後援)最終日は三日、神奈川県箱根町の芦ノ湖駐車場と東京・大手町の読売新聞社前を結ぶ復路の五区間109・2キロで行われ、往路一位の駒大が復路も制し、通算11時間3分17秒で初の総合優勝に輝いた。
1967年の初参加から連続出場34回目の悲願達成だった。連覇を狙った順大は4分18秒差で二位、三位には中大が食い込んだ。
◆箱根駅伝・往路:駒大が最終区に逆転し往路連覇
第76回東京箱根間往復大学駅伝第1日は2日、東京・大手町をスタートし、箱根・芦ノ湖駐車場にゴールする5区間107.2キロで行われ、駒大が最終5区で先行する順大などを逆転し、2年連続2度目の往路優勝を果たした。
前半は法大が1、2区で区間賞を取って独走。だが、4区で順大、帝京大、駒大が浮上し、終盤に競り合う展開となった。5区の9キロ付近で駒大の松下が帝京大をかわして2位に上がり、10キロ付近で順大、17キロ過ぎで東海大を抜いて首位に立ち、逃げ切った。
2位には2区で11位まで落ちたものの、5区で4人抜きした東海大が入った。前回総合優勝の順大は4区でトップに立ちながらも、5区で失速して5位。優勝候補の一角の山梨学院大は1区で14位と出遅れ、12位だった。最終日の3日は逆コースの109.2キロで争われ、総合優勝が決まる。
◆実業団対抗駅伝、富士通が初優勝
全日本実業団対抗駅伝(1日・群馬県庁発着、7区間86・4キロ)
富士通が4時間12分7秒で初優勝を果たし、旭化成の連覇を3で止めた。富士通は4区のベテラン福島正がトップを奪うと、5区藤本季也が区間最高でリードを広げ、最終7区では藤田敦史が旭化成の追撃をかわし、逃げ切った。
6区で、ヤクルトのダニエル・ジェンガが20人抜き、本田技研浜松のジェームス・ドゥングが18人抜きの快走を見せた。
◇総合成績
<1>富士通(ハンネック、鈴木、三代、福島、藤本、高橋、藤田)4時間12分7秒
<2>旭化成4時間12分45秒<3>NEC4時間15分37秒<4>コニカ4時間16分54秒<5>鐘紡4時間18分18秒<6>本田技研浜松4時間18分18秒<7>本田技研4時間18分20秒<8>佐川急便4時間18分25秒