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(990529)新井 手動日本タイ11秒4で優勝

(990529)シドニー五輪チケットの申し込み、豪州で30日開始

(990528)欧州遠征中の高岡寿成選手、3000mで日本新!

(990527)高橋尚子 合宿へ向け渡米

(990524)欧州陸上・男子ハンマー投げで室伏が2位

(990523)ハーフで1時間10分台の好記録 高橋尚子

(990523)ゴールデンゲームズinのべおか/速報

(990523)関西実業団結果速報

(990522)小野が女子棒高跳び日本新

(990515)東日本実業団速報(第1日目)

(990515)マラソンの松野さん、亜大コーチに

(990515)関東インカレ速報/早大、400mリレーでアベック優勝

(990512)東大陸上部がスプリントマシンを開発

(990511)有森、強化指定S選手へ復帰

(990509)中部実業団対抗大会 ハンマー投げで室伏兄妹が初競演

(990508)グランプリin大阪

(990505)水戸国際・結果

(990504)ボストンマラソン3位の有森裕子選手が一時帰国

(990503)静岡国際・結果 
 


- Contents -
 

◆新井 手動日本タイ11秒4で優勝

台湾国際陸上競技会で女子100メートルに出場した日本記録保持者の新井初佳(24=ピップフジモト)が、11秒4の「手動日本タイ記録」で優勝した。
機械の故障で電動計時されず、世界陸上の参加A標準(11秒40)突破を逃した。
女子棒高跳びの小野真澄(23=ミキハウス)は4メートル10で優勝したものの、自己の持つ日本記録(4メートル20)更新はならなかった。
◆シドニー五輪チケットの申し込み、豪州で30日開始
来年9月に開幕するシドニー五輪の豪州国内販売分のチケット購入申し込みが30日に始まる。昨年来の五輪招致買収疑惑で五輪のイメージが悪化しているほか、販売方法に対しても批判の声があがり、同五輪組織委員会(SOCOG)は売れ行きに気をもんでいる。
豪州向けは、全枚数の約960万枚の52%にあたる約500万枚。開開式のほか、水泳、体操などの人気が高く、抽選になりそう。しかし、全体では「さばけるのは半分くらい」とサンディ・ホルウェイSOCOG事務総長は予想する。人口約1800万人弱のこの国では4人に1人が買っても、まだあまる計算だ。
27日発表された民間の世論調査では、五輪への関心度は過去1年間で最低を記録。地元のフィリップ・コールズ国際オリンピック委員会(IOC)委員のスキャンダルへの結論も出ておらず「(IOC総会がある)6月中旬にはすっきりさせて欲しい」(ホルウェイ事務総長)と販売への影響を懸念している。

◆欧州遠征中の高岡寿成選手、3000mで日本新!

欧州遠征中の高岡寿成選手(鐘紡)は28日、日本では珍しい3000mの大会に出場。8位ながら7分41秒87の日本記録をマークした。同レースに参加の瀬戸智弘も7分53秒16と健闘。
優勝はスペインの中距離選手、カチョで7分37秒02。

◆高橋尚子 合宿へ向け渡米

女子マラソンの日本最高記録保持者・高橋尚子(27=積水化学)が27日、世界陸上(8月、セビリア=スペイン)に向けた最終合宿地・米国コロラド州ボルダーに、小出義雄監督(60)とともに出発した。すでに現地入りしている鈴木博美(30)らと合流し、約3カ月の走り込みを行い8月下旬にセビリア入りする。
高橋は同地での1カ月にわたる単独合宿を行い、今月19日に帰国したばかり。この間に体重が再び2キロ増え、前日26日には「3カ月も日本に帰れないから」と美容院に行ったところ「坊ちゃんみたいに(笑い)」短く切られてしまったとか。それでも持ち前の明るさで「笑顔でスタート地点に立ち、笑顔でゴールするのを想像するだけで楽しみ」と笑顔で旅立った。

