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(990328)女子マラソンの元日本最高記録保持者藤村信子が引退発表

(990320)日本陸連、第7回世界選手権の代表選手を発表

(990318)第1回長野五輪記念長野マラソン・森下ら招待選手決まる

(990316)岩田屋女子駅伝部が休部

(990314)全日本実業団ハーフ/男子はモーリス・女子は片山

(990314)名古屋国際女子マラソン

(990310)有森が4月のボストン・マラソンでロバと再戦

(990307)びわ湖毎日マラソン、スペインのフィスが優勝、2位に藤田

(990307)日本学生マラソン、男子は高橋、女子は田上が優勝

(990307)千葉・佐倉マラソンに4000人

(990306)伊東浩司選手がタイに1万ドル寄付

(990304)名古屋のグローバリーで元ワコールの監督、選手が創部

(990304)青木陸連会長、遂に勇退表明。後任は河野洋平氏が就任の予定

(990303)バルセロナ五輪マラソン銀の森下がトヨタ九州の監督に

(990303)びわ湖毎日マラソン、神鋼最終レース

(990302)日本学生マラソンに順大の高橋らが出場

(990302)沖電気宮崎の川上優子選手が初マラソンに挑戦

(990301)横浜国際女子駅伝−日本代表、無敵の5連覇

(990301)千葉にまたもアクシデント
 

 

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- Contents -
 


◆女子マラソンの元日本最高記録保持者藤村信子が引退発表

女子マラソンの藤村信子(33)=ダイハツ=が28日、大阪府池田市のダイハツ本社で浅利とともに記者会見し、現役を引退し、3月末でダイハツを退社することを発表した。

藤村は短距離選手から距離を延ばした異色の選手で、大体大から1988年にダイハツ入り。94年1月の大阪国際女子マラソンでは、2時間26分9秒の日本最高記録(当時)をマークした。優勝した安部友恵(旭化成)とは同タイムながら僅差で敗れ2位となったが注目された。同年10月の広島アジア大会で日本人最高の3位、96年11月の東京国際女子マラソンでの優勝を経て代表となった翌年の世界選手権は10位だった。昨年末から練習で思うように走れなくなり、鈴木監督からも引退を勧められたという。今月末で退社し、郷里の京都府亀岡市に戻るほかは未定という。マラソン全成績は10戦2勝。

藤村は「心の中の燃えるようなものが薄れてきた。思うような走りができなくなり、引き際だと思った」と話し、思い出のレースに94年の大阪と広島アジア大会(3位)を挙げた。


 
 
 


◆日本陸連、第7回世界選手権の代表選手を発表

日本陸連は20日、8月20日にスペイン・セビリアで開幕する第7回世界選手権のマラソン代表選手を発表した。代表選考は、昨年12月のアジア大会と男子の福岡国際、東京国際、びわ湖毎日、女子の東京国際、大阪国際、名古屋国際の各マラソンを対象に行われ、各大会の上位者の中から最大出場枠の男女各5人が順当に選ばれた。

男子は、真内明(旭化成)、清水康次(NTT中国)の2人が2大会連続で選ばれ、びわ湖毎日で学生最高記録(2時間10分7秒)をマークして日本人最高の2位と健闘した藤田敦史(駒大)が唯一の学生代表となった。東京国際で2時間8分5秒(2位)をマークした三木弘(旭化成)は「暑さ対策が出来ていない」(宗茂監督)との理由で事前に辞退した。

女子はバンコク・アジア大会優勝で既に代表が決定していた高橋尚子(積水化学)を除く4選手を選出。1993年世界選手権で金メダルを獲得した浅利純子(ダイハツ)は代表辞退を示唆していたが、出場の意向を日本陸連関係者が確認した上で選出された。3大会ぶりの金メダルを目指す。このほかに前回のアテネ世界選手権で優勝した鈴木博美(積水化学)が国際陸連のワイルドカード(主催者推薦)で出場資格を得ている。大阪国際6位の安部友恵(旭化成)が補欠に回った。

