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川上が名古屋で初マラソン(990226)

世界室内陸上の日本代表男女32人を発表(990225)

日清食品陸上部/監督に白水昭興氏(56)が就任(990223)

3月7日第54回びわ湖毎日大会、招待23選手発表(990223)

青梅マラソン、男子30キロは倉林がV(990222)

千葉国際クロスカントリーでロルーペ(ケニア)が圧勝(990222)

第6回泉州国際市民マラソン(990222)

熊日30キロ 野口が歴代3位のタイムで優勝(990222)

21日に千葉国際クロスカントリー・18カ国62人参加(990220)

有森、五輪選考レースは東京国際(990217)

真木和が故障で欠場・・・泉州国際市民マラソン(990217)

有森、恩師と対面(990216)

東京国際マラソン・優勝は南アのゲルト・タイス(990214)

東京国際マラソン、14日に東京・国立競技場から(990213)

99日本ジュニア室内陸上大阪大会(990212)

別府大分毎日マラソン ハーフマラソンは角田達彦が優勝(990208)

別大毎日マラソン・モレノが初優勝、森下が2位と健闘(990208)

男子マラソンの旭化成・川嶋伸次が乗用車にはねられ負傷(990205)

別府大分毎日マラソン大会出場の外国人選手来日(990203)

 

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- Contents -
 


◆川上が名古屋で初マラソン

日本陸連は25日、名古屋国際女子マラソン(3月14日)の出場選手を発表した。バンコク・アジア大会一万メートル優勝の川上優子(沖電気宮崎)が初マラソンに挑戦するほか、96年名古屋2位の盛山玲世(ユタカ技研)、98年大阪4位の小川ミーナ(日立)らが出場する。

 
 
 


◆世界室内陸上の日本代表男女32人を発表

日本陸上競技連盟は24日、前橋市のグリーンドーム前橋で3月5日から7日まで開催される第7回世界室内陸上選手権に出場する日本代表選手男女32人(=男子17人、女子15人)を発表した。混成種目を除くすべての種目にエントリーした。
[男子]
男子は、昨年のアジア大会で短距離3冠を達成した伊東浩司(富士通)、100メートル前日本記録保持者の朝原宣治(大阪ガス)、走り幅跳びアジア大会優勝の森長正樹(ゴールドウイン)らに注目が集まる。
バンコク・アジア大会百メートルで10秒00の日本新を樹立した伊東浩司(富士通)が六十メートル、二百メートル、千六百メートルリレーの3種目にエントリー。また百メートルの前日本記録保持者の朝原宣治(大阪ガス)が60メートルに出場する。昨年1年間は朝原が故障がちで満足なシーズンを送れなかっただけに、久しぶりの2人の対決も興味深い。四百メートルには、前回のパリ大会で3位に食い込んだ苅部俊二(富士通)をはじめ、小坂田淳(大阪ガス)、簡優好(富士通)らがエントリー。同じ3人が出場予定の千六百メートルリレーと並んでメダルが期待される。
ほかに標準記録を突破しての出場は男子六十メートルの大槻康勝(法大)、同二百メートルの高橋和裕(早大)、高校2年生ながらアジア大会で4位になった男子千五百メートルの佐藤清治(長野・佐久長聖高)ら。
[女子]
女子は、走り高跳びで室内日本記録をもつ今井美希(中京女大TC)、日本記録を連発している女子棒高跳びの小野真澄(CFA)らが期待される。
ほかに標準記録を突破しての出場は、女子六十メートル障害の金沢イボンヌ(佐田建設)ら。

◆日清食品陸上部/監督に白水昭興氏(56)が就任
 
日清食品は22日、昨年6月以降不在だった陸上部監督に白水昭興(しろうず・てるおき)氏(56)が就任したと発表した。白水氏は、リッカー、日産自動車、ダイエーの監督を経て富士通のコーチを務めていた。日産時代の1989年には全日本実業団駅伝の優勝に導いている。渡辺高夫前監督は、仙台育英高の陸上部総監督に転出している。

