債権の譲渡に関する議論

タイトル 債権の譲渡に関する議論はこのスレッドで
記事No : 1
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 18:55
投稿者 管理人 [ID:NrppobISv22]

さて、何かと問題に成っている債権の譲渡ですが、
詐欺専用板では、埋もれる事になり非常に見難いところが有ります。

新たに此方で議論をお願い致します。


必要な法文は以下の掲示板のスレッドに有りますので
http://cgi.members.interq.or.jp/red/tatifuro/patio/patio.cgi?mode=view&no=2
適宣、リンクをするか、転載してください。


タイトル 関連、諸法へのリンク
記事No : 3
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 18:56
投稿者 管理人 [ID:NrppobISv22]

関連、諸法へのリンクを貼っておきます。
当サイト内「対策室(仮)」
http://cgi.members.interq.or.jp/red/tatifuro/patio/patio.cgi?mode=view&no=2
に、関連のある諸法を記録してあるので、適宣、転載、引用、リンクで紹介をして下さい。

なお、法文そのものには著作権は設定されておらない事により
官庁等のサイトからの法文そのものの転載は構いません。

法文の注釈、解釈などの部分については、通常の著作権の保護のもとに
おかれますので、適宣リンクで紹介するなり、配慮願います。


タイトル 契約にかかわる法律
記事No : 4
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 18:58
投稿者 管理人 [ID:NrppobISv22]

契約にかかわる法律

電子消費者契約法
http://www.fcci.or.jp/fitinfo/houritu/echou.htm
消費者契約法とは
http://www.pref.hiroshima.jp/kenmin/seibun/info/mame/shohi01.htm

法令索引検索 (一覧から選択した法令の全文が表示されます。)
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi


電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律 逐条解説(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/e11225bj.pdf
電子消費者契約法の逐条解説について(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/e11225bj.pdf
電子メールによる一方的な商業広告の送りつけ(いわゆる迷惑メール)に関する新たな表示義務について(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002285/


タイトル 債権回収に関係する法律の情報
記事No : 5
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 18:58
投稿者 管理人 [ID:NrppobISv22]

債権回収に関係する法律の情報

債権回収インフォメーション
http://www.saiken-kaisyu.info/kaisetsu/200210a.html
債権管理回収業の営業の許可
http://www.moj.go.jp/ONLINE/CREDIT/4-1.html
債権管理回収業に関する特別措置法施行規則
http://www.moj.go.jp/KANBOU/HOUSEI/chousa13.html
債権管理回収業に関する特別措置法
http://www.pref.niigata.jp/consumer/law/saikenkanri.html
債権回収業法とは
http://www.inagakilaw.com/asof/html/04x03/041603.html
架空請求と判断する理由
http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-bssbk/syouhi/kaku2.htm
身に覚えなければ支払い拒否を(尼崎市立消費生活センター)
http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/web/contents/info/city/city03/shouhi/adartsitefutohseikyu.htm
債権回収会社
http://www.manaboo.com/kyoninka.html


タイトル サービサー
記事No : 8
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:02
投稿者 荒木 [ID:X3BnJPJPijI]

http://cgi.members.interq.or.jp/www1/kuwasan/sagibbs/wforum.cgi?list=tree&mode=allread&no=1218&page=0
● - 教えてください!! - 佐久間[ID:wkv.PZQ7z7g] 03/14-03:05 No.1218
のスレッドからの移動です。

http://cgi.members.interq.or.jp/www1/kuwasan/sagibbs/wforum.cgi?list=tree&no=1282&reno=1266&oya=1218&mode=msgview&page=0
| 記事No: [1282]
| タイトル: Re: 教えてください!!
| 投稿日: 2004/03/15(Mon) 14:08
| 投稿者: 山岡[ID:0pAQbEgdVNM]
|
| > 特定金銭債権は、サービサー以外は譲受出来ないんですか?
| > ありがちなアダルトサイト請求詐欺とは関係ない事ではあるんですが、ちょっと初耳で驚きました。
|
| サービサー法の第2条第2項後段、第3項、第3条と三段論法で読んでいくと、少なくとも業として譲受・回収はできないことになります。

19条でサービサーから他者への譲渡を制限している事から、基本的には特定金銭債権の譲受はサービサーでなくとも出来ると読めるのですが、いかがでしょうか?


