九九式狭窄射撃実包
7.7ミリ小銃弾

 これまで我が軍では小銃弾に6.5ミリ小銃弾を使用していましたが、支那事変の頃になると戦術の変化や装備の向上等による威力不足が指摘されはじめ、より大口径の小銃弾が求められるようになります。そのため、口径7.7ミリの実包を使用する小銃の開発が行われることになりました。
 既存の7.7ミリの実包には九二式実包がありましたが、これは重機関銃用に開発された実包で、装薬が強く小銃での使用には問題がありました。
 そこで、新たに小銃用として開発が行われ制式となったものが九九式銃実包です。
 九九式銃実包は九二式実包と同口径・同寸法ですが、装薬は重機関銃用の九二式実包に比べ小銃用に若干減装となっており、薬莢底部のリムも九二式実包は薬莢胴部より大きいのに対して薬莢胴部と同径になっています。
 この小銃弾は、九九式小銃と共に制式化され、他に九九式軽機関銃、一式重機関銃、二式小銃などでも使用されました。小銃への装填は6.5ミリの小銃弾と同様に填弾子を使用します。
 展示のものは7.7ミリの狭窄射撃実包です。
 狭窄射撃とは室内もしくは狭隘な場所での射撃のことで、主に短い距離を実際の射撃距離に見たてて行うものです。
 狭窄射撃実包は射撃動作、特に照準・撃発の要領の教育や、実包を用いて演練することが困難な対空射撃、隠顕あるいは移動目標に対する射撃、夜間射撃等の教育に用いられました。

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