携帯ナイフ

 一般にアーミーナイフや○徳ナイフなどと呼ばれる、ナイフをはじめ栓抜きやフォーク、スプーンなど、多いものではドライバーや拡大鏡、爪磨きまでがついた折畳式のナイフがありますが、これら多くの機能が付加されたのは比較的最近のことで、古くは当然その機能はナイフのみでした。
 しかし折畳式のナイフは取扱が容易なこともあり、大戦中も多くの軍隊で正式採用品あるいは将兵の私物としていろいろな形式の物が使用されていました。そのうち我が軍の将兵に使用されていたものがこの携帯ナイフです。
 この携帯ナイフは刃長約4.5センチのナイフの他に缶切の機能が付加されており、その刃も折りたためるようになっています。また、折りたたんだ缶切の刃は紐通しの金具で押さえることにより、不用意に起きないように配慮されています。
 もちろんこの携帯式のナイフしか使われていなかったわけではなく、肥後守という折り畳み式の小刀や通常の切出小刀なども使用されていました。

刃を出した状態

缶切の刃を起こした状態
刃長は約4.5センチ。この状態での全長は約12センチ(紐通しの金具を除く)。 使用時は紐通しの金具をずらし缶切の刃を起こし、折りたたみ時は金具で押さえる。

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