用語集
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プリント基板用語集


PWB プリント配線板 (printed wiring board) 
絶縁基板上に、導電性の配線パターンをプリント方式により、めっきやエッチングなどの科学的手法によるか、あるいは、伝導性ペーストによって形成した板。セラミック基板上に伝導性ペーストをプリントして配線としたものを厚膜基板、スパッタなどで導体層を形成し、配線を行うものを薄膜基板という。初期には、絶縁板が紙フェノール基材で、板の片面、または、両面に銅などでパターンを形成したものが使われた。これらを片面プリント配線板、および、両面プリント配線板と呼び、トランジスタ時代のコンピュータなどの電子機器に広く使用された。両面板の表裏導通には、はとめや撚線が使われていたが、撚線の場合は同じ穴への部品挿入によって断線が発生し、はとめは温度変化による熱膨張率の差で亀裂がはいり接続不良になるなどの問題があり、めっきスルーホール方式となった。使用素子が集積度の高いIC、LSIになると、配線数が飛躍的に増加したために多層化し、絶縁基板はガラス布を基材としエポキシ樹脂やイミド樹脂を含浸し、硬化させた積層板が使われるようになった。初期には4層板であったが6層、8層、12層・・・と増加し24層さらには50層以上で大きさが約50p角の多層プリント配線板が超大型コンピュータのCPUの搭載に用いられるようになった。高密度化の進展で穴径が小さくなり、スルーホールはバイアを主体とし、表面のパッドにはんだ接続する表面実装方式が普及した。また、製造方法も積層してドリルであけた穴とめっきで層間接続するめっきスルーホール法から、一層ずつパターンを形成しそれを積み上げるビルドアップ法が普及し、レーザや紫外線による穴あけでめっきなどによる層間接続を行う方式が採られるようになってきている。パターン形成にはアディティブ法やサブトラクティブ法等各種の工法が取り入れられている。有機樹脂を絶縁板としたプリント配線板は、フレキシブルプリント配線板、LSIのパッケージ基板、MCM基板と適用が拡大している。多くの有機樹脂プリント配線板の絶縁板は可撓性がなくソリッドであるが、フレキシブルプリント配線板は可撓性のある板で、カメラ、磁気ディスクヘッドなどに使用されている。プリント配線板はプリント基板ともいわれ、回路実装技術の基盤といえるものである。印刷配線板ともよばれる。
ガーバー GERBERフォーマットというデータ形式で出力されたフォトデータ(フィルム作画用データ)をさす。日本ではフォトデータの大半がこのフォーマットで取り扱われているため、フォトデータをガーバーデータと呼ぶことが多い。
NC (Numerical Control)
工作機の工具の移動量を数値で制御させるシステムを”NC”といい、そこで使用されるデータなどをNCデータと呼ぶ。一般的に穴あけ用データをNCデータと呼ぶことが多い。
アパーチャ 本来は、フォトプロッタで作画するさい、指定されたライン幅やランド径に仕上げるための光が通過するフィルムでできたスリットをさすが、現在ではランドやラインの径状を表すことばとして使われる。
銅箔 厚みは18μm(1/2オンス)、35μm(1オンス)、70μm(2オンス)が主です。信号用には18μm、35μmが、電源層用には35μm、70μmが使われます。18μmはファイン・パターンの表面層に利用されますが、メッキ工程で20〜30μm程度の銅箔がつきます。電源層に信号パターンを通すとき35μmを使用しますが、70μmのほうがスルー・ホール接続が確実と言われています。
エッチング エッチング液を銅張積層板にスプレーして、エッチングし、レジスト・パターン以外の部分を溶融除去します。時間と液の管理が重要で、オーバーエッチングやアンダーエッチングを防ぎます。オーバーエッチングはエッチング過多でパターンがやせたり断線することで、アンダーエッチングはエッチング不足でパターン間に銅箔が残り、最悪の場合はパターンどうしショートしてしまうものです。
プリプレグ ガラス・クロスなどに樹脂を含侵させたもので、銅張り積層板のコア材に使ったり、多層板では銅張り積層板の間に挟んで積層接着するものです。加熱プレスすると接着効果が出ます。プリプレグは低温低湿の保存管理が必要です。
サブトラクティブ法とアディティブ法 銅張り積層板板の銅箔の不要部分をエッチングで除去する方法で、現在の主流はこれです。アディティブ法はパターンを銅めっきで形成する方法です。
基板の定尺とワークサイズ 基板材は1x1mまたは1.2x1mが定尺です。基板メーカーは、これを整数分した基板の大きさを製造の基準として、これをワーク・サイズと呼びます。各辺の長さは250mm、330mm、400mm、500mm、600m、が基本です。基板メーカーはこの組み合わせのいくつかを標準で用意しています。フィルム・サイズの組み合わせで、250mmx330mmと330mmx400mmの組み合わせが中心です。
基板材料 PP材(紙フェノール)
PP材はクラフト紙にフェノール樹脂を含侵した後、積層したものです。プレスで穴があけられるので、安価で低価格の民生用におもに使用されています。しかし、寸法変化や吸湿性が大きく、スルー・ホールが形成できないので片面基板しか構成できません。吸湿性が高いので、テレビ、自動車、トイレの洗浄機などで問題を起こし新聞沙汰になったこともありました。