代表選手は次の通り。

【男子】
真内明(28)、佐藤信之(26)、小島忠幸(22)=以上旭化成、清水康次(29)=NTT中国、藤田敦史(22)=駒大
【女子】
高橋尚子(26)=積水化学、浅利純子(29)=ダイハツ、市橋有里(21)=住友VISA、小幡佳代子(27)=営団地下鉄、市河麻由美(22)=三井海上
藤田、世界陸上マラソン代表
学生長距離界のエース藤田敦史(22=駒大)が一発勝負で世界キップをつかんだ。
藤田は今月7日のびわ湖毎日で、マラソン初挑戦ながら日本人トップの2位でゴール。2時間10分7秒は初マラソン日本歴代4位の学生最高記録。この春、三代直樹(22=順大)とともに富士通入りする藤田にとって、世界へ「フジタ」の名前をアピールするチャンス。この日発表された男女マラソン・ナショナルチームのメンバーにも同時に選ばれるなど、シドニー五輪へ一気に弾みをつけたいところ。


◆第1回長野五輪記念長野マラソン・森下ら招待選手決まる

長野冬季五輪開催を記念して4月18日に行われる「第1回長野オリンピック記念長野マラソン」の招待選手が18日、主催者の日本オリンピック委員会(JOC)などから発表された。

男子では昨年の福岡国際マラソン優勝のジャクソン・ガビガ(ケニア)、ロンドンマラソンで1994年から3連覇したディオニシオ・セロン(メキシコ)、バルセロナ五輪銀メダリストの森下広一(4月からトヨタ九州)、91年世界選手権優勝の谷口浩美(旭化成)ら23人。

女子はソウル五輪金メダリストのロザ・モタ(ポルトガル)、バルセロナ五輪優勝のワレンチナ・エゴロワ(ロシア)ら14人が名を連ねた。

レースは長野県山ノ内町を出発、長野市の五輪開閉会式会場「南長野運動公園」に至る42・195キロの片道コースで行われる。
でも、有名選手の同窓会みたいなメンバー発表ですね。記録に対する興味というよりも「昔なじみの」争いが楽しみです。


◆岩田屋女子駅伝部が休部
百貨店の岩田屋(福岡市)は16日、女子駅伝部を4月いっぱいで休部にすることを明らかにした。経営再建に集中するため、部として十分な活動を続けていくことは不可能と判断したという。業績が回復すれば部の再開も検討する。
岩田屋女子駅伝部は1993年4月の創部。重松監督の指導で着実に力をつけ、昨年は全日本実業団対抗女子駅伝で15位に入っていた。バルセロナ五輪マラソン代表の松永(旧姓小鴨)由水も在籍している。

ニコニコドー、ダイエーに続いて小売り業界の陸上部にBadニュースですね。残念です。


◆全日本実業団ハーフ/男子はモーリス・女子は片山
今年10月の世界ハーフマラソン大会(イタリア・ミラノ)などの代表選考会を兼ねた第27回全日本実業団ハーフマラソン大会は14日、山口市の維新百年記念公園陸上競技場を発着点に21・0975キロのコースで行われ、男子はデビッド・モーリス(本田技研浜松)が1時間2分0秒で、女子は片山弘美(NEC九州)が1時間10分33秒で、ともに初優勝した。
各チーム上位3人の合計タイムで争う団体は、男子は中国電力が大会4連覇、女子は天満屋が初優勝した。

モーリスは15キロ過ぎに飛び出し、いったんは後続集団に追いつかれたが、18キロ手前で再スパートし、そのままゴールに飛び込んだ。

女子はスタート直後から片山と原万里子(富士銀行)が飛び出し、5キロ過ぎから片山が独走。大会記録にあと3秒差の好タイムでゴールした。連覇を狙った小鳥田(デオデオ)は、中盤の急激なペースアップが響いて9位に終わった。
(スタート時の気象条件=曇り、気温16度、湿度61%、北東の風2・0メートル)


◆名古屋国際女子マラソン
名古屋国際女子マラソンは十四日、世界選手権(8月・セビリア=スペイン)の最終選考会を兼ねて名古屋市の瑞穂陸上競技場を発着点とする42・195キロに百四十九選手が出場して行われ、昨年7位のリュボフ・モルグノワ(ロシア)が自己記録を1分08秒短縮する2時間27分43秒で初優勝した。マラソン二度目の市河麻由美(22=三井海上)が終盤追い上げ、2時間27分57秒で2位に入った。