◆欧州陸上・男子ハンマー投げで室伏が2位

24日、ドイツのローリンゲンで行われた陸上の国際競技会で、男子ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)が、77メートル65で2位となった。また、男子5000メートルに出場した高岡寿成は13分43秒96で4位、瀬戸智弘(以上鐘紡)は13分55秒73で6位となった。

◆ハーフで1時間10分台の好記録 高橋尚子

女子マラソン日本記録保持者で、昨年のバンコク・アジア大会優勝の高橋尚子(積水化学)が23日、富山・黒部市で行われた「黒部名水ロードレース」のハーフマラソンの部にゲスト参加し、1時間10分58秒でゴールした。今年3月に左ひざを故障し、世界選手権(8月・スペイン)への影響が心配されていたが、自己ベスト(1時間10分35秒)に迫るタイムで走りきり、不安を払しょくした。
男女ハーフマラソンの優勝者は次の通り。
▽男子:大関篤史(平塚市役所) 1時間7分47秒
▽女子:外山愛 (高岡法科大) 1時間20分08秒
(スタート時、気温20・5度、湿度59%)
◇これから3か月が勝負◇
ゴールした高橋をねぎらう小出監督の声は、ちょっぴり震えていた。
「お前はすごいよ。本当は15、16キロで倒れるんじゃないかと心配してたんだ」
高橋が左ひざに痛みを感じたのは3月の初め。レントゲンを撮っても原因は分からなかった。4月、痛みはひかなかったが、一人で米国に渡った。世界選手権に向けた高地トレーニングを始めるためだ。軟骨に傷があることが分かったのはその直後。小出監督は帰国を勧めたが、高橋は抵抗した。
「せっかく来たんだから、あと10日間だけ様子を見させて下さい」
整体師の治療を受け、走り始めたのはこのレースの3週間前だった。
最初の10キロを約33分で乗り切った。マラソンなら序盤でトップに立てるペース。本来のスピードを取り戻した。
「もうひざは気にならない。これから3か月が勝負です」と、笑顔で話す高橋。
この日の体重はまだベストより約3キロ重い51キロ程度だというが、フォームは軽快で「アジア大会後、初めてきちんと走りきるレースができました」。
1カ月ぶりに、高橋の走りを見た小出監督は「予想よりも2〜3分いいタイム。このままでいけば、世界選手権で2時間22分台が出せる」と絶賛していた。
高橋が世界選手権までに、国内で走るのは、このレースが最後。27日に再度、渡米して練習に専念し、帰国しないままスペインに入る。世界選手権の目標は、好タイムで優勝してシドニー五輪代表の座を確定させること。「これからの3カ月間が勝負。本番では、もっと引き締まった走りをお見せしたい」と自信に満ちた表情で話していた。
◆ゴールデンゲームズinのべおか/速報
スーパー高校生・佐藤清治(17=佐久長聖高3年)が、男子1500メートルで3分38秒49の国内最高タイムで優勝した。
22年ぶりの日本記録更新こそ、わずか0秒25差で逃したが、自己の持つ高校記録を4秒77も塗り替える、日本歴代2位の好タイムだった。2位のヤクルトの柴田清成選手も3分39秒45と40秒を突破。これまで40秒突破者は日本記録保持者の石井隆士選手と奥山選手(ヤクルト)の2名だけだったが、本レースで同時に2名が生まれた格好だ。

男子10000mは終盤、高尾憲司選手と花田勝彦選手の二人の争いになり、ラスト勝負を制した花田勝彦(SB食品)が高尾憲司(旭化成)を抑えて27分54秒77の好タイムでゴール。2位の高尾選手も27分26秒77と28分を突破した。