◆3月7日第54回びわ湖毎日大会、招待23選手発表
 
第54回びわ湖毎日マラソン大会(毎日新聞社、日本陸連、滋賀県、大津市、両教委主催、スポーツニッポン新聞社など後援)は3月7日、世界陸上選手権(8月、スペイン・セビリア)代表の最終選考会を兼ね、大津市・皇子山陸上競技場を発着点に行われる。22日、外国招待8人、国内招待15人の計23人の招待選手が発表された。
[外国招待選手]
外国勢では2年前のびわ湖で2時間8分5秒の大会記録をマークして優勝したM・フィス(スペイン)が3年連続出場。昨年は小島宗幸(旭化成)に敗れて2位に甘んじており、今年は王座奪還を期す。またE・ラガト(ケニア)は1997年ベルリンで2時間7分41秒、98年プラハも2時間8分52秒でともに優勝。A・エスピノサ(メキシコ)、S・ゲッラ(エクアドル)は2年連続出場。97年スペイン選手権覇者のA・ペーニャ(スペイン)は日本のレースは初出場となる。
[国内招待選手]
国内招待選手では、アトランタ五輪マラソン代表の実井謙二郎(日清食品)に注目。2年前の東京マラソンで2時間8分50秒(日本歴代11位)をマークした後は精彩を欠いているが、今月21日の千葉国際クロスカントリーに調整を兼ねて出場するなど、復活に向け意欲十分。昨年の北海道マラソンを制したA・トロッサ(テクモ)、94年毎日国際1位の鈴木賢一(富士通)、昨年の防府マラソン1位の徳永大輔(鐘紡)、98年別大毎日2位の本田竹春(ヤクルト)らも2時間10分を切る可能性がある。一万メートルでのスピードを買われ、ナショナルチームに抜てきされた磯松大輔(コニカ)は途中棄権した昨年12月の福岡国際の雪辱を狙う。今年の箱根駅伝4区で区間記録を更新した藤田敦史(駒大)は初マラソンに挑む。
◇第54回びわ湖毎日マラソン招待選手◇
 
選手名     年齢 所属    自己ベスト
 ○…外国招待選手…○
M・フィス   36 スペイン  2.08.05
E・ラガト   32 ケニア   2.07.41
A・エスピノサ 36 メキシコ  2.07.19
G・ガイドス  32 ポーランド 2.09.45
S・ゲッラ   30 エクアドル 2.09.49
V・ドスサントス29 ブラジル  2.10.15
A・ペーニャ  28 スペイン  2.10.49
L・ヘーズス  30 ポルトガル 2.12.59
 ○…国内招待選手…○
実井謙二郎   30 日清食品  2.08.50
A・トロッサ  21 テクモ   2.10.13
鈴木 賢一   31 富士通   2.10.47
徳永 大輔   33 鐘紡    2.10.56
本田 竹春   31 ヤクルト  2.11.35
黒木  純   27 三菱重工長崎2.12.36
島崎 貴之   29 ヤクルト  2.12.46
田尻 裕一   27 クロサキ  2.13.04
比嘉 正樹   29 資生堂   2.14.08
池田 克美   31 NEC   2.14.23
小林 正明   28 山陽特殊製鋼2.14.24
T・ゲブレ   28 テクモ   2.14.28
磯松 大輔   25 コニカ   2.16.40
川本 幸吉   24 中国電力  1.02.16
藤田 敦史   22 駒大    1.02.45
(川本、藤田の記録はハーフマラソン)

◆青梅マラソン、男子30キロは倉林がV
 
第33回青梅マラソンは21日、東京都青梅市の公認コースで30キロの部に1万1216人、10キロの部に2915人の合計1万4131人が参加して行われ、男子30キロで倉林俊彰(YKK)が1時間31分54秒で優勝した。女子30キロは小尾麻美(リクルート)が1時間45分0秒で優勝。倉林、小尾ともに初優勝。ベテラン浅井えり子(文教大教)は5位だった。高校男子10キロでは優勝の松山孝善、2位の橋本雄太ら埼玉・飯能勢が上位10人中5人と健闘。女子10キロはペトラ・バッシルク(ドイツ)が制した。

◆千葉国際クロスカントリーでロルーペ(ケニア)が圧勝

[レース総括]

