はじめちゃんが一番!
ずっと
怒涛のような年末年始を終えて。
五日になったばかりの深夜。
はじめは亮に誘われて。
初詣へ。
深夜も一時を回り。
誰もいないからと。
二人。
手を?ぎ。
誰かに見られたらと心配するはじめに。
大丈夫と。眼鏡を掛けて。
空気が頬を突き刺すように冷たい。
でも。
?いだ手は温かくて。
嬉しくて。
頬が緩むのを感じ。
はじめは慌ててマフラーを鼻のあたりまで持ち上げる。
亮は隠すこともなく。
笑顔のままで。
そのまま二人。
無言で歩く。
着いた神社は。
下町の小さな神社。
三が日も過ぎて。
誰もおらず。
鳥居に飾られた灯火の。
優しい明かりが二人を歓迎する。
石畳を歩き。
途中の手水で清め。
神前へ。
亮が鈴を鳴らす。
静寂な夜中に、鈴の音が響く。
はじめも同じようにして。
二人。
目を瞑り。
手を合わせ。
願いを神様に。
今年もみんなが健康でありますように。
それから。
……江藤さんのことが、もっと分かりますように。
自分の願いに。照れて赤くなる。
隣を見ると、すでに終えて、笑顔ではじめを待つ亮。
そして二人は。
また手を?ぎ。
ゆっくりと帰路へ。
はじめが亮に。
何を願ったのか聞き。
亮はもちろん、教えないけれど。
ずっと、一緒にいられますように……。
亮はふわりと笑って。
はじめはムッとして。
二人は。
ゆっくりと。
わざと遠回りして。
家へと帰る。
おわり
まるるさまからお年賀小説を頂いちゃいました!
寒い寒い真冬の深夜のお話なのに、確かな暖かみで胸が熱くなりました。
ゆるやかにはじめちゃんをリードしてる亮君がめちゃくちゃ素敵です。
お願い事を教えて貰えずぷうっと膨れてるはじめちゃんも愛おしいです。
まるるさんのはじ一小説は本当に素敵です。
まるるさん、本当にありがとうございました。