女子5000メートルに出場した注目の千葉真子(22=旭化成)は、15分29秒65で3位だった。優勝はアン・ワムチ選手。

◆関西実業団結果速報
第43回関西実業団対抗陸上競技選手権大会最終日の23日、尼崎市記念公園陸上競技場で男女計23種目が行われ、女子四百メートル障害は日本記録を持つ佐々木美佳(ワコール)が61秒12で大会記録を塗り替えた。
男子二百メートルは小坂田淳(大阪ガス)が21秒44の大会タイ記録で制し、男子千六百メートルリレーは大阪ガスが13連覇。
対抗得点の男女総合は住友電工伊丹が4年連続4回目の優勝を果たした。
(記録は1位)
【男子】
二百メートル 小坂田淳(大阪ガス) 21秒44=大会タイ
八百メートル 山下将史(兵庫県警) 1分53秒70
五千メートルA 岩佐敏弘(大塚製薬) 14分8秒90
五千メートルB 渡辺真一(山陽特殊製鋼) 14分13秒44
二万メートル(オープン) 野口憲司(四国電力) 1時間0分59秒05
四百メートル障害 青木達(立命館職) 52秒77
三千メートル障害物 前田峰孝(山陽特殊製鋼) 9分7秒65
千六百メートルリレー 大阪ガス(藤本、株本、岡田、小坂田) 3分16秒70
五千メートル競歩 小池昭彦(日立製作所) 21分18秒75
走り高跳び 福本義永(福本建設) 2メートル15
走り幅跳び 後藤元吾(立命館職) 7メートル33
砲丸投げ 藤本和彦(ユアサコーポレーション) 14メートル83
やり投げ 平岡秀樹(豊能町消防本部) 68メートル30
ジュニア五千メートル 中西健二(山陽特殊製鋼) 14分35秒51
【女子】
二百メートル 岩本敏恵(大体大職) 24秒78
八百メートル 前田正代(ワコール) 2分13秒82
五千メートル 董朝霞(ノーリツ) 16分0秒12
四百メートル障害 佐々木美佳(ワコール) 1分1秒12=大会新
千六百メートルリレー 住友電工伊丹(藤原、舩引、杉田、木長) 4分5秒28
走り幅跳び 藤原温美(住友電工伊丹) 5メートル58=追い風参考
砲丸投げ 横山幸代(ユニチカ) 11メートル14
やり投げ 芝野弥生(泉佐野市役所) 53メートル46=大会新
ジュニア三千メートル 坂本飛鳥(ダイハツ) 9分29秒37
【対抗得点】
男子 大阪ガス     72点
女子 住友電工伊丹  75点
総合 住友電工伊丹 132点
【表彰選手】
優秀選手 小坂田淳(大阪ガス)/芝野弥生(泉佐野市役所)
敢闘選手 岩佐敏弘(大塚製薬)/岩本敏恵(大体大職)
新人選手 中西健二(山陽特殊製鋼)/坂本飛鳥(ダイハツ)
◆小野が女子棒高跳び日本新
女子棒高跳び日本記録保持者の小野真澄(23=ミキハウス)が22日、静岡・浜松市で行われた陸上西部月例大会で4メートル20を跳び、自身が持つ日本記録の4メートル11の記録を更新した。
これで彼女自身が今年マークした室内日本記録に追いついた格好だ。是非更なる記録更新を!
◆東日本実業団速報(第1日目)
第41回東日本実業団対抗選手権は第1日の15日、神奈川・平塚競技場で男女、ジュニア23種目の決勝を行い、四つの大会新記録が生まれた。
男子一万メートルは、ダニエル・ジェンガ(ヤクルト)が28分10秒58の大会新で優勝。高橋健一(富士通)が28分12秒33で日本選手トップの2位になったが、世界選手権(8月、スペイン)参加標準記録A(28分10秒00)の突破はならなかった。同百十メートル障害は、谷川聡(ミズノ)が13秒81の大会新で快勝。同円盤投げの野沢具隆(ゼンリン)は、9年ぶりに自己記録を更新する日本歴代6位の53メートル44をマークした。同三千メートル障害は、山本豪(エスビー食品)が独走で優勝。
女子一万メートルは21歳の玉虫智子(川崎製鉄千葉)が接戦を制した。
【男子】
▽百メートル: 平岩雄志(三英工事) 10秒64
▽四百メートル: 苅部俊二(富士通) 46秒42
▽千五百メートル: フィラマン・ハンネック(富士通) 3分48秒03
▽一万メートル: ダニエル・ジェンガ(ヤクルト) 28分10秒58=大会新
▽百十メートル障害: 谷川聡(ミズノ) 13秒81=大会新
▽三千メートル障害: 山本豪(エスビー食品) 8分39秒92
▽四百メートルリレー: ミズノ(田川、谷川、大森、田端) 40秒90
▽五千メートル競歩: 柳沢哲(綜合警備保障) 19分51秒74=大会新
▽棒高跳び: 阿部一郎(新日鉄君津) 5メートル30