世界クロスカントリー選手権代表選考会を兼ねた国際陸連(IAAF)ワールドクロスチャレンジ第6戦、第34回千葉国際クロスカントリー大会が21日、千葉市・昭和の森であり、一般の女子8000メートルで女子マラソンの世界最高記録を持つテグラ・ロルーペ(ケニア)が2位以下に大差をつけて2年ぶり2度目の優勝をした。男子1万2000メートルはジュリアス・キプト(ケニア)が接戦を制し、男女ともケニア勢が勝った。日本勢は、女子8000メートルで高橋千恵美(日本ケミコン)が4位となり、男子1万2000メートルは三代直樹(順大)の7位が最高だった。
ジュニア女子は藤永佳子(長崎・諫早高)が2連覇した。ジュニア男子は山本勝義(岡山・倉敷高)、中学男子は鈴木崇也(千葉・東金中)、中学女子は宮崎絵里(千葉・光ケ丘中)がそれぞれ優勝した。
◎驚異のスタミナ見せつけたロルーペ
マラソンの世界最高記録を持つロルーペがクロスカントリーでも驚異的なスタミナをみせつけた。ロルーペは3週間前の大阪国際女子マラソンで2時間23分46秒の大会新をマークして2位になったばかり。その後、コーチがいるドイツにいったん帰国して、再び来日して今大会に臨んだ。
「マラソンの疲れがまだ残っていたからドイツではずっと休んでいた。」とロルーペは話したが、この日の走りは周囲をあぜんとさせるほどの力強さがあった。1周2000メートルの周回コースは上り坂あり、障害物ありの難コースだが、強いキック力を生かした個性的な走りで、序盤から飛ばした。後半は2位以下を大きく引き離し、マラソン女王ならではの持久力を見せつけた。
昨年のオランダ・ロッテルダムマラソンで2時間20分47秒の世界最高記録をマークして世界の頂点に立った。7年前からドイツ人のワグナーコーチの指導を受けて徐々に頭角を現したが、世界最高を出すまでは好不調の波が激しいとも指摘されていた。しかし、25歳になった現在は安定感が身についた。今後はロッテルダムマラソン(4月18日)に出場し、「自己記録を更新したい」と世界最高の更新を目指している。
母国のケニアとドイツを行き来しながら世界を転戦するハードな競技生活を過ごしているが、レースにかける意欲はまだまだ高まるばかり。おう盛な向上心は、走るスタミナにも通じるものがある。 
◎「クロカン娘」健闘−高橋千恵美
一般女子八千メートルで日本人最高の4位に入った高橋は、今大会では4年連続で日本人最高位となった「クロカン娘」。普段から会社のある宮城・田尻町でクロカン練習を取り入れ、昨年までジュニア時代を含めて8年連続で世界クロスカントリー選手権に出場。今年の代表は3月の福岡大会終了後に発表されるが、9年連続の代表はほぼ確実だ。前回の世界選手権は24位だったが、「もし、選ばれれば10番台を目指したい」と抱負を語った。

◆第6回泉州国際市民マラソン
 
第6回泉州国際市民マラソン(泉州国際市民マラソン実行委員会主催、泉州9市4町共催、読売新聞大阪本社など後援)が、2月21日(日)開催され、内外の招待選手を含む2992人のランナ−が、関西国際空港を見渡す42・195キロのコ−スに挑戦した。

男子は34キロ付近で先頭集団を抜け出したウラジミール・コトフ(ベラルーシ共和国)が2時間20分7秒で優勝した。2―4位は得能正広、田中尚夫、奥川修義の大阪府警勢が占めた。3年ぶりの優勝を狙った中山竹通(大産大陸上部監督)は13位。71歳の山田敬蔵さん(松下徽章)が250回目のフルマラソン完走を果たした。
女子は谷川真理(良品計画)が2時間44分45秒で優勝した。完走者は2369人。
(スタート時の天候は快晴、気温8度、北東の風2・3メートル)


◆熊日30キロ 野口が歴代3位のタイムで優勝 
 
第43回熊日30キロロードレースは21日、熊本市をスタート、同県菊陽町を折り返すコースに74人が出場して行われ、野口憲司(四国電力)が大会歴代3位タイの1時間29分46秒で初優勝した。

