村田式8ミリ小銃弾

 我が国は維新後の早い段階で、当時欧米列強でしか行われていなかった小銃の開発・製造に取り組み、明治十三年(紀元2540年、西暦1880年)には口径11ミリの小銃弾とこれを使用する国産小銃を完成させました。
 しかし、当時の主流方式だったとはいえ、この十三年式及び改良型の十八年式村田銃は弾倉が無く、一発毎に装填を行う単装式でした。そこでこれを連装式とする小銃の開発に着手し、使用する小銃弾の開発が行われることとなります。
 その結果、この小銃弾の装薬には当時開発されたばかりの無煙火薬が用いられることになり、口径はこれまでより小口径の8ミリとなりました。
 この小銃弾を連装式とする小銃として完成したものが二十二年式村田銃です。弾倉を銃床内に銃身と平行して設けることにより、八発の装填を可能としました。
 しかしこの方式で装填を行うと、銃弾の先端が前の銃弾薬莢底部の雷管を突く形となってしまい暴発の危険性があります。そのため、この小銃弾は銃弾先端が平坦に加工されることとなりました。
 この小銃弾薬は口径は8ミリ、薬莢全長は53ミリ、薬莢底部のリムは胴部より大きいいわゆるセミリムドです。
 弾丸は通常見られるような先端が鋭角なものではなくて、比較的長くその先端は4ミリほど平たく加工され銅で被甲されており、当時としては特殊な手間の掛かったものです。底面に製造年などの刻印はありません。

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