秒時計二型

 計測時計には、夜光秒時計一型のように時計機能とストップウォッチ機能がついた物の他にもいくつかの型があり、ストップウォッチ機能のみのものもあります。当時、精工舎(現セイコー)では一周60秒で30分までの計測が可能なストップウォッチを製造しており、これが秒時計二型として採用となりました。
 陶製文字盤は1から12までの時間表示ではなく60までの秒表示となっており、中央に一周60秒の秒針、上部に一目盛1分で一周30分の小分針があります。操作方法は通常のストップウォッチと同様で、発条を巻いておき、竜頭を押してスタート、次に押すと停止、もう一度押すと定針位置の0に戻るという三作動式です。
 裏蓋には刻印が入り、秒時計二型、○に某、管理番号となっています。このうち、○に某は使用部隊・部署などを示し、例えば○に空は航空関係部隊となります。これらの他には海軍を示す錨のマークが入ります。
 展示の物は「呉兵」の刻印が入っています。広島県呉市には帝國海軍の呉鎮守府が置かれており、軍港、工廠、病院、兵営、各種学校等がありました。現在でも海上自衛隊呉地方隊が置かれています。

刻印

機械

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呉兵 秒時計ニ型 ○に空 管理番号 機械は丸テンプ、平ヒゲ、三作動式。 海軍を示す錨の刻印。

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