25キロを過ぎてもハイペースの展開で、6人が競り合う大混戦。27キロ過ぎに野口と森川貴生(NKK)が抜け出し、残り1キロでスパートした野口が森川を振り切った。また、4位に入った西田隆維(駒沢大)は1時間30分9秒の30キロ学生最高記録をマークした。優勝候補の秋吉慎一(旭化成)は1時間30分44秒で6位。


◆21日に千葉国際クロスカントリー・18カ国62人参加
 
世界クロスカントリー選手権(3月27〜28日・英国)代表選手選考会を兼ねた第34回千葉国際クロスカントリー大会(毎日新聞社など後援)は21日、千葉市緑区土気町の「昭和の森」特設コースで行われる。ケニア、モロッコなど国内外の男女18カ国62人がエントリーし、世界のトップ選手がそろった。
[男子]
男子は、1997年世界選手権三千メートル障害物で優勝したウイルソン・キプケテル・ボイト(ケニア)が実力的に抜け出ている。同種目の元世界記録保持者で、クロスカントリーでも世界トップクラスの実力を誇る。昨年のニューヨークマラソン3位で、2時間8分51秒の自己ベストを持つアンナ・ゼベダイオ・バヨ(タンザニア)がライバルとなりそうだ。
国内では、アトランタ五輪マラソン代表の実井謙二郎(日清食品)、昨年のアジア大会千五百メートル代表の佐藤清治(長野・佐久長聖高)らに期待したい。実井は、3月のびわ湖毎日マラソンに出場を予定しており、仕上がり具合を確認しながらの挑戦となりそうだ。スピードに定評がある入船敏(京セラ)、今年の箱根駅伝制覇の立役者で、別大毎日マラソンで途中棄権に終わった三代直樹(順大)にも期待したい。
[女子]
女子は、2時間20分47秒のマラソン最高記録を持つテグラ・ロルーペ(ケニア)が2年ぶりの優勝を目指す。1月の大阪国際女子マラソンでは優勝したシモン(ルーマニア)に破れただけに意欲が高い。
日本勢では、昨年のアジア大会一万メートル3位の高橋千恵美(日本ケミコン)が最有力選手だろう。その他では、大阪国際女子マラソンで日本人最高の4位と健闘した小幡佳代子(営団地下鉄)、東京国際女子マラソン3位の宮崎安澄(積水化学)らマラソンで実績を残した選手がロルーペにどこまで迫れるか。

大会は、国際陸上競技連盟(IAAF)が公認するクロスカントリー7戦の第6戦に当たり、海外招待選手が出場する男子12キロ、女子8キロをはじめ、男女各4種目が行われる。


◆有森、五輪選考レースは東京国際
 
陸上五輪選考レースは思い出の地・東京で。女子マラソンの有森裕子(32=リクルートAC)が16日、今年11月の東京国際女子マラソンでシドニー五輪出場権を狙う意向を明かした。
有森は同日、5日間の日本滞在を終え再渡米した。出発の成田空港で有森は「(五輪選考レースは)年内のレースにしたい」と語り、1991年(平成3年)の世界選手権で世界デビューした東京でのマラソンに絞ることを示唆した。

◆真木和が故障で欠場・・・泉州国際市民マラソン
21日の99泉州国際市民マラソン(読売新聞大阪本社など後援)に招待選手として出場する予定だった真木和(京都陸協)は、練習で足を痛めたため、16日、欠場することになった。

◆有森、恩師と対面
 
陸上女子マラソンの有森裕子(32=リクルートAC)が、恩師で積水化学陸上部監督の小出義雄氏(59)からゲキを受けた。15日に行われたスポーツ・コンディショニング・セミナー(主催明治乳業)に出席。小出監督も会場を訪れた。「顔を見た感じだと、まだしぼれていないようだ。いまの調子だったら、2時間28?29分ぐらいだろう」と、有森のコンディションを推測した。さらに、現在の教え子の高橋尚子について「今度は2時間18分を出す」と8月の世界選手権(スペイン・セビリア)での世界最高記録樹立を予想。有森にプレッシャーをかけた。