タイトル Re: サービサー
記事No : 9
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:05
投稿者 山岡 [ID:IA68IesgwsE]

> | > 特定金銭債権は、サービサー以外は譲受出来ないんですか?
> | > ありがちなアダルトサイト請求詐欺とは関係ない事ではあるんですが、ちょっと初耳で驚きました。
> |
> | サービサー法の第2条第2項後段、第3項、第3条と三段論法で読んでいくと、少なくとも業として譲受・回収はできないことになります。
>
> 19条でサービサーから他者への譲渡を制限している事から、基本的には特定金銭債権の譲受はサービサーでなくとも出来ると読めるフですが、いかがでしょうか?

まず、弁護士法73条は「何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。」となっています。

その特例として、サービサーに受託、譲受、回収を認めるのがサービサー法ということになるでしょう。

ポイントは「業として」「譲り受け回収する」という点だと思います。

「業として」でなければ譲受を禁止する法律はありません。

また、譲り受けても訴訟・調停・和解その他の手段によって回収するのでなければ、これを禁止する法律はありませんから、確かに譲り受けるだけであるならば特定金銭債権であっても、誰でも譲り受けることができるということになります。

しかし、業としない者が譲り受けるということもないでしょうし、「回収を目的としない譲り受け」というものも無意味です。

そこで、「少なくとも業としての譲受・回収はできない」というように書かせていただきました。


タイトル なるほど!
記事No : 10
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:07
投稿者 がす [ID:ok3xYntMPVg]

弁護士法からの関連づけをしていただいてようやく理解できました。

基本的に弁護士しか出来ない業としての債権譲受・回収を、特定金銭
債権についてのみ認められたものが正規なサービサーであり、それを
定めたのがサービサー法だと言うことですね。
(つまり特定金銭債権以外の債権の譲受・回収は、弁護士以外が業と
して行ってはならないと言うことですよね。)

これでやっとスッキリしました。
どうもありがとうございました。


タイトル 弁護士でもダメです
記事No : 11
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:08
投稿者 山岡 [ID:IA68IesgwsE]

> (つまり特定金銭債権以外の債権の譲受・回収は、弁護士以外が業と
> して行ってはならないと言うことですよね。)

「何人もと」あるので、たとえ弁護士であっても業として譲り受けて(訴訟・調停和解その他の手段で)回収することはできないということになります。

弁護士ができるのは、債権者の代理をつとめることです。

なお、代理とは本人(依頼人)のかわりにすることですから、本人に認められていない権利を代理して行使することはできません。


タイトル なるほどなるほど!!
記事No : 12
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:09
投稿者 がす [ID:ok3xYntMPVg]

すいません、勝手に解釈しておりました。

今度こそ理解できました。

ありがとうございました。


タイトル Re: サービサー
記事No : 13
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:10
投稿者 荒木 [ID:X3BnJPJPijI]

勉強になります。

> まず、弁護士法73条は「何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。」となっています。

これはそこまで広範囲なものと考えるべきなのでしょうか?
たとえば特許権を譲受して他者に実施権を与える事も、「他人の権利を譲り受け」、「権利の実行をすること」に該当しますよね。
それを「業とすることができない」とすると、職務発明で権利を会社に承継させた特許の実施権を他者に与える事が違法だという事になってしまうと思うのです。


タイトル Re: サービサー
記事No : 14
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:11
投稿者 山岡 [ID:IA68IesgwsE]

> これはそこまで広範囲なものと考えるべきなのでしょうか?
> たとえば特許権を譲受して他者に実施権を与える事も、「他人の権利を譲り受け」、「権利の実行をすること」に該当しますよね。
> それを「業とすることができない」とすると、職務発明で権・0堰Eミに承継させた特許の実施権を他者に与える事が違法だという事になってしまうと思うのです。

それは 「訴訟、調停、和解その他の手段によつて」ではありませんね。


タイトル Re: サービサー
記事No : 15
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:12
投稿者 荒木 [ID:X3BnJPJPijI]

> それは 「訴訟、調停、和解その他の手段によつて」ではありませんね。

その他にはあたると思うんですよ。
たとえそれがあたらないとしても、特許権を侵害されたとして訴訟した場合には該当するでしょう。


タイトル Re: サービサー
記事No : 16
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:12
投稿者 山岡 [ID:IA68IesgwsE]