マラソン経験豊富なモルグノワはハイペースで進んだレース前半、先頭集団から離れて自分のペースを守り、25キロすぎにトップに立って逃げ切った。

双子の大南姉妹(ともに東海銀行)は、姉の博美が3位、妹の敬美が5位に入る健闘。世界選手権一万メ−トル代表で初マラソンだった川上優子(沖電気宮崎)は、前半積極的な走りを見せたが、後半に遅れ2時間34分9秒で9位に終わった。
(スタート時気温19度、湿度46%、東北東の風0・8メートル、出場209人、完走104人)

◇女がすたると、大和魂で踏ん張る◇
市河が30キロ地点に達した時、首位のモルグノワとの差は50秒。持ち味のスタミナと粘りが発揮されたのは、そこからだった。

10キロすぎで先頭集団から脱落したのは、自分のペースを守るため。走るリズムは崩れていなかった。前半のハイペースから失速していく他の選手を横目に、5キロ17分台のペースを守り、34キロすぎで川上を抜き2位に。「日本人トップだから、もういいとも思った。でもここであきらめたら女がすたると、大和魂で踏ん張った」。最後は先頭に14秒差まで詰め寄り、自己記録(2時間30分26秒)を2分以上縮めた。

千葉・市立船橋高2年の時、全国高校駅伝で3区区間賞を獲得。4年前、同校の監督だった鈴木秀夫監督とともに三井海上に入社したが、一昨年までは一万メートルで33分を切るのがやっとだった。
転機は1年前だった。昨年この大会に挑戦する予定だったが、直前の中国・昆明での合宿中に腹痛に。現地で盲腸と診断されて急きょ帰国したが、結局は誤診。それでも練習が不十分になったため、スタートラインに立てなかった。「マラソンがしたくてうずうずしていた」。沸き上がった欲望を爆発させた。

いきなり世界選手権代表候補に名乗りを挙げ、「今度はジャパンの名を広めてきます」。陽気でマイペースな22歳の新星は、大舞台で走れることを楽しみにしていた。


◆有森が4月のボストン・マラソンでロバと再戦
4月19日に米マサチューセッツ州ボストンで行われる第103回ボストン・マラソンの主要出場選手が9日、主催者から発表された。バルセロナ五輪で銀メダル、アトランタ五輪で銅メダルを獲得した有森裕子(32)=リクルートS&C=の出場で注目される女子には、3連覇を狙うアトランタ五輪の金メダリスト、ファツマ・ロバ(エチオピア)、昨年2位のレナタ・パラドウスカ(ポーランド)、昨年のニューヨークシティー・マラソンを制したフランカ・フィアッコーニ(イタリア)らが出場する。有森はアトランタ五輪以来のフルマラソン出場となる。

男子は2連覇を目指すモーゼス・タヌイ、ジョン・カグウェ、ジョゼフ・チェベト、昨年の福岡マラソンを制したジャクソン・カビガらのケニア勢が中心となりそう。


◆びわ湖毎日マラソン、スペインのフィスが優勝、2位に藤田
世界陸上選手権(8月、スペイン・セビリア)の日本代表最終選考会を兼ねた第54回びわ湖毎日マラソンは7日、滋賀県大津市の皇子山陸上競技場を発着、草津市新浜を周回する42.195キロのコースに外国からの招待選手7人を含む189選手が参加して行われた。
[レース総括]
レースは3年連続出場のマルティン・フィス(36=スペイン)が2時間8分50秒で2年ぶり2度目の優勝。
日本勢は、初マラソンの藤田敦史(22=駒沢大)が瀬古利彦(エスビー食品監督)が早大時代にマークした学生記録を20年ぶりに5秒上回る2時間10分7秒でゴール。フィスに続き2位に入る健闘を見せた。なお、藤田は今回が初マラソン。この記録は初マラソンの日本歴代4位に当たる好記録。

3位にはポーランドのガイドス、一般参加の松田和宏(佐川急便)が2時間12分25秒と健闘の4位。田尻裕一(クロサキ)が終盤粘って5位だった。アトランタ五輪代表の実井謙二郎(日清食品)は途中棄権した。

世界選手権のマラソン日本代表(男女各5人)は今月20日に開かれる日本陸連の理事会、評議委員会で決まる。
(スタート時天候雨、気温7・2度、湿度93%北北東の風0・3メートル)

[駒大・藤田瀬古超えた!]
藤田敦史(ふじた・あつし)

