KacisWrite(カシスライター)

1.知識、情報の循環システム

 文書というものは、個人的に書いている日記を除いてほとんどの物が「書かれる」後に「読まれ
る」ものです。
この「書かれる」から「読まれる」を分かり易い例で言うと、授業でノートを取ると言う事を思い
浮かべるとおぼろげながらイメージがつかめると思います。
授業中にノートを取ると言うのは「書かれる」と言う行為です。
そして、このノートを試験前に見直したりするのは「読まれる」と言う行為のうちでは「自分が利
用する」行為です。
また、このノートを授業をさぼったり自発的睡眠学習したりした(かくいう私も授業中に別の書き
物をした経験がありますが)関係でノートを貸し借りをした場合は、他人のノートを読んだり自分
のノートを読まれたりと言う利用の行為で、これも「読まれる」行為です。
つまり、「読まれる」行為は単に書いた者自身が読む(利用する)だけでなく他人の書いた物を読
む(再利用する)事があるわけです。
このように文書と言う物は1度「書かれる」と何度か「読まれる」ものです。
これを少し細かく言うと「書く」「読む」「再度読む=再利用する」と言う流れが見えてきます。
また、この3つの作業は循環する場合があります。
例えば(この文章もそうですが)何かを書く(著述する)場合には、書く内容に応じて色々な資料
を読むわけですが、これは他人の作成した文書を「再利用する」行為です。
そして、自分で「書く」わけですが、それが完成すると自分もしくは他人が「読む」わけですが、
また、これを利用して新たに文章が作成される(著述がなされる)事もあるわけで「書く」「読む」
「再利用する」と言う3つの事柄が循環しているわけです。
しかしながら、ただ何かを書いただけではこの循環は行われません。
書いた(著述した)文章を読む事、つまり再利用が出来る状態におかれてこの循環が行われます。
この循環で利用できる道具として今回話題にする製品が株式会社メディアビジョンが販売している
KacisWriter(カシスライター)です。
 
2.動作条件  このKacisWriterは日本国内で現在流通及び使用されているパソコンの大半を占める 「Windowsパソコン」と一般に呼ばれるWindows搭載パソコン及びアップルコンピュ ータ社製Macintoshで動作させることが可能です。 ですから、勤め先のパソコンがWindowsパソコンで自宅使用がMacintoshと異なる 場合(もしくはその逆)でも全く同じ環境で使用可能です。 ちなみに、その動作条件についてWindowsパソコンについては次の通りになります。 ○Pentium以上のCPU搭載機種(intel社製純正及び互換品含) ○Windows95,98,98SE,NT4.0,2000,MeのいずれかのOSを搭載し  ている事。(ただし、Windows95搭載機種についてはマイクロソフト社製Intern  etExplorer4.01以降をインストール済みの事) ○必須メモリ:Windows95,98では32MB以上       :WindoesNT4.0,2000,Meでは64MB以上 また、Macintoshシリーズについては次の通りになります。 ○PowerMacintosh ○MacOS8.5以降、9.1対応 ○18MB以上のRAM となっていますが、これ以外に双方のパソコンにおける共通項目として、CD−ROMドライブが 必須です。 また、QuickTime4以上が必要となっていますが製品に付属していますし、パソコン雑誌 の付録CD−ROM等からも入手が可能です。  
3.機能と特徴 3.1)KacisWriterで何か出来るのか?  これは当たり前の問いかけですが、何はともあれ「文章作成支援機能」が基本機能と考えること が出来ます。 この「文章作成支援機能」と言う事は簡単に言えば、文章を作成するために助ける(支援する)機 能、作成するために必要な機能を持っていると言う事です。 その機能の最たるものが「アウトラインプロセッサ」の機能です。 3.2)アウトラインプロセッサとはなんぞや?  話が少々脱線気味になりますが名前の通りアウトラインを作るもの、と言う事になりますが結論 から言えば「目次を作成するもの」と言う事になります。 目次を作ると言っても今1つピン!と来ないかもしれませんが。 例えば、何かについて書こうとする場合にはその内容についての構成を考えるわけですが、その構 成を考える時に内容に関する事柄を色々と考えて、それをつじつまが合うように組み立てて(構成 して)文章を書いていく事になりますが、ここで言う構成は文章にとって目次にあたるわけでこの 作業をパソコンの画面上で行うアプリケーションソフトがアウトラインプロセッサです。 ちなみに、ほとんどのアウトラインプロセッサは構成作業に階層構造を採用する事を前提に作られ ています。 ここで言う階層構造とは、書こうとする内容自体をタイトル(仮題)として内容の項目を見出しと してその項目毎に載せる内容を小見出しとして……と内容が細かく端的になるにつれて下流の階層 になっていきます。 ですから、これを簡単に示してみると  題名   見出し1    小見出し     孫見出し   見出し2    小見出し     孫見出し      曾孫見出し… と言った案配で階層が出来ていきます。 ここでは「見出し」の階層表示を書き出しの頭の位置を下げて表示していますが、KacisWr iterにおいては、この題名と見出しを線で結んで樹形図の様に表示しています。 3.3)KacisWriterの実際  さて、KacisWriterは起動後、画面(ウインドウ)を左右2つに区切った格好の表示 となり、左側を目次(ヘッド)エリア、右側を本文(ボディ)エリアと名付けています。 そして、この目次エリアにアウトラインを表示させておいて、そのまま右側の本文エリアに文章を 書くことが可能です。 なお、本文エリアには見出しも表示出来るので、見出し毎に本文を持たせる格好の「見出し毎カー ド分け」式のアウトラインプロセッサとワープロソフト等に搭載されている「見出し本文1画面混 在」型のものとの2つの機能を併せ持っている形になっています。 そして、本文エリアは単なるテキストエディタではなく画像や表計算ソフトで作成した表等のファ イル(他形式ファイル)を取り込んで張り付ける事も可能で高機能なドキュメント作成用のワープ ロの様なものです。 そして、作成した文章は独自形式のファイル(Kacis書類)として、使用したグラフィックや 表データ込みものとして保存可能です。 このようにKacisWriterは「アウトラインプロセッサ」の機能を核にして、それに付随 して文章作成支援に必要な各種機能が追加されていると見る事が出来ると考えられます。  なお、ラインナップとしてはパッケージ版のKacisWriterの他に電子書籍作成機能等 の幾つか機能を追加したKacisPublisher(カシスパブリッシャー)、それからパッ ケージ版のKacisWriterkから他形式ファイルの取り込み機能やドローツール、数式化 学式エディタを省いたフリー版のKacisWriterFreeが存在します。 また、KacisPublisherで作成した電子書籍(KacisBook)の閲覧はkac isWriter及びKacisWriterFreeで可能です。 なお、kacisWriterFreeは株式会社カシスのホームページより入手が可能です。 (追記)KacisWriterの後継ソフト、Kacisプロノート及びKacisマイノート の発売に伴い、2003年3月31日を持ってKacisWriterFreeの公開が終了致し ました。 なお、Kacisプロノート及びKacisマイノートの30日間無料体験版及び今まで作成した Kacis形式の各種文書の閲覧が可能なKacisリーダー(無償)が株式会社カシスのホーム ページよりダウンロード可能です。  株式会社カシスのホームページURL=http://www.kacis.net/  
(−了−)


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