GE材(ガラス・エポキシ)
GE材はガラス布にエポキシ樹脂を含侵させたものです。ドリルによる穴あけが必要で、価格も高い材料です。しかし、寸法変化や吸湿性が少なく、多層板が構成できるので、産業機器、パソコンやその周辺機器などに広く利用されています。

CPE材、CGE材(コンポジット)
これらはコンポジット材と呼ばれます。CPE材は表面にガラス布、芯材にセルロース紙、CGE材は表面にガラス布、芯材に不織布を利用しています。いずれもガラス布の使用量が少ないので、プレスで穴明けができるのでGE材に比べて価格が安く、両面基板ができます。寸法変化や吸湿性はGE材とPP材の中間です。

フレキシブル基板
30μm程度のポリエステルやポリミドフィルムに銅箔を接着した基板です。昔からカメラの内部回路などに使われており、折り曲げて押し込まれていました。最近は多層基板を構成したり、一般の基板を組み合わせて利用されています。

セラミック基板
セラミック上に導体ペーストを印刷後、燒結して構成します。寸法変化が少ないのが特徴です。

金属基板
アルミ板にアルマイト処理した後、銅箔を接着して構成します。放熱性が優れるのが特徴です。
ソルダーレジスト (Solder Resist)
プリント配線板上の特定領域に施す耐熱性被覆材料で、後続工程のはんだ付け作業でこの部分にはんだが付かないようにするもの。
クリームはんだ はんだ粉にフラックスを加えて、適当な粘度としたもので、リフローソルダリングの、はんだとして用いられる。クリームはんだ用のマスクフィルムのことをリフローとかメタルマスクと呼んだりすることもある。
ピン・ラミネーション 外層用銅張板、内層用銅張板、プリプレグの基準穴を設け、内層パターン形成後に基準穴にピンを通して位置決めし、その後に積層を行い、さらに外層を形成します。主として6層板以上の多層基板の積層方法です。
マスラミネーション 内層パターン形成後、積層を行い、外層板を座ぐり、内層の基準点を見つけて穴をあけ、その後の外層の形成や穴あけの基準点とします。おもに4層板に使われます。この方法で従来の両面基板の設備でも多層板ができるようになりました。
CAD (Computer Aided Design)
設計作業にコンピューターを利用すること。
CAE (Computer Aided Engineering)
設計や生産におけるエンジニアリング的な検討などにコンピューターを利用すること。回路設計や熱解析、インピーダンスなどのシミュレーションなどに利用される。
CAM (Computer Aided Manufacturing)
工業生産にコンピューターを利用すること。ガーバーデータ、NCデータ、ルータデータ、マウント用データなどの作成に利用される。
CAT (Computer Aided Testing)
製品の外観、寸法、機能、性能、などを自動的に検査するためコンピューターを利用すること。プリント配線板の外観検査、電気的断線チェックなどの検査に利用される。
CIM (Computer Integrated Manufacturing)
製造工場などの完全自動化やシステムの統合化にコンピューターを利用すること。
フローはんだ 槽の中で溶融している状態のはんだを使い、ポンプで噴流させ、部品実装後の基板をはんだに接触させて接続する方法です。
リフローはんだ まず、ペースト状になっているはんだを使い、スクリーン印刷やディスペンサで基板にはんだ層を形成する。部品を実装した後に熱を加え、はんだを溶融させ、接続する方です。
定格電力(抵抗器) 定格周囲温度において連続して負荷できる電力の最大値です。
定格電圧(抵抗器) 定格周囲温度において連続して加えることができる直流電圧または交流電圧(商用周波数実効値)の最大値です。定格電圧 [V] は、定格電力[W] と公称抵抗値 [ Ω] を使って、次式から算出した値です。
  =√PR
ただし、最高使用電圧を超えないものとします。
耐電圧(抵抗器) 耐電圧試験(JIS C 5201−1の4.7)において、電極と外装の指定個所の間に1分間加えることができる交流電圧(商用周波数実効値)です。
定格周囲温度(抵抗器) 規定の定格負荷(電力)を加えて連続使用できる抵抗器の周囲温度の最高値です。抵抗器を組み込んだ機器内部における抵抗器の周囲の温度であり、機器外の空気温度ではないことに注意してください。
定格電圧(コンデンサ) 定格最高使用温度においてコンデンサーに連続して加えることができる尖頭電圧(直流電圧および交流電圧尖頭値の和)の最大値をいいます。
サージ電圧(コンデンサ) 定格最高使用温度において6分の周期でコンデンサに1kΩの直列抵抗を通して30秒間加えることを1000回繰り返したとき、耐えることのできる電圧をいいます。

 



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