> その他にはあたると思うんですよ。

この「その他」には政令にも規則にも定義がありません。これは「その他あらゆる手段」をさすものではなく、判断を裁判所に委ねたということと理解します。

> たとえそれがあたらないとしても、特許権を侵害されたとして訴訟した場合には該当するでしょう。

この条文の趣旨は訴訟他の法的手続を行うことを目的とした権利の授受を禁止することにあると考えます。

自己の有する権利であれば弁護士でなくとも訴を提起することはでき、73条のような行為を許せば弁護士法の抜け道となります。

それを防ぐのがこの条文の目的でしょう。

よって、既に侵害されている特許権を譲り受けて訴訟を起こしたような場合は当然にこの条文に抵触することになるでしょうが、製造する目的で譲り受けた特許権が後に侵害され、それに対して訴訟を起こすことは当然の権利であり、裁判所もこれを認めると考えます。

判例はないと思いますが、もしあればお教えいただければ幸いです。


タイトル Re: サービサー
記事No : 17
投稿日 : 2004/03/18(Thu) 19:13
投稿者 荒木 [ID:X3BnJPJPijI]

> この「その他」には政令にも規則にも定義がありません。これは「その他あらゆる手段」をさすものではなく、判断を裁判所に委ねたということと理解します。

結構グレーゾーンなんですね。なかなか難しいです。

一応ちょっと調べてみました。
平成12年 (受) 第828号 預託金返還請求事件
(http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf で検索出来ます)
「他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為であっても,みだりに訴訟を誘発するなど国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるおそれがなく,社会的経済的に正当な業務の範囲内にあると認められる場合には,弁護士法73条に違反するものではない。」
という事で、私が出した特許の例はまず間違いなく弁護士法73条に違反しないと考えられそうです。
債権の譲渡に関しても同様ではないかと考えますが、いかがでしょうか?


タイトル Re: サービサー
記事No : 38
投稿日 : 2004/03/21(Sun) 00:55
投稿者 山岡 [ID:IA68IesgwsE]

> > この「その他」には政令にも規則にも定義がありません。これは「その他あらゆる手段」をさすものではなく、判断を裁判所に委ねたということと理解します。
>
> 結構グレーゾーンなんですね。なかなか難しいです。
>

民事って結構難しいと思います。最後は如何にして裁判官の心証を取るかでしょう。

> 一応ちょっと調べてみました。
> 平成12年 (受) 第828号 預託金返還請求事件
> (http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf で検索出来ます)

前回書き込む前に調べたのですが、私の操作ミスか、ヒットしませんでした。

> 「他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為であっても,みだりに訴訟を誘発するなど国民の法律生活上の利益に対する弊害が生ずるおそれがなく,社会的経済的に正当な業務の範囲内にあると認められる場合には,弁護士法73条に違反するものではない。」

この要約だけを読むと、誤解しやすいですが、判決文全体を読むと趣旨がよくわかると思います。

最高裁の判決の趣旨は、

訴訟等により解決することを目的とした債権の譲受・回収は弁護士法72条の潜脱行為にあたるので違法である。

他人から権利を譲り受けて正当な社会的・経済的業務としてその権利を行使し、その過程において生じた紛争を訴訟等で解決することは、それが業(継続的・反復的行為)であっても弁護士法73条に違反するものではない。

であるということが、判決文全体から読み取れると思います。

> という事で、私が出した特許の例はまず間違いなく弁護士法73条に違反しないと考えられそうです。

前にも述べましたが、私の書き込んだことは概ね最高裁判決と同じです。



> 債権の譲渡に関しても同様ではないかと考えますが、いかがでしょうか?

たとえば事故となっていない貸金債権について、他の貸金業者が貸金を継続する目的で債権譲渡を受け、そのまま債務者から返済を受けるというのであれば、弁護士法73条には抵触しないでしょう。

しかし、事故となっている貸金債権について、訴訟等により解決する目的で買い受け、それが業となるものであれば当然に弁護士法73条に抵触すると考えます。


タイトル Re: サービサー
記事No : 39
投稿日 : 2004/03/21(Sun) 16:02
投稿者 荒木 [ID:3TkyQglzxQo]

> 他人から権利を譲り受けて正当な社会的・経済的業務としてその権利を行使し、その過程において生じた紛争を訴訟等で解決することは、それが業(継続的・反復的行為)であっても弁護士法73条に違反するものではない。

特定金銭債権を譲受しその権利を行使 (支払いを要求) し、その過程において生じた紛争 (払ってくれない) を訴訟等で解決する。
それが「社会的経済的に正当な業務の範囲内」にあるかどうかが分かれ目になると考えます。