1976年(昭和51年)11月6日、福島県西白河郡東村生まれ。
村立東中学時代は陸上部がなかったためテニス部に所属。清陵情報高から本格的に陸上を始める。駒大では4年連続で箱根駅伝に出場。1年から順に1区2位、2区7位、2区2位、4年の今年は4区区間新で往路優勝に貢献した。97、98年の日本インカレハーフマラソン優勝。
卒業後はライバル三代(順大)と同じ富士通に入社する。
166センチ、52キロ。


◆日本学生マラソン、男子は高橋、女子は田上が優勝
7月のユニバーシアード大会(スペイン)の代表選考会を兼ねた第3回日本学生マラソン選手権(日本学生陸上競技連合、朝日放送、篠山町主催、朝日新聞社など後援)は7日、兵庫県篠山町の篠山城跡マラソンコース(42.195キロ)で開かれ、男子が高橋謙介(順大2年)、女子は田上麻衣(筑波大1年)がそれぞれ初マラソンで優勝した。

前回大会に続き、冷たい雨が降り続く悪条件。25人で競った男子は、31キロ付近の登り坂で高橋がそれまで並走していた西田隆維(駒大3年)を一気に振り切った。9人が出場した女子は、筑波大勢3人の争いになり、折り返し点手前で首位に立った田上がそのまま逃げ切った。
(スタート時の天候雨、気温2.5度、南西の風0.5メートル、湿度98%)


◆千葉・佐倉マラソンに4000人
早春の千葉県・印旛沼の景観を楽しみながら走る第18回佐倉朝日健康マラソン大会(大会実行委員会、朝日新聞社主催)が7日、佐倉市の岩名運動公園陸上競技場を発着するコースで開かれた。

時折小雨もぱらつく肌寒い天候となったが、台湾から初参加の夫婦をはじめ、全国の市民ランナー3991人が参加した。フルマラソンと10キロ、市民(10キロ)の3部門に分かれ、鍛えた健脚を競った。

Wackyも一昨年までは3年連続で出場した大会です。再度フルに挑戦するのは、いつかなぁ。


◆伊東浩司選手がタイに1万ドル寄付
昨年12月のバンコク・アジア大会で3種目を制し、大会最優秀選手(MVP)に選ばれた男子短距離の伊東浩司(富士通)が6日、MVPの賞金10万ドル(約1200万円)のうちから1万ドル(約120万円)をタイのチャリティー基金に寄付した。この日、世界室内選手権の会場になっている前橋市のグリーンドーム前橋を訪問したチャールック・アジア大会事務局長に目録を手渡した。

◆名古屋のグローバリーで元ワコールの監督、選手が創部
商品先物取引会社のグローバリー(本社・名古屋市)が4日、名古屋市内で会見し、ワコールの元監督、藤田信之氏(58)やアトランタ五輪女子マラソン代表だった真木和(30)ら6人を招いて女子陸上部を創部した、と発表した。知名度を上げたい同社と、「もう1度、駅伝日本一のチームを作りたい」という藤田氏の意向が合致した。

藤田氏はワコールを全日本実業団対抗女子駅伝で5度の優勝に導いたが、指導方針の違いなどから昨年10月、コーチや真木らとともに退社した。
真木は「アトランタ五輪での故障が治っていない」といい、コーチとして部員の指導にあたる。選手は昨年の全日本実業団対抗陸上1500メートル優勝の田村育子、2月の犬山ハーフマラソン優勝の野口みずきの2人。京都市に練習の拠点を置き、来年春から本格的に活動する。藤田氏は「部員を20人前後に増やしてマラソン、中長距離選手も育てたい」と話した。


◆青木陸連会長、遂に勇退表明。後任は河野洋平氏が就任の予定
日本陸上競技連盟の青木半治会長(83)は4日、長野県軽井沢町で開かれた幹部会で、健康上の理由から今期限りで勇退することを表明した。新会長には河野洋平副会長(元自民党総裁)が就任する予定。帖佐寛章、小掛照二両副会長は留任する。20日の評議員会で正式に決定する。

青木氏は日本体育協会会長、日本オリンピック委員会(JOC)委員長などアマチュアスポーツ界の要職を歴任し、日本スポーツ界の発展に大きく貢献。日本陸連会長を12期務めたが、昨年、肺炎などのために長期入院、退院後も健康面が不安視されていた。

