ベンチュリー管

 ベンチュリー管とはベルヌーイの定理を応用して管などに流れる気体や液体の流量を測定する差圧式流量計のひとつで、イタリアの物理学者ベンチュリーが考案したのでこの名がついています。
 航空機においては、旋回計や定針儀、水平儀や真空計など、吸引圧力を利用して作動する計器に接続されており、また、速度計にも使用されていました。
 このベンチュリー管は吸引圧発生用でその構造から二重ベンチュリー管とも言われます。管の中に一定の空気流を発生させて風車を回し、ジャイロを回転させる仕組みのもので、旋回計や定針儀、水平儀や真空計などに用いられていました。
 それぞれの計器には接続管を通して接続されますが、ベンチュリー管自体の取り付け位置は「プロペラの後流中に装備すべし」(霞ヶ浦海軍航空隊・航空機用計器教科書)とある通り、機首側面に取り付けられているものが多く確認できます。さらに排気管付近に取り付けることが望ましいとされていましたが、これは排気管からの熱気を利用し寒冷などによる凍結を避けるための措置でした。
 航空機が高速化するにつれ、その形状のためにうける空気抵抗の大きさが無視できなくなり、その取り付け位置は発動機補器後方等へ移ります。

前方より

上部

後部より

取り付け位置

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