これがあなたの望んだ世界、そのものよ
でも、これは違う。違うと思う
……
そして、新たなイメージがその人の心も形も変えていくわ。イメージが、想像する力が、自分たちの未来を、時の流れを創り出しているもの
ただ人は自分自身の意志で動かなければ何も変わらない
だから、失った自分は、自分の力で取り戻すのよ。たとえ自分の言葉を失っても、他人の言葉に取り込まれても
西暦2000年9月13日、南極大陸某所にて大規模な爆発が発生、南極大陸は蒸発、爆発の余波は世界に甚大な被害を与えた。融解した極冠は海面を数十メートルも上昇させ沿岸部の都市の多くはは水没、その上、爆発の影響で地軸が変動して地球から季節の移り変わりは永遠に失われ、世界規模の異常気象が引き起こされた。
更に混乱に乗じて蜂起した大小の武装勢力の抗争も起き、世界人口は激減。
後にセカンドインパクトと呼ばれることになるこの災害は、公式発表では大質量の隕石の落下によってもたらされたとされている。
だが、それは欺瞞情報である。セカンドインパクトによってもたらされた最大の災害、それは、海面の上昇や地軸変動などではない。『時空震』とでも言うべき現象である。たかが隕石の落下などで起こせる現象ではない。
『時空震』によって、セカンドインパクト以降の世界は『混淆』された。だが、以前の世界との違和感を感じる者はいても、事態を正確に把握した者はいなかった。人間というものは、自身の想像の埒外にあることは信じたくないものだし、『時空震』によって引き起こされた身近な影響のほとんどは既知の現象で近似的に説明できるようにみえた以上、誰が『時空震』などという荒唐無稽な現象を持ち出す必要性を感じようか。
かくして、セカンドインパクトの真相は、それを引き起こした者たちだけが知る秘密となった…。
西暦2007年1月某日、京都、碇総本家。
「奴の所業はあまりにも目にあまる」
「さよう、あのような男にいつまでも碇姓を名乗らせておくわけにはいくまい」
「碇総本家直系の男子があの男によって腐っていくのを見過ごすわけにはいかないでしょう」
「うむ、シンジには碇総本家次期当主にふさわしい教育を施さねばな」
「レイカ様に預けてみてはどうでしょうか?」
「うむ」
西暦2007年3月某日、青森市。
「レイカ様、それでは彼をよろしくお願いします」
今朝、先生 - 父である碇ゲンドウが碇シンジの為に選んだ保護者 - のもとから彼を連れ出した、彼の祖父の配下だという男は、目の前の妙齢の美女に一礼すると、足早に去っていった。
何の説明も無く急に連れてこられたために状況の変化についていけずにシンジがぼーっとしていると、目の前の女性の影に隠れるようにして立っていた小さな女の子がとことこ歩いてきて、おずおずと見上げるような感じでシンジに話し掛ける。
「しんじおにいちゃん?」
あまりに接近しすぎていたのでちょっと慌てたシンジは、取り繕うにして女の子の名を訊ねると、すぐに元気な返事が返ってきた。
「わたし、ゆい。ゆいちゃんって呼んでね!」
少女はそう答えると可憐な笑みを浮かべ、少年は、少女の笑みにまぶしい物を感じてうろたえるばかりであった。
西暦2007年4月某日、京都、碇総本家。
「あの男は帰ったようですな、奴は碇姓の放棄を認めましたか?」
「シンジの親権は放棄させるが、碇性を名乗りつづけるのは認める、これが決定だ」
「…奴といったいどのような話をしたのです?」
「…今は言えん、時が来たら話す」
「……」
NEON GENESIS EVANGELION
with Little Lovers
EPISODE:00 renewal
西暦2010年、小笠原諸島近海に巨大生物出現。
熱海に上陸しようとした巨大生物を、戦略自衛隊は水際で迎え撃ち、通常部隊に甚大な被害を出しながらもN2爆弾の使用によりこれを撃退するも、以後この個体は散発的に日本近海に出没することになり、「太平洋の魔物」と呼ばれて恐れられることになる。なお、似たような巨大生物が他にも世界各地に存在する可能性が示唆されたため、数年後、各国の協力によって、国連直属の巨大生物災害対策機関『GUARD』が誕生することになる。
熱海での戦闘より数ヶ月後、第三新東京市、『特務機関ネルフ』本部。
白髪の老人と髭眼鏡の男がひそひそと密談を交わしていた。
「例の巨大生物の交戦データだがな、先日稼動を始めたばかりのマギで解析したところ、面白いことがわかったよ」
「…なんだ」
「結論を言えば、ATフィールド無しで戦った場合、現在予定しているエヴァのスペックではあれには勝てん」
「……」
「使徒があれと同等の戦闘能力を持って現れたならば、どうする? あれにATフィールドがついたら誰にも止められんぞ」
「…問題無い、例のアレを実用化できれば、エヴァの力を完全に制御可能になる。そうなれば…」
「覚醒状態で
「だが、あの理論が正しければ、ユイのサルベージへの道も開ける。それに、真の補完のためにはこちらのほうが都合が良いかもしれん」
「ユイくんの望んだ補完か、いいだろう。だが、委員会に悟られるわけにはいかん」