恩師との再会を楽しんだ有森は、トークショーでは「楽しく食事をすることが大切。1人で食べても栄養にならない」と話し、夫のガブリエル・ウィルソンさん(33)との近い将来の同居を意識しているようだった。


◆東京国際マラソン・優勝は南アのゲルト・タイス、三木も2時間8分5秒の記録
 
8月の世界選手権(スペイン・セビリア)代表選考会を兼ねた99東京国際マラソンは14日、東京・国立競技場を発着点に大森海岸交番前を折り返す42.195キロのコースに内外の招待選手19人を含む150選手が出場して行われ、昨年のボストン、シカゴでともに3位に入ったゲルト・タイス(27=南アフリカ)が世界歴代2位の2時間6分33秒をマークして優勝した。この記録は国内レースでの最高タイム。
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昨年のびわ湖毎日4位の三木弘(23=旭化成)が、フルマラソン2度目ながら日本歴代4位となる2時間8分5秒で2位に入り、世界選手権代表の座を確実にした。この記録は現役の日本人選手では最高の記録。1997年にこのレースを制した清水康次(29=NTT中国)は、35キロ地点で三木に振り切られたが2時間9分0秒の好記録で3位。ルイス・ドスサントス(ブラジル)は4位だった。

レースは序盤から昨年のシドニーマラソンを制した高橋健一(26=富士通)が5キロ過ぎからハイペースで飛ばす展開。折り返し地点過ぎまでは世界最高ぺースで、中間点で2位集団に1分30秒以上の大差をつけていたが、25キロあたりから右足に異常が出て棄権した。タイスは第2集団で三木、清水らと高橋を追走し、ペースダウンした高橋を31キロ過ぎでかわすと逆にペースを上げて日本人選手を振り切り独走。同僚のチュグワネが97年の福岡国際で出したこれまでの国内最高の2時間7分28秒を大幅に更新した。アトランタ五輪1万メートル代表の花田勝彦(エスビー食品)は中間点すぎで第2集団から脱落した。
(スタート時の気温6.4度、北東の風1.9メートル、湿度28%)
タイス選手のコメント:
「素晴らしいタイム、自己ベストが出せてうれしい。25キロまで(高橋と)2分以上の差がついていたので追いつけるか心配だったが、トップに立ってからは同じペースを保つことを心がけた」。
三木選手のコメント:
「調子が良く、(宗茂)監督にも太鼓判を押されていた。記録が良くうれしい。前のマラソン(98年びわ湖毎日)で清水さんに負けたので、負けないよう頑張った」。
◇筑前高時代は無名のランナーだった◇
2度目のマラソンを心待ちにしていたのは、走る三木本人よりも、むしろ指導する旭化成の宗茂監督だったかもしれない。1か月前、宗監督は三木の走りっぷりを見て、「鳥肌が立つような」興奮を覚えたという。今月7日の別大に備えていた同僚たちと一緒に10キロを走って、軽々と1分近い差をつけた。「こいつは間違いなくいい記録でゴールできる」。長年の経験がそう告げていた。レースは序盤から驚異的なハイペースになった。終盤に長い上り坂があるのに、皆が競って飛ばしていく。三木には酷な展開。前半は力んでしまったという。

35キロ過ぎの上りで、例外なくオーバーペースの反動が来る。それでも、三木は必死に耐えた。歯を食い縛り、み間にしわを刻んで、並んで走る清水をぐんぐん引き離した。40キロまでの過酷な5キロを15分台で走ったのは、優勝したタイスと三木の2人だけだった。
23歳。福岡・筑前高時代はインターハイにも出られない無名のランナーだったが、宗監督はそのバランスの良さに目をつけた。ひざ下がきれいに延びるようにフォームを矯正し、国内トップレベルの旭化成の選手にもまれるうちに、才能は一気に花開いた。

初マラソンの記録を2分近く縮めて、三木は「世界との差は3分半から1分半になった。コツコツとやっていけばいずれは届くと思う」と平然と言ってのけた。監督を本当に興奮させるのは、むしろこれからかもしれない。


