P-38 ライトニング
ハセモノ (1/48)
言うまでもなく山本五十六元帥の乗った一式陸攻を撃墜した機種です。
また、大戦中は「双胴の悪魔」なんて呼ばれてたみたいですが。
実はこのキット、だいぶ前から(千葉にいたときから)持っていて、たま〜に箱を開けては「ニヤリ」としてまた押入れに戻す、ということを繰り返していました。気味悪いですね。
今回、「モノコン」というコンペがなければずっと組まずに置いていたかもしれません。ホント言うと、もう一個持ってたりします。こいつはたぶん永久お蔵入りだと思われます。何故か。それを今から涙ながらに書きますんで。
モデラー、だけにとどまらず、模型好きな人間は、恐らく「仮組み」の時が一番楽しいのではないかと思います。かく申すワタクシもその一人で、主要パーツだけ切り出して「士」の字(こいつの場合は「井」の字)にしてニタニタし、その後しばらくそのまま、なお人でございます。
し、しかしこの至福のときにこいつの致命傷を発見していれば・・・。
胴体、主翼、尾翼の「それぞれ」の組み上げにはそれほどストレスを感じませんでした。全面凸モールド・リベット付きという「漢」な作りだし、パーツ割も(たぶん)パネルラインに沿う形です。合わせ目消しを強引にやるとリベットなどのモールドが消えてしまうのですが、その辺は適当に力を抜いてやればうまく活かせます。
肝心なのは組みあがった各部をきちんと合わせてみた時。
すんごい隙間(3ミリくらい)が胴体と主翼の間に・・・。
何のための仮組みじゃ、と叱られそうですが、その時は「まぁ経年劣化っちゅうやつやね」くらいの気持ちで、瞬着で強引に張り合わせればこっちのもん、くらいに考えていました。
しかしここまで大きな隙間とあらば、しかるべき方法、つまり裏からプラ板でふさぎ、パテを盛って整形する、という工程を踏まなければどうしようもありません。幸い(?)この機種の特徴で二本の胴体に主翼+中央胴体がガバっと乗っかる形ですので、「上から見れば気付かない」わけでして。。。ハイ。見なかったことにしました。
どうせ元々が脚庫があってしかるべきところががらんどうで「下から見てはいけないキット」なんだもん、よいよい。
次に脱力したのは説明書。
胴体(エンジンのついてる二本のほう)を左右思いっきり間違えて書いてます。組んでいくと必ず気付くのでいいですけど。誰でしょう、説明書の日本語訳をしたのは。
続いて脱力したのがキャノピー。
各面それぞれが独立したパーツになっており、ランナー状態では「ほー、凝ってるねぇ」くらいにしか思わなかったのですが、パーツはほとんどが歪んでいるか、融けておりました。急遽ゼリー状瞬着の大量使用ということになりましたが、やはり透明度はほとんどありません。ワタクシはいつもパイロットさんは作らず、キットの空き箱とともにしまわれて行くパイロットパーツに合掌するのですが、今回は「作らないほうが良い」と明確に思いました。こんな見通しの悪いコクピットなんぞ座りたくないに決まっております。
なお、キャノピーの天井部分が開閉可能になっておりまして、一応そのつもりで接着したのですが、強度不足のため接着せざるを得ませんでした。やはりパイロットさんは(以下略)。
コンペがなければ塗装もせずに甥っ子(当年3歳)にあげて、数時間でスクラップということになっていたことでしょう。いや、コンペ終了後、本当にそうなる可能性高いな。
ともあれ塗装。
サフ吹いてシルバーで均一に。あとは照り返し防止塗装のみです。あとは小物のみ。大きな失敗は・・なかったと思う。
んでもってデカール。
ものすごい量です。しかも細かい。でもなんとか何と書いているかは判別できる。よくまぁこんなの作れた(印刷できた)な、というくらい秀逸です。しかし肝心のノーズアート(2種類)がクタクタ。なんだか箱にも「Nose Art!!」ってウタッてる割にはダメダメでしたな。でもまぁマシなほうをチョイス。
指示書きやらコーションやらを鼻歌交じりで貼っていき、国識別マークを貼って、翼端の赤い部分(ここもデカールがあるのだ)を貼ろうとして。。。やってしまいました。
国識別マークと重なる。。。
しかもそこ「以外」を先に貼り付けたため、後戻りができません。マークセッターの頑固さをイヤというほど存じ上げているワタクシ。諦めて上から貼りました。アホ過ぎる。。。
窓から投げそうになりましたが、甥っ子の喜ぶ顔を想像して(本来の製作目的から外れとるやないの)トップコートでフィニッシュ。長い長い一ヶ月でした。
一応今回は始めて真鍮パイプでプロペラを「後ハメ」にできた、という成果は残りましたが。
<総評及び今後への訓戒>
1.下からみてはいけません
2.近寄って見てもいけません
3.説明書図面を信じて適当にデカールを貼ってはいけません
4.モノグラムを舐めてはいけません
正に双胴の悪魔ですな。
これが問題のノーズアート。もう少しなんとかならんもんか。
左翼先端は見せないことになっております。
こうして見ると結構なもんだが。
一ヶ月の成果がこの程度。
今回の教訓
撮影マジック・・・。