陸軍砲兵刀

乙型

 

 砲兵刀あるいは徒歩刀と呼ばれるものは、形状の異なる数種類があるといわれています。
 大きく分けると、柄・鞘の金具が真鍮製で柄片側面に斜線の滑り止めがある甲型、柄頭が丸く柄・鞘の金具が鉄製黒染となっている乙型、これら2種よりやや剣身の短い丙型です。
 明治十八年(紀元2545年 西暦1885年)2月27日に制式化され、主に砲兵や輜重兵、衛生兵、軍楽兵等、白兵戦闘の装備を持たない部隊に装備されていたようで、日清戦争時の砲兵等にこの装備が見られます。
 剣身は片刃で切っ先のみ諸刃となっています。

剣身は柄の2箇所と柄頭で固定される。柄頭は鉄製の塊で、手記などによれば槌の代わりにもなったといわれています。 刻印は剣身根元にあるのみで「小」と「朮」に似た2字があります。明治十九年頃からは「東京砲兵工廠 明治○○年製」と入っているものが確認できます。

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