◆東京国際マラソン、14日に東京・国立競技場から
 
8月の世界選手権(スペイン・セビリア)の代表選考会を兼ねた’99東京国際マラソンは14日、東京・国立競技場を発着点とする42・195キロのコースで行われる。

海外招待選手9カ国10人を含む162人がエントリーした。優勝争いは2時間7分45秒の自己ベストを持つゲルト・タイス(南アフリカ)を軸にレースが展開されそうだ。
日本勢では、23歳の三木弘(旭化成)に注目が集まる。初マラソンとなった昨年のびわ湖毎日マラソンで2時間10分1秒をマークして4位。同じ旭化成勢が次々とマラソンで好成績を残していることが刺激になっており、2回目のマラソンで初タイトルを狙う。
2年前の世界選手権代表の花田勝彦(エスビー食品)も優勝争いに加わる実力がある。27歳の中堅選手だが、昨年12月の福岡国際マラソンで2時間13分51秒の15位と低迷した。今回は調整がうまくいき、自己初の2時間9分台が目標となる。
日本選手最高の2時間9分57秒の自己記録を持つ清水康次(NTT中国)は、2年ぶりの優勝を目指し、櫛部静二(エスビー食品)、堀尾典臣(積水化学)らトラックのスピードランナーも上位をうかがう。


 


◆99日本ジュニア室内陸上大阪大会
 

99日本ジュニア室内陸上大阪大会(11日・大阪城ホール=読売新聞大阪本社など後援)

27種目(オープン競技の小学生4種目を含む)が行われ、14種目で大会新、タイ記録が出た。中学女子走り高跳びでは倉本福子(大阪・松虫)が自らが持つ大会記録を10センチ上回る1メートル70の好記録で快勝。男子ジュニア走り高跳びは高校総体と国体少年のチャンピオン藤木章生(福岡・三潴高)が貫録勝ち。


◆別府大分毎日マラソン / ハーフマラソンは角田達彦が優勝
 
23歳以下で争われたハーフマラソンは、大牟田高のOBと現役勢が大活躍。最後は卒業生の角田達彦(九電工)が抜け出して、1時間4分30秒で初制覇。大牟田高の現役3年生、野村佳史が2位、大津誠が4位に食い込み、高校生の躍進が目立った。
10キロ付近までは10人前後が先頭集団を作るスローペースだったが、角田と野村、大津らが入れ替わりトップに立って徐々にペースアップ。18キロ過ぎ、トップ争いが4人に絞られたところで、角田が一気にラストスパートし、野村、大津らを置き去りにした。

角田は昨春に卒業するまでは大牟田高のエース。だが、一昨年暮れの全国高校駅伝を前に左ひざ下を疲労骨折したことが、社会人になっても響いた。昨年4月半ばから練習を再開したものの、10月の日本ジュニア五千メートルでは7位。優勝したのは1年後輩の野村だった。
この日も3日前までの合宿の疲れが残り、体調は万全ではなかったが、「野村にだけは負けられない」と先輩の意地が終盤に爆発。「最後はがむしゃらだった。おかげで結果が出せて自信になりました」と会心の笑顔を見せた。
一方、敗れた野村も「スタミナをつけて、進学先の中央大では1年生エースになりたい」と闘志満々。「将来はマラソンで勝負したい」と話す大津とともに、目が離せないホープ3人が飛び出した。


◆別大毎日マラソン・モレノが初優勝、森下が2位と健闘
 
第48回別府大分毎日マラソンは7日、大分市営陸上競技場を発着点に別府国際観光港前を折り返す42・195キロのコースに内外の263選手が参加して行われ、シカゴ6位のエデル・モレノ(ブラジル)が2時間9分54秒で初優勝した。森下由輝(旭化成)は転倒のアクシデントがありながらも、2時間10分13秒と自己ベストを大幅に更新して2位に入る健闘を見せた。バンコク・アジア大会1万メートル金メダリストで初マラソンの高尾憲司(旭化成)は6位だった。
 