また、1991年8月から4期にわたって務めている国際陸上競技連盟(IAAF)副会長も、8月の改選期をもって退任することを決めていた。


◆バルセロナ五輪マラソン銀の森下がトヨタ九州の監督に
バルセロナ五輪男子マラソン銀メダリストの森下広一氏(31)が、16日付でトヨタ自動車九州(福岡県宮田町)の陸上部監督に就任することが3日、分かった。森下氏は一昨年8月に第一線からの引退を表明。同年10月に旭化成陸上部を退部した。昨春から指導者としての勉強を兼ねて、同部のコーチ見習として選手の指導に当たっていた。4日、正式に発表される。

トヨタ自動車九州陸上部は1993年創部。同好会的な活動をしてきた。部員は7人で、今春、新規採用の6選手が加わり、本格的な強化に乗り出す。


◆びわ湖毎日マラソン、神戸製鋼最終レース
今月末での休部が決まっている神戸製鋼陸上部の4選手が、7日の「びわ湖毎日マラソン」に出場する。

同部は1952年に創部。男子長距離選手の育成に力を注ぎ、全日本実業団駅伝に42回出場し、80、83年には準優勝。マラソンでは第1回の東京国際で喜多秀喜・現帝京大監督が優勝。第3回世界選手権(東京)では篠原太・現天満屋コーチが5位入賞を果たすなど数多くのトップランナーを輩出した。
しかし、長引く不況の影響などで20人以上いた部員も10人に減少。今年1月、本社のリストラ策の一環として、休部が決まった。
びわ湖毎日には、小林勝司(32)、佐伯孝幸(29)、広瀬諭史(28)、松村泰幸(27)の4選手が出場する。

同業企業に勤めるWackyとしても、非常に残念なニュースです。


◆日本学生マラソンに順大の高橋らが出場
日本学生陸上競技連合は1日、兵庫・篠山城跡マラソンコース(42・195キロ)で行われる日本学生マラソン選手権の出場者を発表した。7月にスペインで開かれるユニバーシアードの日本代表最終選考会を兼ねた大会。今年の箱根駅伝9区で区間新記録をマークし、順天堂を総合優勝に導いた高橋謙介(順天堂大2年)のフルマラソン初挑戦が注目されそうだ。

◆沖電気宮崎の川上優子選手が初マラソンに挑戦
昨年末のバンコク・アジア大会陸上女子10000メートルで、金メダルを獲得した沖電気宮崎陸上部の川上優子選手(23)が2日、宮崎県清武町で記者会見し、14日の名古屋国際女子マラソンで初マラソンに挑むことを明らかにした。10000メートルとマラソンでのシドニー五輪出場を目指しており、経験を積むのが目的という。

1月中旬から約1カ月間、海外で走り込みを積んだ。「目標だったマラソンのスタートに立てることがうれしい。出るからには、とにかく優勝を目指して頑張りたい」と語った。8月にスペインである世界選手権の10000メートルにも出場する。
広島日出国監督は「五輪を目標に、スピードを殺して持久力をつける走り込みをしてきた。2時間30分を切って、マラソンの苦しさを知るだけでも十分」と話した。


◆横浜国際女子駅伝−日本代表、無敵の5連覇

[レース総括]

ヤング・ジャパンが5連覇!平均年齢21.3歳の日本代表チームは、1区(5キロ)で17歳の藤永佳子(長崎・諌早高2年)が15分36秒で高校生としては大会史上初の区間賞。このスタートダッシュを生かし4区間連続区間賞で独走。本大会歴代2位の2時間15分6秒をマークして5連覇、7度目の優勝を飾った。ルーマニアが2位。3位には九州選抜が入った。
最優秀選手には日本の藤永と5区区間賞のルミニタ・タルポス(26)=ルーマニア=が選ばれた。
(天候快晴、気温8・8度、湿度23%、東南東の風3・2メートル=午後零時10分現在)
[藤永高校生初の区間賞]
スーパー高校生が世界の強豪を倒した。横浜スタジアムを先頭で飛び出した藤永が、果敢に先頭集団をリード。169センチの長身から繰り出すピッチ走法でリズムを刻み、3キロ過ぎに抜け出した。五千メートルで15分7秒16の記録を持つ王春梅(中国)を振り切り、トップでタスキをリレー。史上初の高校生区間賞だ。