一般論として「サービサー以外は特定金銭債権を譲受出来ない」と結論づけるのは困難でしょう。


タイトル Re: サービサー
記事No : 40
投稿日 : 2004/03/24(Wed) 16:50
投稿者 山岡 [ID:IA68IesgwsE]

当初私が申し上げたのは「少なくとも業として譲受・回収はできない」ということです。譲り受けること自体に何等規制がないということも申し上げました。


> 特定金銭債権を譲受しその権利を行使 (支払いを要求) し、その過程において生じた紛争 (払ってくれない) を訴訟等で解決する。

「支払要求」というのは履行請求ということでしょうか。

お金の貸し借りで考えればよくわかりますが、貸主が支払を請求するということは既に返済に滞りがあるということになります。一般に、遅滞なく返済されている貸金について「返せ」などと請求されることはありません。

よって「返せ」との請求が必要であるということは既に何らかの紛争などの「困難」(事件性)が生じていることになります。

他人から委託を受けて、このような債権(事件性のある債権・事故債権)について「返せ」などという請求をすることは法律事務であり、弁護士以外の者が業としてこれをすることは明らかに弁護士法72条に抵触する行為です。

よって、このような債権(事件性のある債権・事故債権)を他人から譲り受けて「返せ」と請求することは弁護士法72条の潜脱行為であり、これを禁止するのが弁護士法73条です。ご指摘の最高裁判例でも弁護士法72条の潜脱行為については最高裁もこれを問題にしています。

また、貸金を返せと請求(履行催告)したり、債務者と交渉したり、債権に変更を加えたり(リスケジューリング等)、訴訟、強制執行をしたりすることを債権の管理回収といいます。

よって、弁護士でなければ他人の債権について委託を受けて管理回収できないということになります。

またこれにより、弁護士でないものが他人の債権を譲り受けて管理回収することを業とするのは弁護士法72条の潜脱行為であり、弁護士法73条に違反すると言うことになります。

よって、事件性のある債権・事故債権については譲渡を受けることはそれが業であっても誰でも可能ですが、それを業として管理回収することはサービサー以外不可能ですから、サービサー以外が譲渡を受けることは意味がありません。

また、管理回収が必要な債権は原則的に事件性のある債権・事故債権ですから、正常債権については管理回収行為はできないということになります。

以上を踏まえて、サービサーでないものは少なくとも業として譲受・回収はできないと申し上げたものです。


ご指摘の最高裁判例は、上告人であるゴルフ会員権売買業者がその業として正常に買い入れたゴルフ会員権所有者としての正当かつ正常な権利行使として預託金の返還を求めたものであり、言ってみれば、ゴルフコースでプレイする権利と何等変わりのないものです。後にゴルフ場経営会社が預託金の返還を拒否したために訴訟となりましたが、上告人がゴルフ会員権の譲渡を受けた時点では何等紛争はなく、事件性のない債権であり、上告人は訴訟等で解決することを念頭において譲渡を受けたものではない点が弁護士法73条に違反しないと判断された最大の理由と考えます。

荒木さんが例にあげられた特許権の問題も、特許権は債権ではないと思いますが、特許権が移転した段階でなんら紛争がなく、譲受人は特許権に基づき製品を製造する目的で譲渡を受け、その後紛争が生じた場合であれば、当然同様の結果となると考えます。

要は権利の移転時に紛争等困難のあるなしが一番の問題であり、紛争等がある場合でも譲渡を受けることは自由ですが、紛争等を解決する手段は実質的にありませんので、再譲渡若しくは債務者の任意の債務履行以外どうしようもないのではないでしょうか。

ここから、アダルトサイトの債権譲渡を考えてみると結構面白そうですね。


タイトル Re: サービサー
記事No : 43
投稿日 : 2004/04/02(Fri) 01:15
投稿者 荒木 [ID:3TkyQglzxQo]

こんばんは。多忙でなかなか来れませんでした。

> ご指摘の最高裁判例は、上告人であるゴルフ会員権売買業者がその業として正常に買い入れたゴルフ会員権所有者としての正当かつ正常な権利行使として預託金の返還を求めたものであり、言ってみれば、ゴルフコースでプレイする権利と何等変わりのないものです。後にゴルフ場経営会社が預託金の返還を拒否したために訴訟となりましたが、上告人がゴルフ会員権の譲渡を受けた時点では何等紛争はなく、事件性のない債権であり、上告人は訴訟等で解決することを念頭において譲渡を受けたものではない点が弁護士法73条に違反しないと判断された最大の理由と考えます。