▽三段跳び: 安西啓(ゼンリン) 15メートル15
▽円盤投げ: 野沢具隆(ゼンリン) 53メートル44=大会新
▽やり投げ: 植徹(富士通) 69メートル98
【ジュニア男子】
▽二百メートル: 一場治之進(AS市川) 23秒98
▽千五百メートル: 菅野篤史(自衛隊) 4分4秒18
【女子】
▽二百メートル: 長島麻美(三英社) 24秒51
▽千五百メートル: 上野理恵(積水化学) 4分19秒26
▽一万メートル: 玉虫智子(川崎製鉄千葉) 32分42秒67
▽百メートル障害: 森本明子(日本教育システムサービス) 14秒22
▽四百メートル障害: 長岡一枝(七十七銀行) 60秒31
▽走り高跳び: 太田陽子(ミキハウス) 1メートル80
▽三段跳び: 花岡麻帆(三英社) 13メートル27=追い風参考
▽砲丸投げ: 篠崎浩子(群馬総合ガードシステム) 15メートル44
▽やり投げ: 小島裕子(三英社) 49メートル10
◎シドニーに向け自信 男子3千M障害優勝の山本
男子三千メートル障害を独走で制した山本は「競り合えば、もっと記録は出たはず。でも、自信を取り戻すことができました」と、会心の笑顔を見せた。
優勝タイムの8分39秒92は、昨年の日本ランク4位相当で、この15年間では大会最高記録。社会人になってからの3年間は五千メートルを主体にしていたが、アキレスけんの故障もあって伸び悩み。今年から5年ぶりに三千メートル障害に切り替えて、来年のシドニー五輪を目指している。
五千メートルよりも「三千メートル障害の方が参加標準記録A(今年の世界選手権は8分27秒00)突破の可能性が高い。精いっぱい挑戦します」と意欲的に話していた。
◎2位高橋「ショック」
男子一万メートルで2位になった高橋は「これは痛い。ショックです」と悔しがることしきりだった。
この日は世界選手権参加標準記録(28分10秒00)突破を狙っての出場。代表選考レースの水戸国際(5日)で快勝しており、記録さえ出せば「代表当確」の状況なのに、わずか2秒33及ばなかった。記録突破まで残り61秒で迎えた最終周でかけた猛スパートは見事だったが「あの力が残っているなら、もっと前に出るべきだった」と自分を責めた。
代表選手決定までの1カ月のうち、残されたのは2レース。
「すぐに、立て直してみせます」と気合を込めていた。
◎五輪決勝狙ってます
男子百十メートル障害の谷川は大会新をマークしての優勝にも「この風(0メートル)なら、もっといい記録を出さなきゃ」と不満そうな表情をのぞかせた。
5日の水戸国際で日本歴代2位の13秒61を出しており、現在の目標は13秒58の日本記録を大幅に更新すること。そのために、ハードル間のペース配分も改造中で「日本記録は通過点。新しいことに挑戦して、五輪の決勝進出を狙っています」と意欲を口にしていた。
◆マラソンの松野さん、亜大コーチに
亜細亜大は12日、ソウル五輪陸上女子1万メートル代表で、その後マラソンでも活躍し1995年に引退した松野明美さん(31)が、今月1日付で同大陸上部の女子コーチに就任したことを明らかにした。
松野さんがかつて所属していたニコニコドー陸上部の元監督で、今春同大陸上部監督に就任した岡田正裕氏が要請した。
◆関東インカレ速報(第2日)
陸上・関東学生対校選手権第2日(15日・横浜国際総合競技場)
四百メートルリレーは早大が2年連続で男女アベック優勝。男子(鍛冶、新田、中川、小島)は38秒97の学生新をマーク、女子(保井、高野、岡本、信岡)も45秒44の大会新だった。
女子百メートルは石田智子(埼玉大4年)が11秒74で3連覇、女子砲丸投げでは豊永陽子(国士大4年)が15メートル79の大会新で2連勝を飾った。女子百メートル障害でも藤田あゆみ(日体大4年)が13秒56の大会新をマークした。
◆東大陸上部がスプリントマシンを開発
東大で開発された「スプリント・トレーニング・マシン」を使って、東大陸上部の新妻拓弥(20)(工学部3年)が急成長してきた。2日の東京選手権三千メートル障害物では、社会人に交じって8分57秒07の自己ベストで学生トップの2位。16日からの関東インカレ(2部)でも優勝を狙っている。
同マシンは、日本陸連科学委員長でもある小林寛道教授が3年がかりで開発した。大たい部の裏側を強化しながら、腰を柔らかく使うフォームに改善していく“秘密兵器”。岩手・盛岡一高では全国高校総体に出場を果たせず、目立った成績のない無名ランナーだったが、マシンで着実に力を伸ばした。

