八九式活動写真銃改二

 戦闘に飛行機が使用されるようになると、相手の飛行機を妨害、あるいはその妨害を排除するために銃が持ち込まれるようになり、すぐに機関銃の搭載となりました。そうなると操縦技術や偵察技術などと共に当然射撃技術が求められるようになり、空戦・射撃技術の向上がはかられるようになりました。
 しかし、常に実弾での射撃訓練が行えるわけではなく、また模擬空戦など実際の射撃を行うわけにはいかない場合があります。そこで目標を実際にその射線にとらえたか、あるいは射撃時間が適切かなどを判定するためにカメラが用いられるようになりました。
 八九式活動写真銃は帝國海軍が紀元2589年(昭和四年、西暦1929年)に制式化した航空機用の写真機で、六櫻社(現コニカ)製です。
 フィルムと計測時計(ストップウォッチ)をセットし、引き金を引いている間その射線上の物と計測時計が撮影される仕組みとなっていて、銃把などをはじめいくつかの部品を交換することにより旋回機銃用と固定機銃用と二通りに使用できました。旋回機銃用として使用する際は銃把式に通常のように引き金を引き、固定機銃用として使用する際は、銃把の部分を交換して引き金に付属のワイヤーを取り付け、機内の機銃発射把に接続して使用します。

格納状態

フィルム装填箇所

フィルム装填時
写真銃左側中央部のフィルム装填箇所をあけた状態。 フィルムケースを装填した状態。

照門・照星

銃把箇所
旋回機銃用として使用時は、銃把を付け照門・照星を取り付ける。黄色い透明の箇所は計測時計を格納する箇所。 固定機銃用として使用時は、引き金・引き金覆いとひとつになっている旋回機銃用の銃把を、画像下部の固定機銃用の物と交換、ワイヤーを機内の機銃発射把に接続する。

■閉じる■