(5) 上告人は,ゴルフ会員権の売買等を業とする会社であるが,利益を得る目的で,預託金の額を下回る価格でゴルフ会員権を譲り受け,ゴルフ場経営会社を被告として預託金の返還を求める訴訟を提起するという行為を反復継続の意思の下に行っており,東京地方裁判所に提起したものだけでも,本件以外に 4,5件の同種訴訟がある。本件会員権の購入も同様の行為の一環としてされたものである。

「ゴルフ場経営会社を被告として預託金の返還を求める訴訟を提起するという行為を反復継続の意思の下に行っており」とありますから、訴訟等で解決する事を念頭に置いて譲渡を受けたものと判断されたと考えるべきでしょう。
しかし、そうであるにも関わらず、要旨のような判示になっているわけです。
弁護士法73条に抵触するかどうかはなかなか微妙な部分があり、一概に「サービサー以外が事故債権を譲受する事が弁護士法73条に抵触するため違法であって、そのためそのような主張を行う業者は通常存在し得ない」と考えるのは難しいのではないでしょうか。
裁判所でも判断に幅があり得る事について、これは違法であると言い切ってしまうのは危険だと思うのです。

> ここから、アダルトサイトの債権譲渡を考えてみると結構面白そうですね。

そうですね。
機会があれば行ってみたい30分法律相談などで聞く事がまた一つ増えました。
(すでに30分じゃ足りないぐらいたまってますが ;-)


タイトル Re: サービサー
記事No : 44
投稿日 : 2004/04/02(Fri) 22:21
投稿者 山岡 [ID:IA68IesgwsE]

> (5) 上告人は,ゴルフ会員権の売買等を業とする会社であるが,利益を得る目的で,預託金の額を下回る価格でゴルフ会員権を譲り受け,ゴルフ場経営会社を被告として預託金の返還を求める訴訟を提起するという行為を反復継続の意思の下に行っており,東京地方裁判所に提起したものだけでも,本件以外に 4,5件の同種訴訟がある。本件会員権の購入も同様の行為の一環としてされたものである。

これは原審の事実認定ですね。最高裁はこの事実認定に問題があるとして差し戻しにしてますね。

「本件についてみるに,ゴルフ会員権の売買には,ゴルフ会員権市場ともいうべき市場が存在し,その市場において多数の会員権の売買が日常的に行われていることは公知の事実である。そして,ゴルフ会員権の売買等を業とする者が,業として,上記市場から,会員権取引における通常の方法と価格で会員権を購入した上,ゴルフ場経営会社に対して社会通念上相当な方法で預託金の返還を求めたものであれば(記録によれば,上告人は,自己の行為がそのようなものであると主張していることが明らかである。),利益を得る目的で会員権を購入していたとしても,上記の見地から同条に違反するものではないと解される場合もあるというべきである。そうすると,上記1(5)の事実関係のみから,上告人の行為が同条に違反するものと即断することは許されず,・・・・」

ということです。


>
> 「ゴルフ場経営会社を被告として預託金の返還を求める訴訟を提起するという行為を反復継続の意思の下に行っており」とありますから、訴訟等で解決する事を念頭に置いて譲渡を受けたものと判断されたと考えるべきでしょう。
> しかし、そうであるにも関わらず、要旨のような判示になっているわけです。

でないことは明らかですね。



>「サービサー以外が事故債権を譲受する事が弁護士法73条に抵触するため違法であって、そのためそのような主張を行う業者は通常存在し得ない」

私の発言のどこをどうひっくり返すとこのような趣旨になるのか理解いたしかねます。

たとえ事故債権であっても、譲り受けること自体が違法であるとは言っていません。

事故債権を回収するためには訴訟等の法的手続きを行わなければならないのは自明であり、譲り受け当初から訴訟を念頭におかなければ回収できない事故債権を譲り受けて『回収する』ことは当然に弁護士法72条の潜脱行為であり、違法だと言っているのです。

私は常に「譲受・回収」とセットにして発言しているはずです。債権回収の問題で譲受だけを取り上げて論ずることには何の意味もないと考えるからです。

そして、回収できないことを承知で事故債権を譲り受ける業者がいるわけはないと発言しているのです。

> 裁判所でも判断に幅があり得る事について、

これは荒木さんの誤認に基づいた発言です。

また、最高裁の判断が明確に出ている以上、下級審での判決が大きく異なることはないはずです。あるのは事実認定についての判断です。