昨年の関東インカレ五千メートルでは自己ベストの14分26秒47をマーク、東大に入学してから30秒以上もタイムを更新。実業団の選手らと競った昨年の東日本縦断駅伝(青東駅伝)でも、岩手の主力としてチームの6位入賞に貢献した。

「マシンを使うのは面白い。成績が伸びているのはそのお陰かな」と新妻。

東大には同じレベルの仲間がいないため、自分でメニューを作り、1人で練習することが多い。だから、関東インカレは「速いペースで引っ張ってもらえるのが楽しみ」。関東インカレには五千メートルと三千メートル障害物でエントリーしており、自己ベストを更新する絶好の機会でもある。

◆有森、強化指定S選手へ復帰
日本陸連は10日、強化合同会議を開き、女子マラソン有森裕子(32=リクルートAC)の強化指定S(最高ランク)復帰を決めた。有森はCM出演問題などで1997年度から登録申請を保留扱いされていたが、日本陸連が選手の登録資格を大幅に緩和する方針を決め、昨年7月に復帰。先月のボストンマラソンで好成績を収めたため、保留以前同様、五輪メダリストに該当する強化指定S選手へ戻す方針を決めた。また、今夏の世界選手権、今秋の日本選手権の成績次第でシドニー五輪代表の「内定」を出すことになった。
強化指定選手はS、A、Bなどに格付けされ、最上位のSは個人合宿費用などの補助として、年間200万円が支給される。
とはいえ、最高ランク選手で年間200万円だなんて。故障でぶらぶらしているプロ野球選手が何億円も稼ぐことを思えば情けなくなりますね。
◆中部実業団対抗大会 ハンマー投げで室伏兄妹が初競演
岐阜市の長良川競技場で行われた第43回中部実業団対抗陸上競技大会最終日の9日、室伏兄妹(ミズノ)の“ハンマー投げ”競演が実現した。妹の由佳は円盤投げとハンマー投げの2種目に出場し、いずれも大会新で優勝。ハンマー投げに出場した兄の広治も自らの持つ日本記録には及ばなかったが、76メートル93の大会新でアベック優勝を果たした。
元々は円盤投げ専門で4月に日本記録も出した由佳は、午前11時半から行われた円盤投げで55メートル76の好記録をマーク。約20分間の休憩を取っただけで、午後1時からのハンマー投げに出場したが、疲れを押して自己ベストにあと26センチと迫る47メートル49を記録した。
今季からハンマー投げに取り組んでいるのは、世界挑戦を視野に入れてのもの。まだ2回転のフォームだが、鉄人一家の父と兄に続けとばかりに「今夏から3回転、4回転にチャレンジし、距離を伸ばしたい」と夢を膨らませている。

