貿易ゲーム
このゲームは、「貿易」が世界の人々の暮らしにどのような影響を与えているかを、一種の疑似体験を通じて
理解させる、参加型のワークショップです。
ねらい
このゲームは、参加型ワークショップとしては、とても完成度の高いものです。子どもたちだけでなく、大人も
楽しく参加し、世界の貿易のシステムが理解し、討議させることを目的としています。
所要時間
ゲームに約45分〜1時間(説明、ゲーム)。ディスカッションに30分〜1時間。ゲームは十分に楽しんだ方が
あとの討論が活発になります。
場所
4〜6人のグループが6つ〜7つ入ることができる部屋が必要です。椅子や机を移動できる部屋の方にしてくだ
さい。このゲームは人が移動しますので、できれば十分なスペースのある部屋がいいです。各グループに作業
用の机が必要です。ゲームの進行役には、机と黒板が必要です。
準備
- 図形の一覧表とルールを書いたものが全員に見えるようにする。
- あとに示す資源セット。
- 机の上はきれいに片づける。参加者は何も持たないで参加すること。
- 進行役は最低2人。できれば4人くらいは欲しい。一人は国連として、進行役を務め、もう一人は世界銀行とします。
- 世界銀行役は忙しいので、2人以上欲しい。
- 国連担当の人は、予備の紙と鉛筆を持っておくこと、予備の紙は新資源発見の時のため違う色のものがいいでしょう。
- メッセージを伝えるためのメモ用紙もあると便利です。
- ゲーム中にどんな発言があったかもメモしておくとあとの討論のときに使えます。
- 世界銀行担当の人は、グループごとに金額を記入できる用紙がいります。
- お金を用意しておいて、製品ができたら、お金を渡して下さい。
資源セット
グループ |
先進国 |
先進国 |
新興国 |
新興国 |
発展途上国 |
発展途上国 |
はさみ |
3本 |
3本 |
なし |
なし |
なし |
なし |
定規 |
2つ |
2つ |
1つ |
1つ |
なし |
なし |
三角定規 |
1つ |
1つ |
なし |
なし |
なし |
なし |
分度器 |
1つ |
1つ |
1つ |
なし |
なし |
なし |
コンパス |
1本 |
1本 |
なし |
なし |
なし |
なし |
鉛筆 |
2本 |
2本 |
なし |
なし |
1本 |
1本 |
ざら紙 |
1枚 |
1枚 |
8枚 |
8枚 |
7枚 |
7枚 |
紙幣 |
5枚 |
5枚 |
3枚 |
3枚 |
1枚 |
1枚 |
国名カード |
日本 |
アメリカ |
韓国 |
ブラジル |
タンザニア |
ウガンダ |
国名や資源セットの数はあくまでも見本ですので、それぞれ実践されるときに変えてみて下さい。

ゲームの進行
1 ゲームの参加者を6つのグループに分けて、各グループの国を決めます。国の作業場所は、先進国
ほど世界銀行に近く、発展途上国は、遠くにしておいて下さい。そして、資源セットを各グループに渡し
ます。そして、ゲームの目的とルールをを全員に説明します。各グループが違った組み合わせの道具を
与えられていることは参加者には教えないようにして下さい。
ゲームの目的
各グループの目的は、渡されたものを使って、自分たちのためにできるだけ多くのお金を稼ぐことです。
他のものを使うことはできません。お金は、紙を切って製品を作ることで得られます。製品の型は、一覧
表に示されています。それぞれの型には、それぞれの価格が決まっています。製品ができたらそれを
世界銀行に渡し、確認した上で、お金をもらいます。そのお金は資源(紙)を買うために使ってもかまい
ません。製品は好きなだけいつくでも作ることができます。たんさく作ればお金持ちになります。このゲー
ムでの価値観は「世の中銭だ」ということを言っておくとおもしろいでしょう。
ゲームのルール
4つの簡単なルールがあります。
- 製品はすべて、はさみを使って縁をきれいに型どおりに切り取り、一覧表に示されているとおりの大きさになっていなければなりません。
- 渡された道具しか使ってはいけません。
- 暴力は許されません。
- リーダーは国連という立場でいかなる争いごとも仲裁します。
2 初めのうちは、ルールを把握していない参加者から質問が必ず出てくるでしょう。「はさみをかしても
らえますか」「道具がないんですけど」などなど。しかし、質問には答えないで下さい。ゲームのルール
を繰り返し言っていれば、そのうち理解して、参加者は部屋を動き回って交渉し始めることでしょう。作
業時間は国連が判断して下さい。30分以上は欲しいところです。