音響測遠器

 音響測遠器とは空気を伝わる音の速さを基準に距離を測る一種のストップウォッチです。
 文字盤外周には上(12時位置)から、1000〜20000までの目盛りがあり、測遠器として使用する場合の目盛りとなります。
 文字盤内側には下(6時位置)から、0〜60の目盛りがありストップウォッチとして使用する場合の目盛りとなります。
 一例としては着弾と同時に計測を開始、音が伝わった時点で計測を止めると、そのときに針が示している目盛りが着弾点からの距離となります。
 この音響測遠器には時計機能も付与されていますが、ほかにも数種類があり、時計機能の無いものも多く見られます。
 格納箱には陸軍名古屋工廠の刻印があり、格納箱蓋上面には「音響測遠器」の文字があります。
 主に陸軍砲兵隊等で使用されました。

測遠器として使用した場合

ストップウォッチとして使用した場合
針が文字盤外周の2150を指しており、距離が2150メートルあることを示す。 文字盤上部の針が3の位置を指し、中央の秒針が文字盤内周の38秒2を指しており、時間経過が3分38秒2であることを示す。。

格納箱刻印

機械
陸軍名古屋工廠を示す。 裏蓋は2重、機械はチラネジ付丸テンプ、巻上げヒゲ。

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