九二式実包

 帝國陸軍は、三年式重機関銃の後継銃として紀元2592年(昭和七年、西暦1932年)に九二式重機関銃を制式化しました。九二式実包はこの開発にあわせて制式化された機関銃弾です。
 これまでの三年式重機関銃は口径6.5ミリの機関銃弾を使用していましたが、時局の変化に合わせより威力の大きな機関銃弾・機関銃が求められ口径が7.7ミリとなりました。
 九二式重機関銃への装弾は保弾板を用い、この保弾板には30発装着できます。この方式は現在ではほとんど見られませんが、当時は一般的に採用されており、連続しての装填は装填中の(あるいは装填する)保弾板左の突起に次の保弾板の右端を重ねる形で行いました。また、九二式実包と後の小銃用の九九式銃実包は共に口径7.7ミリですが九二式実包は薬莢底部のリムが九九式銃実包と違い薬莢胴部より大きくなっています。
 ちなみに九二式重機関銃は九二式実包のほかに九九式銃実包の使用も可能でした。また、この重機関銃は九二式実包とも相俟って、重機関銃としては非常に良好な命中精度を誇り各戦線で活躍しました。

九二式実包三十発紙箱

保弾板左端
紙封に「九二式重機関銃弾薬」「九二式普通実包」、側面に番号、製造年月。 続けての射撃にはこの突起に次の保弾板右端を重ねます。

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