D−FAXサービス(株式会社マジックメール)

1.OA化のホントの第1歩とは

 最近、世間であまり聞かれなくなった言葉の1つにOA(オフィスオートメーション)
と言うものがあります。
人間の手作業で行っていた業務(特に事務処理関係)を様々な機器である程度自動化する
事を指していた言葉だと記憶していますが、このOAの手始めとも言える事を一体何であ
ろうかと考えると、こんな機器の導入が考えられます。
まず、電子卓上計算機いわいる電卓の導入です。
次に、FAXの導入です。
この2つのうち、特に電卓については現在では必需品と言うか計算作業が行われる場所で
は最低でも1つは無い方が不思議な位に浸透しています。
また、FAXも大小いずれの事務所でも構えて仕事をする以上は無くてはならない電話に
次ぐ情報伝達手段の1つです。
音声(会話)では伝えきれない情報や見積もり請求等の書類のやりとりを迅速に行うには
絶対に必要不可欠です。
今回、FAXに関するサービスの話を少ししてみます。
 
2.手軽で身近なデータ通信は
1)FAXか、e−mailか  インターネットを使用したサービスの利用が一般化している現在、多くの人が何らかの 形でデータ通信を行った経験があるかとも思います。 データ通信と言うと堅苦しい話に聞こえますが、ここで言うデータ通信というのは音声以 外の文字や画像と言った物(データ)を有線無線問わず通信機器を用いて通信を言ってい ます。 この文を読んでいる人はインターネット上のホームページにあるデータを目にしているわ けですからこの行為もある意味そうですし、携帯電話やPHSと言った移動体通信の文字 による短文メール?サービスの利用もFAXによる文書のやりとりもデータ通信になるわ けです。 現在、一般的によく利用されているデータ通信というのは先に挙げた携帯電話やPHSと 言った移動体通信での数十文字位の短文メールサービス、移動体通信機器やパソコン等を 端末としてインターネットを利用したe−mail、FAXの3つだと思われます。 短文メールサービスはともかく、e−mailについては従来FAXで行っていた作業と 同等の事が行えるため最近はFAX利用の代用品と化している部分もある様です。 e−mailではワープロソフト等で作成した文書をそのまま添付ファイルとして送信で きますし、FAXよりも早い通信速度(一般的なFAXの通信速度は大体9600bps、 e−mailは一部の携帯電話利用時を除けば14400bps以上の利用がほとんど) で、しかも複数の送信先に1度の作業で送ることが出来ると言う俊敏さは現状これ以外の 方法は無いと言ってもいいでしょう しかしながら、FAXに比べてe−mailは操作も面倒ですし、手書きの書類や紙に書 かれている物を送るのにはスキャナ取り込み作業等の様なデータ化を行う必要があるため ヒジョーに手間がかかります。 その点FAXであれば紙の送信原稿をセットして送信先電話番号をダイヤルしてスタート ボタンを押せば済むので操作も簡単です。 なお、最近はラジオ番組でFAX利用のお便りの受付が多い事もあってか家庭内ではパソ コン以上にFAX付きの電話機が浸透しているようです。 2)FAX文書をe−mailで  実を言うと随分と前からパソコン用アプリケーションの1つににFAXソフトという物 が存在していて、これとFAX機能を搭載してたFAXモデム(現在市販されているほと んどのモデムにはこの機能が標準装備されているのでこの言葉もあまり聞かれなくなりま したが)を利用してパソコンをFAX機器として利用する事が可能です。 ちなみにこの場合、受信した文書はパソコンのハードディスクに保存されます。 また、現在市販されているパソコンにはFAXモデムやFAXソフトが付属している製品 も結構存在しているので、使用されているいないに関わらず、(ソフトウェアも含めた意 味での)FAX用機器そのものは潜在的には相当数普及している事になります。 とは言うものの、出張が多い等社外にいる時間の多い仕事に従事している人の場合では、 FAXの送信はFAXソフトやコンビニの有料FAXを利用する事である程度解決できま すが、FAXによる連絡を受ける(受信)と言うのはヒジョーに困難です。 携帯電話用のFAX機器も現在市販されていますが、出張用機材にこれ(本体だけでなく 印字用紙等の消耗品も)を加えるとそれなりの荷物にもなります。 またSOHO等の小規模事務所の場合では新たにFAX専用回線を追加するのは投資費用 もそれなりにかかりますから事もあって、二の足を踏んでしまうところです。 しかしながら、インターネットを利用したe−meilがこれだけ世間一般に浸透してい る現在において、e−mailでFAXの受信が出来ない物かと言う事は誰もが思うわけ です。 そんなものの1つが株式会社マジックメールが提供している「D−FAXサービス」です。 