 

◆水戸国際・結果

世界選手権(8月、スペイン)代表選考会を兼ねた日本グランプリシリーズ第5戦、水戸国際陸上競技大会は5日、水戸市立競技場で男女計19種目の決勝などが行われ、男子400メートルは小坂田淳(大阪ガス)が世界選手権派遣標準記録(45秒80)を突破する45秒69で優勝した。
1500メートルは、佐藤清治(長野・佐久長聖高)が自身の持つ高校記録に0秒11と迫る3分43秒37で日本勢最高の3位に入った。100メートルは97年世界選手権3位のティム・モンゴメリー(米)が制した。朝原宣治(大阪ガス)は左足首痛のため残念ながら欠場だった。
女子100メートルは97年世界選手権200メートルで2位のスサンティカ・ジャヤシンゲ(スリランカ)が制した。先月の兵庫リレーカーニバルで日本記録保持者となった新井初佳(ピップフジモト)は11秒47と日本記録に0秒02及ばないながらも好記録で日本勢最高の2位。1万メートルは弘山晴美(資生堂)が32分17秒80で制した。
◆ボストンマラソン3位の有森裕子選手が一時帰国
4月のボストンマラソンで自己最高の2時間26分39秒で3位に入った有森裕子(32)=リクルートAC=が4日、成田空港に一時帰国した。シドニー五輪を視野に入れ「いいスタートが切れた」と評価する一方、「やっぱり、一番でないとだめだな」と悔しさものぞかせた。
今回の帰国は、5日のスポーツイベントに参加するためで、6日には渡米の予定。現在はレースの疲れもとれ、来年1月の大阪国際マラソンに向け、ジョギングを開始しているという。
ボストンマラソンに備えた練習中に転倒してできた左目下のけがの跡は、いまも痛々しいものの、有森は「この年齢で(2時間26分台という計時を)見えるとは思わなかった。練習中のけがも、気持ちが引き締まり、むしろいい方向に転がった」と笑顔で振り返った。今後については「(五輪代表選考レースの)大阪に向けて、今度はもう少し高い位置を目指したい」と話した。
◆静岡国際・結果
男子400メートル障害の山崎一彦(27=デサントTC)が、48秒96で日本人トップの2位でゴールし世界陸上代表の座を確実にした。ケガに悩まされ昨年は不本意なシーズンに終わったが、復活をアピール。今日4日であと500日と迫ったシドニー五輪に向けて弾みをつけた。
男子ハンマー投げは室伏広治(24=ミズノ)が76メートル33で優勝したが、自己の日本記録(78メートル57)更新はならなかった。
走り幅跳びでは、渡辺大輔(ミズノ)が自己ベストの8メートル00<日本歴代7位>を跳んで2位となり、日本選手7人目の8メートルジャンパーとなった。
女子五千メートルは田中めぐみ(あさひ銀行)が15分24秒33でラスト勝負を制し、高校生の藤永佳子(長崎諫早高)が、15分25秒61と自己の持つ高校記録を8秒68更新する高校新記録で4位に入る力走を見せた。
注目の室伏由佳(ミズノ)は女子ハンマー投げに出場し、7位だった。
○山崎一彦(やまざき・かずひこ)
1971年(昭和46年)5月10日、埼玉県与野市出身。八王子中から陸上を始め、武南高3年のとき高校総体4位、国体優勝。順大3年のときは全日本インカレも制した。95年の世界選手権で48秒37の日本記録(当時)を出し決勝進出。アトランタ五輪1次予選はゴール寸前で力を緩めたのがたたり敗退。174センチ、65キロ。
写真=400メートル障害で日本人トップの山崎

静岡国際陸上◇3日◇静岡県草薙陸上競技場◇男子400メートル障害など決勝16種目◇曇り、気温19度、湿度70%、南南西の風3メートル