スタート時の気温が12度とやや高めだったが、まずまずのコンディション。招待選手のモレノ、ベルリン3位のサムソン・カンディエ(ケニア)、森下らを中心とする展開となり、レース前半は中間地点で1時間4分04秒を記録するハイペース。35キロすぎでは高尾を含む4人に絞られた。しかし、36キロ付近の給水所でカンディエが転倒し、森下と高尾も巻き込まれて転倒。その間にモレノが一人で抜け出し、そのままゴールした。高尾はこの後、ペースダウンして6位に終わり、集団後方にいた武井隆次(エスビー食品)が3位に入った。なお、箱根大学駅伝で活躍しマスコミの注目を浴びた三代直樹(順大4年)は途中棄権した。
(スタート時天候晴、気温12・2度、湿度35%、北西の風3・2メートル、完走161人)
◇旭化成勢、転倒乗り越え健闘◇
36キロ過ぎの給水所で、「事件」は起きた。4人の先頭集団の2番目にいたカンディエが、待機していたテレビ中継用のオートバイに接触して転倒すると、それに森下、高尾の旭化成勢が巻き込まれた。結果的に、勝負はここで決まった。しかし、森下のここから巻き返しには、光るものがあった。1メートル80の大きな体でもんどりを打ち、肩、両ひざなどを強打。起き上がったのも最後だったが、「とにかく前へいかなくちゃ」とすぐさま走りだし、高尾、カンディエを抜いて前を追った。結局、トップとの差は縮められなかったが、桜井孝次・日本陸連強化本部長も、「あの粘りは9分台の価値があった」と終盤の走りを高く評価した。最近、男子マラソンでの旭化成勢の健闘が目立つ。昨年3月のびわ湖で小島宗幸がV。12月の福岡では、佐藤信之、小島忠幸が日本人1、2位。相次ぐ好走の理由について宗茂監督は、「力的には他チームの選手も変わらないが、今のうちには同じ練習をしてる仲間がやれるなら、という確かな自信がある」と、説明する。
 
森下は、旭化成では入社9年目にして駅伝の正選手に一度もなれない、いわば“2軍選手”。宗監督から「欲がなさ過ぎる」と言われる程のお人好しだったが、「仲間の活躍に、自分もやらなきゃ、という気になった。チームの上昇気流に乗れたんですよ」と、相乗効果を強調した。

「旭化成時代」到来を印象付ける、“伏兵”森下の健闘。今後は、旭化成の活躍を日本全体の相乗効果へつなげる他チームの奮起が、世界と戦うためのカギとなる。


◆旭化成・川嶋伸次選手が乗用車にはねられ負傷
 
男子マラソンナショナルチームの一員で旭化成陸上部の川嶋伸次選手(32)=宮崎県延岡市桜園町=が乗用車にはねられ、腰部打撲で全治5日間のけがをしていたことが4日分かった。延岡署の調べでは、川嶋選手は3日午後0時半ごろ、延岡市旭町の市道交差点の横断歩道を自転車で渡っていたところ、右折してきた同県北川町の飲食店経営の男性(34)運転の乗用車にはねられ、転倒した。男性がよく前を見ていなかったらしい。川嶋選手は会社の昼休みを利用して帰宅中だった。
川嶋選手は一昨年夏の世界陸上アテネ大会男子マラソン代表で、元日の第43回全日本実業団対抗駅伝ではアンカーを務め、チームの3年連続21回目の優勝の原動力となった。来月7日の第54回びわ湖毎日マラソン出場を目指しているが、3、4日は練習を休んだ。



◆別府大分毎日マラソン出場の外国人選手来日
 

第48回別府大分毎日マラソン大会(2月7日)の海外招待選手のトップを切って、サムソン・カンディエ(ケニア)とカルロス・パトリシオ(ポルトガル)が2日午後、空路大分入りした。
カンディエは2時間9分10秒の記録を持ち、昨年のベルリンマラソンでは3位に入った今大会注目の外国人選手。日本のレースに出場するのは今回が初めて。大分空港からバスで選手村となる大分市内のホテルに着いたカンディエは長旅に加え、ケニアとの急激な温度変化に少々疲れた様子。それでも、「今のコンディションは非常にいい。日本は初めてなので気候がとても気になるが、レースでは2時間8分30秒の大会記録を出して優勝したい」と意気込んでいた。