陸軍軍刀

昭和十三年制定

 

 この軍刀は昭和十三年(紀元2598年、西暦1938年)の服務改正で制定された軍刀で、鍔が透かし鍔となっている一般に言われる九八式軍刀の初期型です。
 展示の軍刀はガ島攻防戦やニューギニア戦線が行われた豪州方面から帰還したもので、その戦歴を物語るように鍔は歪み、刀身の刃も所々欠け、刀緒も痛んでいます。
 刀身は新刀で鵜の首造り、区から約20センチまでは両面に細い二本の樋が入っています。銘は備前介藤原宗次、時代は江戸時代です。
 所持していた士官の官位は尉官で、なかでも実際に下士官兵を率いて前線で指揮をとる「隊付将校」と呼ばれる士官のものです。

鍔は透かし鍔、刀身は鵜の首造りのものが使用されている。柄も非常に握りやすく全体の重量配分も良い。しかし、戦線の様子を物語るように、鍔は歪み、拵えや刀身にも大小の傷が見えます。

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