緊張していた。レース前は表情がこわばり、鼓動も高鳴っていた。「高校生らしい走りをすればいい。お祭りだから」諌早高の松元利弘監督(42)の言葉でリラックス。「沿道から名前を呼んで応援してくれるのがうれしくて、お祭りの主役になっているつもりで走った」と初の港ヨコハマを楽しむ度胸のよさをみせた。

2区を走ったアジア大会一万メートル銅メダルの高橋千恵美(日本ケミコン)も舌を巻いた。「質問攻めにあった」と選手村で同室だった藤永の積極的な姿勢にびっくり。県内3、4番手の練習嫌いだった中学生が高校に入り、松元監督の自宅で下宿生活を始めて精神的に成長。「せっかく走るチャンスがあるのだから、今を精いっぱい頑張りたい」と体を約10キロ絞り、記録も一気に伸びた。だが、満足はしない。「やっぱり悔しかった。最後の踏ん張りがきかなくて、まだ力不足」永山育美(京セラ)が持つ区間記録に7秒及ばず、反省するあたりはやはり大物。日本を勢いに乗せた史上初のMVP高校生は、2004年のアテネを待つことなく、来年のシドニー五輪でも堂々の有力候補だ。

[長距離界は強者ぞろい]
勝負を決定づけたのは、2区・高橋だった。
「(藤永が)トップで絶対来ると思っていた。とにかく次の走者のために貯金することを意識しました」前週(21日)日本人トップの4位と好走した千葉国際クロカンの疲れも見せず、ぐいぐい風を切った。藤永から受けた24秒の“貯金”を約2倍の46秒にして社会人5年目の同期・田中めぐみ(あさひ銀行)につないだ。4区では、小鳥田貴子(デオデオ)が区間記録にあと1秒と迫る19分17秒をマーク。1−4区まで区間賞を独占した。

パッと開いた右手を高々と掲げ、日本のアンカー・永山育美がゴールに飛び込んだ。史上初の5連覇達成を誓い、全員で考えたサイン。「今年はすごく好調な人たちが集まった。安心して任せました」と24歳の主将は笑った。

日本陸連女子長距離マラソン部長でもある佐々木精一郎監督(53)は頼もしげに話した。

「95年に優勝した時のアンカー・弘山晴美(資生堂)が翌年のアトランタ五輪出場につなげたように、この大会で弾みをつけてトラックシーズンを迎え、世界選手権や五輪の代表の座をつかんだ選手は多い。今回は高校生の藤永が、今後が楽しみな走りを見せてくれた」
8月の世界選手権で1万メートル出場を目指す永山は「きょうのメンバーはみな強敵です」と戦士の目になった。

日本3区・田中めぐみ(あさひ銀行)

「2位と差があったので、体が動かなくて苦しいレースだったけれど、1位を守れてよかった」
日本4区・小鳥田貴子(デオデオ)
「1週間前から左足の付け根が痛み、トップで走り切れただけでも幸せ。今年もこれを弾みに実業団ハーフマラソン(今月)で2連覇を狙いたい」
日本5区・竹元久美子(NEC)
「沿道の声援が力になった。最後の1キロで腕時計を止めちゃったんですけど、優勝できてよかった」
 

◆千葉にまたもアクシデント
大阪シティマラソン◇2月28日◇中之島公園スタート、長居陸上競技場ゴールの21・0975キロ◇一般・招待の部など◇
晴れ、気温6度、湿度56%、西の風6メートル(午前10時)

シドニー五輪のエースと期待される陸上女子長距離の千葉真子(22=旭化成)が、またもアクシデントに見舞われた。スタートから順調に走っていた千葉だったが、15キロ手前で持病の恥骨に異常を訴え、自らの判断でリタイアした。千葉にとって1995年(平成7年)の旭化成入社以来、初の途中棄権。現状では復帰のメドは立たず、1年半後に迫ったシドニー五輪への道が再び険しくなってきた。

(浅利は発熱欠場)
優勝候補だった浅利純子(29=ダイハツ)はこの朝、38・6度と発熱し、突然の出場辞退となった。鈴木監督は「朝1番で病院に行き、点滴を打った。今日は寮で静養させます」と話した。今後は17日に米ニューメキシコ州で高地合宿をスタート。今夏以降のシドニー五輪代表選考レースに照準を合わせる。