「当然だ、時間はかかるが、委員会の計画を進める片手間に極秘でやるしかないだろう」
「で、お前の補完計画は破棄するのか?」
「いや、サルベージはあくまでも可能性でしかない。こちらも従来通り進める」
「やれやれ、ただでさえぎりぎりのタイムスケジュールだというのに…」
「保険は常に必要だよ」。
「碇、ユイくんのサルベージに成功したとき、お前のあの計画をユイくんが知ったらなんというだろうな」
「………冬月先生、今はその可能性が見えた、というだけの話に過ぎません……」
「……因果なことだ」
それから数年後、ファーストセミチルドレン及びにセカンドセミチルドレンが認定される。秘匿名はコアチルドレン…。
第一話に続く
こんにちは、Yu-Kaです。まず最初に言っておきますが、アニメのエヴァンゲリオンは嫌いです。少年エースのマンガ版は嫌いではありません。そして、インタネ上に溢れているエヴァFFで好きな作品は沢山あります。
エヴァとのファーストコンタクトは、TV版26話でした。このときは、最終回がコレだなんてなかなかオモロイコトをやってるじゃないか、とは思いましたが、それだけでした。それまでの話をみているならともかく、アレしか見てないと、最後のおめでとうパチパチに気持ち悪さを感じるくらいで済みますし。
それからまもなく、布教に燃える友人によって半ば強制的にTVを録画したビデオを見せられましたが、騒がれているほど凄い作品とは思えませんでした。パクリっぽい部分が多いのにもうんざりしたし、こけおどし的演出も鼻についたし。
でも、この時点では特に好きとか嫌いとか意識していなかったのですが、友人に強制連行されて見に行った映画(EOE)で、エヴァが本当に嫌いになりました。
それから大分経って、「面白いオンライン小説があるよー」と友人に読まされたのが、かの有名な「Genesis Q」。いきなり最新話だけ読まされたので、オリジナルの超能力アクション物だと騙されかけました(笑)。エヴァのファンフィクションだと知ったのはずっと後になってからです。だ・ま・さ・れ・たー! と叫んだときはもう遅い、はまってる(苦笑)。
そして更に、綾波レイの魅力を原作をはるかに超えて引き出した名作「Rei IV」などを読まされるに至って、Yu-KaはとうとうエヴァFFの世界にどっぷりとつかってしまったのでした。 でも、やっぱりEOEは大嫌い。
さて、本作品ですが、様々なエヴァFFを読んで思ったこと感じたことのすべてをつぎ込むことによって、Yu-Kaの中のエヴァに一区切りをつけるために書いています。そして、原作の毒を中和するために、様々な作品の要素を融合させることにしました。
タイトルの「Little Lovers」とは、日経映像・NTT出版から発売された美少女育成シミュレーションソフト(ゲームとはいわない)のことです。知らないって人は、Little Lovers Home Pageに行ってみてください。今回「ゆい」と表記されている少女は、シンジ君の母親の碇ユイではなく、「Little Lovers 2nd - Yui - 」のゆいです。碇ユイを指すときには「ユイ」とカタカナ表記にするので間違えないでくださいね。
ゆいちゃんにはもちろんシンちゃんと同居してもらいます、でもあくまでも扱いは妹です。ですから、LRSやLASを展開する際の障害にはならないでしょう、たぶん。
あと、原作(Little Lovers 2nd - Yui - )での「ゆい」の苗字及びに母の名がわからなかったので、勝手に設定しています。ほんとの設定を知ってるひとは、メールで教えてください。
さて、「時空震」ですが、これによって、平行世界の要素が多量に紛れ込んできた、という設定です。アニメ「超時空世紀オーガス」の時空振動弾(だっけ?)が炸裂した状況をもうちょっと穏やかにしたものを想像してください。ごく近い平行世界の要素が、「世界」の境目を感じさせないくらい違和感無く自然に混ざり合った状態というわけです。ですが、イレギュラーな要素が入ってきたのには変わりないわけで、セカンドインパクト後の世界の様相は、本来あるはずの姿から少しずつずれていきます。第一話からその影響は顕在化することでしょう。使徒もこの変化の影響を受けています。
それでは、超時空世紀エヴァンゲリオン with Little Lovers の世界をお楽しみください。
西暦2015年、私立NERV学園に一人の転校生がやってくる。
「虹野サキです、よろしく☆ミ」
彼女の存在は学園内に大きな波瀾をもたらす。
学園最強との誉れも高い美少女ユニット「アスカ&レイ」が彼女を迎え撃つが、激しい口撃の前に敗退を余儀なくされる。
もはやだれも彼女をとめることは出来ないのか?
この最大の危機についに伝説の美少年ユニット「カオシン」が復活する…。
次回、学園エヴァ 第一話「虹野サキエル、襲来」
次回もサービスサービスぅ!
※なお、この次回予告はほぼでたらめです。
掲示板などでも感想を受け取ります。