3)D−FAXサービスの実際  このD−FAXサービスですが、現状はG3と呼ばれる方式のFAXにのみ対応してい るので、G4と言う方式には対応していません。 しかしながら、家庭用のFAXも含めてほとんどのFAXはG3対応と言う事ですからそ れほど問題は無いかと感じます。  さて、実際にこのサービスを使用するにはホームページ経由(URLは本文最後の問い 合わせ先を参照願います)でD−FAXサービスの利用を申し込んで、その際に申込人毎 に「020」で始まる専用番号を取得します。 そして、発信者にその番号宛に文書をFAXで送信してもらいます。 この時に送信された文書は、NTT回線を経由して、D−FAXサービスが利用している サーバーへ送信されます。 そして、この文書が添付ファイルとなったe−mailが受信者のメールアドレス宛に送 信される、と言う格好で受信者はe−mailの添付ファイルとして文書を確認する事に なります。 なお、この際FAXで送信された文書は「TIFF形式の画像ファイル」となっているの でTIFF形式の画像を確認できる画像表示ソフト(もしくはIE等のWWWブラウザ) で内容の確認が可能です。 このTIFF形式の画像にされたFAX文書を実際に画面上で確認しましたが、一般で使 用されている感熱紙利用のFAXの文書とほぼ同じ位の鮮明さでした。 まぁ、ある程度は閲覧に使用するディスプレイに左右される部分があるのでしょうが。 また、FAX文書は添付ファイルとなるので複数枚受信した場合には添付ファイル数が複 数になります。 この時点で印字用紙不要の状態でFAX文書の確認が出来るのですが、どうしても紙にす る必要があれば、画像表示ソフトの印字機能を利用してプリンタで印刷すれば良いのです。 なお、この今回利用する「020」で始まる専用番号は元々NTTのポケットベルの割り 当て番号で、しかも、発信先課金の番号にあたるので発信先に「ポケットベル発信者課金」 を意味する項目の請求が行われるので注意が必要です。  
3.説明を受けた感想  D−FAXは基本的には「e−mailでFAXを受け取る」と言うサービスです。 ですから、FAX→e−mailと言う方向の通信は可能ですがe−mail→FAXと 言う方向の通信は残念ながら行えません。 とは言うものの、FAX送信に関して言えば先に話した通りFAXソフトを利用する事で 程度カバー出来ると思われます。  受け取るFAX文書は「TIFF形式のモノクロ画像ファイル」と言う形の添付ファイ ルですから添付ファイルの閲覧が出来ないe−mail端末(e−mail送受信機能対 応携帯電話等)ではメール有無の確認は可能でもFAX文書は確認できません。 それに、受信後にTIFF形式の画像を閲覧可能なソフト(ビュワー)が必要です。 ですから、WindwosCE搭載端末やパソコンの様なTIFF形式表示可能なソフト のある機器での受信が必要です。  また、現状ではモノクロ表示のみで、多色表示(カラー)には出来ません。 カラーFAXも一般に普及しているのでカラー化は可能ならして欲しいと感じますし、文 書の訂正を朱記で行った場合はそれが分からないと言う事になります。 実際にカラー化を実施する事自体はそれほど難しくはないのかもしれません。 しかし、カラー化をするとそれだけ添付ファイルの容量も増大するので、場合によっては 1〜2枚のFAX文書だけで送信先のメールボックスが容量オーバーで受信不能となる可 能性もありますので、中々実現は難しいところだと考えられます。  コンピュータの能力がこれだけ進んだ現在ですから少なくても文章オンリーであればテ キストファイルとしてe−mail化出来ないかと思うのですが、説明員の話によれば、 現在一般に普及しているFAXの解像度ではOCRソフトでのテキスト文書化が不可能だ と言うことでした。 もちろん専用のFAX送信端末を利用すれば可能になるのでしょうが、それでは「どんな FAXでも利用可能」と言うこのサービスの現段階での利点が失われることになります。 このような不満点は幾つかあるものの、従来のFAX利用にない利点もあります。 例えば、送信側の利点としては相手先FAX使用中等の理由でFAX送信を待たされる事 はありません。 受信側の利点としては、新たにFAX用の回線をもうけることもなく、またFAX機器の 備えて無い場合でもFAX文書が受け取れる(名刺にダイヤルインFAXと記載する事も 可能)言う事で、現時点ではヒジョーに有用なサービスであると思います。 私自身、出張が多い仕事に従事していた事があって何度も客先やホテルのFAXを受信に 利用した事があるので、その頃にこのサービスがあれば、と思う限りです。 さて、このD−FAXに関する情報は以下のホームページを参照願います。 株式会社マジックメールhttp://www.magicmail.co.jp/  
(−了−)


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