九九式手榴弾

 九九式手榴弾は、紀元2599年(昭和十四年、西暦1939年)に制式化されたもので、2年前に制式化された九七式が弾体表面に凹凸を設けた所謂「破片用」であったのに対し、九九式は表面の凹凸のない所謂「爆破用」となっています。
 また、使用されている炸薬も異なり、九七式ではTNTが使用されたのに対し、九九式ではより強力な爆発力を持つピクリン酸系が使用されました。
 近距離に対しては投擲の手榴弾として使用し、遠距離の敵に対して使用する場合は小銃の先端に取り付ける百式擲弾器を用いました。
 作動は九七式と同様に曳火式時限信管で、ピンを引き抜き、頭頂部の撃針体を硬いものに叩き付けて点火、投擲します。

手榴弾上部

手榴弾下部
上部の赤い塗装は実弾を示す。信管作動中の煙が直接噴出さないようにカバーがついている。 信管基部に「昭十八/10 大阪」と刻印がある。また弾体側面下部にも小さな刻印がある。

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